やっぱり彼は、頭がいい。
わざと挑発してきて、嫌と言わせる。
それは、私のMの人格の始まり。
朝から、
私は、完全に彼の思いのままに、操られ、
まるで、彼に飼われている牝牛のような気分になった。
牝牛は、とても主人に懐いていて、もう、以前のように、恐がって逃げようとはしない。
この数ヶ月で、ずいぶん調教された。
だから、すんなり鎖に繋がれて、四つん這いになる。
主人は、優しく言う。
お乳を絞ってあげようか。
涎を垂らして、尻尾をふりふりさせるかも。
暴れたら、鞭を使って、導くよ。
そして、全部絞り出すよ。
その後は、身体のすべてを彼に食べ尽くしてもらう。
舌も。
足も。
内蔵も。
お肉は、とても柔らかくて、甘い。
このまま、彼と、LINEを続けていたら、私はどうなっていただろう。
既に、息は荒く、鼓動が激しく、体の力が抜けてしまいそうだった。
きっと、キッチンに横になって、
行くところまで行っていたと思う。
淫らな女は、
夫の車の音で、我に帰る。
誠実で、従順な妻の顔になる。
でも、鼓動がまだ、乱れたままだった。
それを気付かれまいと、振る舞った。
人生何度でもやり直せる?
そんな事できたらいいな。
そしたら、こんなに不器用な生き方しなくてもいいのにな。