ある日の母との会話。
私: 「あ~ん、ゴルフの練習もしたいし、バイオリン
の練習もしたいし、時間が足りないですぅ~
。」
母: 「興味の持てることがいっぱいあっていいね。」
私: 「おかあさんも、なんか興味のあることないの?」
母: 「そうだなぁ...。あっ、こうぞう」
私: 「はあ?」 (もしや、江藤耕造さんのことかしら?)
母: 「車の『構造』よ。昔免許取る時、構造の点数が一番良かったんだよね。でもダメか。この歳で車の下にもぐったりしゃがんだりは体が辛いもん。」
いや、そういう問題ではなくて..。70代の女性の一番の興味が車の構造っておかしくないですか?
赤い彗星
用事があってアルファのディーラーさんに連絡したら、「Bonnyさんが常磐道を走ってくれたおかげで他のお客さんがブレラにお乗換えになりました」との報告。そのお客さんは、「常磐道で女性が運転する赤いブレラ
を見たから」と言って買い換えたらしい。間違いなくその
は私です
オープン・カーと違い、屋根のあるブレラでは運転してる人のことなんて判らないだろうと思っていたけど、追越し車線を左ハンドルで走るということは右ハンドルの人からは運転手の顔が見えやすいということなのね。「ブレラじゃあまり目立たない」ってスネてた私もいきなり上機嫌。(おいおい、ブーたれていたのは昨日だぞ!)
今だ人気の衰えないガンダムの『シャー・アズナブル』のように”赤い彗星”と呼ばれる日も近い
昨年まで10年乗っていたアルファロメオのスパイダーは、モータージャーナリストが言うように、運転していて官能的な車だった。思ったように動き、首都高をちょっぴり遊びながら走っても高速道路をのんびり流して走っても『クルマを駆る悦び』という言葉が当てはまる車だと自負している。
それに比べてしまうことが間違いなのだろう。体力を考えて買い換えたブレラは十分魅力的でありながら、運転ということに限定すればいささかも『官能』を感じられない。「今時の安全制御システム」+「フルタイム4WD」という組み合わせでは、どこまでステアリングを切りどこでブレーキをかけたらどのように動くのかという基本的なコントロールをしているのは、自分ではなくコンピューターなのだということを思い知らされる。路面の凹凸を感じて走る”楽しさ”と”辛さ”を天びんにかけた結果、『生きている悦び』を感じられる大切な時間を失ってしまった。
しかし長時間の高速走行でブレラのほうが安全で疲れないのは確かなのだ。今は格段に静かになった車内でヨー・ヨー・マの”ピアソラ”を聴くときが、唯一『官能的』な時間となっている。