ハリーポッターと不死鳥の騎士団

監督　デビッド・イエーツ　
出演　ダニエル・ラドクリフ
　　　エマ・ワトソン
　　　ルバート・グリント
　　　マイケル・ガンボンほか

　原作を読んでないこともあって、今回はいささか戸惑った。ハリーも大きくなって内容も魔法戦争と言う暗いテーマになったこともあり、いつものお伽話のような奇想天外なシーンはなりをひそめ、何か別の映画のような雰囲気もあった。夏休みに入り、小さな子供連れも目立ったが、ハリーポッターと共に育った子供達でないと少し難しいかな。大人になってゆくハリー達をストーリーの展開の中で力強く描くことに徹していて子供っぽいエンターテインメントは無し。ただ少し物足りない気もしたのは私だけかな？
　ファミリー度　８５点　カップル度　８５点　映画好き度　８５点

夕凪の街 桜の国

原作　こうの史代
監督　佐々部　清
出演　麻生久美子　
　　　田中麗奈
　　　吉沢　悠
　　　中越典子
　　　藤村志保
　　　堺　正章
原作　「夕凪の街　桜の国」：平成１６年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞
　　　　　　　　　　　　　　第９回手塚治虫文化省新生賞受賞


　原爆の傷跡から復興が進む昭和３３年の広島に生きた女性　皆実（麻生久美子）の想う親子愛、兄弟愛そして恋愛、そしてはかなくもしおらしい命。２６歳までの夕凪の街。時は移り、皆実の弟である父の旭（堺　正章）が訪れる広島の街を幼なじみ東子（中越典子）と追って行くことになった七波（田中麗奈）。そこで触れる自分より早く亡くなった皆実の人生。普段考えても見なかった生きることの幸せと平和の尊さをかすかに、次第にしっかりと感じて行く・・・。
　最後の１５分はずっと涙が止まりませんでした。いい映画です。


皆実を演じ麻生久美子はたおやかでつつましく、それでいて明るく、どこまでも優しい女性を演じきっていました。



彼女が居てこの映画が成り立っています。もちろん田中麗奈も現代っ子ですが明るくやさしいいい娘でしたし、皆実の母親役の藤村志保も無くてはならない存在でした。




旭役の堺正章の存在が少し・・でも原作にはそっくりでそれもいい味でした。



私は広島で生まれ育ち、母親は被爆者です。母は投下何日か後に跡形の無い広島の街を歩いただけですが、その後髪の毛が全部抜けたそうです。この映画では被爆の惨状を「原爆の絵」で描いていましたが、私にはそれが余計に深く感じ取れました。この映画にはその描き方が良かったと思います。原作をさらにいっそう深く描き、生きること生きられることの喜びを感じ取れる温かい映画です。

　ファミリー度　７５点　カップル度　８５点　映画好き度　８５点

ダイハード４．０

監督　レン・ワインズマン
出演　ブルース・ウイリス
　　　ジャスチン・ロング
　　　マギーＱ
　　　ティモシー・オリフ

　前作から12年ぶりでブルース・ウイリスも４０才から一気に５２才。でもそのタフさは前作のどれよりもすごいのでは？　次から次へとド派手な破壊が続くのだけれど、それに巻き込まれた生身のマクレーンがいつまでも動き続けられるのがやはりダイ・ハード。「２４」のキーファー・サザーランドを一瞬思い出したが、やはり、ブルース・ウイリスは本家本元と言う印象だね。キーファー・サザーランドも多少髪の毛がブルース・ウイリスに似て来て、いい線行くかと思ってたけれど、さて皆さんは？
ファミリー度　９５点　カップル度　９５点　映画好き度　９５点

憑神

監督　降旗康男
出演　妻夫木　聡
　　　西田敏行　赤井秀和　森迫永依
　　　夏木マリ　江口洋介　ほか
原作　浅田次郎

　しゃべれどもしゃべれどもを見て以来コミカルな邦画に惹かれてダイハードより憑神を選んで見ました。心温まる人情ドラマかと思いましたが、期待を裏切らず笑いの連続でした。大型時代活劇とありますが　どういうか落語調、浪曲調でテンポもノリも良く物語の筋書きもこのノリで楽しめました。貧乏神、疫病神、死神と災いの神ばかりなのに皆人情派。この不釣り合いが面白く、それを個性派俳優の佐々木蔵之介、香川照之、佐藤隆太が盛り上げていました。でも一番光ったのが西田敏行の貧乏神、あの演技は夢に出て来そう・・。（出てきたら困るけどね）
なお、最後の原作者浅田さん、邪魔したらだめです。　
ファミリー度　８５点、カップル度　８５点、映画好き度　８５点