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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

"INDO-YA" INA-NAGANO

2009年12月14日 01時36分58秒 | CURRY-欧風・洋食・ビストロ








半導体をはじめ、自動車用精密部品、光学メーカーなど、さまざまな最先端メーカーが集う南信・伊那谷――

今年も春から秋にかけて幾度となくこの地を訪れ、サーミスタやヒューズ、コイル等の受動系デバイスや各種コンデンサ、キャパシタ等のケミカルデバイス、リニアIC、カーエレクトロニクス向けパワーデバイス、カメラ用レンズといった、“守備範囲ど真ん中”の精密機器製品の研究開発に携わるエンジニアの取材を数多担当させてもらった。
21世紀の現代にありながら「農工一体」を実践するエンジニアを擁して世界トップシェアを堅持し続けるセンサーメーカーや、大賀ホールばりに美しい自然調和型の社屋や周辺施設を持つケミカルデバイスメーカー、はたまた400年近くの永きにわたって伊那谷の地の物にこだわり、原料から自社生産を行う老舗和菓子メーカーなど、取材の対象となったのはいずれも強い独自色と魅力を持つ“地域の雄”といった企業ばかり。大好きな南信地区という場所柄も手伝って、大いに刺激を与えてもらったぜ。

そんな幾度となく訪れた思い入れの強い土地、南信・伊那谷で出会ったカレー屋がこの『Indoya』だ。南アルプスと南駒ヶ岳の雄大な峰々に挟まれた絶好のロケーションにあるオリジナルカレーの店。同じく南信・飯田にある『麓のカレー大原屋』同様、クルマでなければまず辿り着くことは難しい山里でひっそりと営業を続けるお店で、かなり本格的なカレーを食べさせてくれるという評判を得て訪れてみた。

採光豊かな開放感溢れる空間が広がる店内はさしづめペンション風。大きな窓からは南アルプスの壮麗な峰々が望める。こういった空間でカレーが喰えるなんて実に幸せである(饐えて湿っぽい閉塞感あるカレー屋も好きだけどね)。バリバリのランチタイムにもかかわらず先客は営業マン風の男性客2人のみ。我々と同じく、この伊那谷のエレクトロニクス系メーカーを訪ねがてら、腹ごしらえのためにここに立ち寄ったのだろう。

意外と言っては失礼かもしれないが、ランチメニューはかなり豊富だ。《日替わりカレー》を筆頭に、チキンカレー、ナス&ひき肉カレー、グリーンカレー(シーフード)、カツカレーといったカレー系のメニューはもちろん、パスタセットや定食類まである。もちろんカレー系意外のメニューは眼中になく、今回は初訪店ということで、《日替わりカレー》をチョイス。ちなみにこの《日替わりカレー》だが、カレー以外にも「おかず」がセットされるという嬉しいオマケ付き。この日は《蒸し鶏》と《牡蠣フライ》の2つがあり、先の営業マン風の先客の一人が食べていた牡蠣フライがやたらと美味そうだったので、後者をチョイスした。

日替わりカレーは、数種のスパイスを配合した《ブレンドカレー》。辛さが選べるとのことで「中辛」「大辛」「激辛」とあるうちの激辛をチョイス。連日の深夜作業に加え、前日は最終の特急あずさにて24:00過ぎに松本入りし、さらにそこから朝日を拝みつつ原稿の仕上げを行ったこともあって身体はかなりグロッキー気味。強烈な辛味でヌクレチオドレベルからの覚醒を試みなければ午後からの取材を乗り切れそうにない。

仲間たちと天蚕について語り合っていると間もなくカレーが到着。こじんまりとしたものを想像していた《おかず》はそのままライスと味噌汁を追加すれば立派な定食になりそうなボリューム。やや自分にとってはヘビーではあるものの嬉しい誤算だ。カレーは「数種のスパイスをブレンドした」との説明通りに種々のスパイスが表面に浮いたいかにもキレ味よさげなタイプ。深みある色合いと相まって実に美味そうである。我慢できねえ。さっそくいただくことにするぜ。

「ノーマルでもかなりの辛さですよ、これ」 先にカレーを口にしたカメラマン氏のそんな言葉にやや不安を感じつつカレーを一口――
いきなりガツンとくるタイプの辛さで、確かに相当に辛い。しかしながら今の自分にとってはこのくらいの辛さが塩梅よかったりもする。おかげで一発で目が覚めた。味の方だが、見た目通りにスパイスの粒状感がしっかり感じられる切っ先鋭いテイスト。かなり自分好みの味で嬉しくなっちまったね。

《おかず》の牡蠣フライも揚げたて熱々で実に美味い。そのままかかっているソースで喰ってもよし、カレーに浸して喰っても良しでいいアクセントを生み出してくれる。蒸し鶏も嫌いではないがこちらを選んで正解だった。

ということで夢中で食べ食べ、あっという間の完食。おかげで取材前にいい英気を養うことができた。余談だが、店内では皿やコーヒーカップ等の食器の販売コーナーが併設されており、供されるカレーもそうした凝った手焼きの皿に盛られて出てくるのが素晴らしい。素敵なデザインの食器で食べるカレーは、それだけで美味さ3割り増しだしね。ということで味・演出・ロケーションいずれの点においても素晴らしいものを持つカレー屋だった。できればディナータイムに再訪してみたいと思う。満天の星空を望みながら喰らうカレー。考えただけでもゾクゾクしてくるじゃねえか。


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