大阪到着の翌日、『特急こうや』で高野山に向かう。「絶対予約取るぞ!」という決意で友人が予約してくれたのだが、乗ってみればガラガラ。5月末でGWの混雑がひと段落したせいなのか、微妙に梅雨入り間近で旅行者が少ないのかは分からない。でも初めて乗る観光列車といことで気分が上がる。
バスに乗り宿坊に荷物を置いて、初日は高野山の中心地である金剛峰寺や壇上伽藍を回ることにした。
金剛峰寺は立派な門構えで境内も広い。
その中でも印象に残るのは国内最大級の石庭「蟠龍庭[ばんりゅうてい]」だ。白い砂で雲海を表し、黒い花崗岩で奥殿を守る雌雄の龍を表わしているのだという。当日は雨が降っていたので、岩の黒と砂の白さが際立ち、いっそう美しかった。
次は壇上伽藍の近辺を巡った。いろいろな建物があったのに、勉強不足と雨による足場の悪さとで建物の意味や歴史が頭の中に入ってこない。もっともっと勉強してからくるべきだったと後悔することしきり。
それでも列車・バスと乗り継いだ時の車窓からの眺めや数多い寺の様子などから、山が丸ごと寺院だと言うダイナミックさに感嘆せずにはいられない。一千年以上昔の仏教の力と、それを後押しする権力者の力というものを想像し、もう一度平安時代を学び直そうという気持ちになった。