ドラゴン・キングダム

監督　　　　ロブ・ミンコフ
キャスト　　ジャッキー・チェン
　　　　　　ジェット・リー
　　　　　　リー・ビンビン
　　　　　　マイケル・アンガラーノ　
　　　　　　リュウ・イーフェイ

　面白い。このストーリー展開には魅せられます。石に閉じ込められた孫悟空を解き放すために如意棒を携えて旅に発つ。誰もが知るこのスチュエーションを題材にしたことがどの年代の観客をも魅了します。仲間と言うか、この映画では武芸の達人であり、師匠という方が良いと思いますが、そんな旅の道連れを得ながら苦難を乗り超えてゆく。そしてひ弱だった主人公も強く魅力的な人間に成長して行く。まさにロード・オブザ・リングを彷彿させるファンタジーです。
　ジャッキー・チェンとジェット・リー夢の共演で、最初のタイトルでふたりの名前がコラボで出てきます。そして期待通りのふたりの凄い技が見られます。でもカンフーのファンでなくても一級のアクションアドベンチャーに仕上がっているので誰もがこの映画に引き込まれると思います。
　旅を終えて最後は元の世界に主人公が帰って行くのですが、ここからもこの映画の楽しさが待っています。それも何段にも・・・。
　このストーリーからは続編はできないと思いますが、まだ見たいと思わせる面白さと魅力をもった映画です。

　ファミリー度　９５点　カップル度　９０点　映画好き度　９０点

『ドラゴン・キングダム』予告

クライマーズ・ハイ

　監督　原田　眞人
　キャスト　堤　真一
　　　　　　堺　雅人
　　　　　　尾野　真千子
　　　　　　山崎　努
２時間２５分という長編ですが、長いと思わせない映画です。
２３年前、御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機の事故を報道しようとする北関東新聞の記者達を描いた作品だということもありますが、やはりこの映画が観る人を惹きつけるのは、堤真一を始めとして堺雅人、尾野真千子、遠藤憲一、蛍雪次朗、でんでんらの迫真の演技だと思います。　

登山時に起きる極限の精神状態“クライマーズ・ハイ”。かってない大事故に遭遇した新聞社の全ての人達がそれと同じ様な状態に陥ったとき、自分の極限までを出しきって疲れるもの、激しくぶつかり合うもの、あくまでも 自分の信条に徹するもの、様々な悲哀を感じながらも誇りを持ち続けるもの、そういう人間模様を圧倒的な臨場感で描いています。
山登りのシーンとリンクさせた物語の進行は、題名のクライマーズ・ハイと重なってとても印象的です。
最後のシーンは原作には無いそうですが、堤真一親子の関係をもっと心情細かく描き、丁寧に最後のシーンを見せてくれればもっと感動的だったかと思います。

　ファミリー度　６５点　カップル度　７５点　映画好き度　７５点

奇跡のシンフォニー

監督　　　カーステン・シェリダン
脚本　　　ニック・キャッスル
キャスト　フレディ・ハイモア　ジョナサン・リース＝マイヤーズ、ケリー・ラッセル　ロビン・ウイリアムス　テレンス・ハワードほか

　原題「August　Rush」（八月の狂詩曲）　

　「再会の奇跡を呼び起こす（音楽の魔法）に心揺さぶられる感動のファンタジー」この映画のコピーの通り「ファンタジー」と言う表現があっている作品です。物語の展開はうまくまとめ過ぎている感が多々ありますが、そこら中に散りばめられた珠玉の音楽はこの上なく素晴らしい。主人公エヴアンが最初に引くタッピングギター、公園で町行く人を驚かせるストリート演奏、パイプオルガンの壮大な演奏、教会でのゴスペル、母親ライラのチェロ、父親ルイスの恋の歌、知らず知らずのうちに揃っての親子の合奏、そしてオーガストラプソディー。数えるときりがないほどでとても贅沢な時間です。そして感動を呼ぶシーンも。私が一番感動したシーンはライラが我が子の消息を突き止めた時のシーン。この子だと確信した心に、見せられた写真がどれだけの喜びだったか、それが伝わってきて・・。
　でもこの映画の素晴らしさは　音楽を愛し、両親に会えることを願うエヴアンを余すこと無く演じたフレディー・ハイモアにもあります。愛と音楽に溢れた感動の映画です。

ファミリー度　８５点　カップル度　８５点　映画好き度　８０点

August Rush "Organ"