常日頃からお世話になっている某業界新聞の編集長夫妻と錦糸町のベトナム料理屋にて食事会。あんなことやこんなことを話題に品良く盛り上がる。特に盛り上がったのが鉄道の話題。編集長の奥様が鉄道好きで、ご夫婦であの土合駅下りホームを訪れたことがあるとのこと。幼少期に読んだ“ワニの豆本シリーズ”の鉄道雑学本でこの駅の存在を知ったときは、チビッ子ながらに「こ、こんなクレイジーな駅がありやがるとは……」と驚愕のち絶句したもんだ。その駅が未だに形も運行も変えずに残っている。なんと素晴らしいことだろう。これは体力が落ちる前に訪れておかなければならないだろう。しかし自分様にはそんな「訪れておかなければならない場所」が2万ヵ所くらいあったりする。果たして彼の下りホームに降り立つ日はやってくるのだろうか。 話がかなり脱線した。今回の主題はベトナム料理である。このお店の『サイゴン・マジェスティック』という店名を聞いて真っ先に頭に思い浮かぶのは、沢木耕太郎の近著『一号線を北上せよ』で同氏が東京から予約を入れてまで泊まった『ホテル・マジェスティック』(基本が行き当たりばっ旅の人なので“予約”という行為自体が異例なのだ)。1925年創業という歴史あるコロニアル様式のホテルで、テラスから望むサイゴン河の眺望が素晴らしいらしい。agodaで調べてみたところ、さほど高くない値段で泊まれることが判ったので、次回、ベトナムを訪れた際はぜひとも泊まってみることにしよう。 しかしながらそれ以上に“マジェスティック”という言葉を耳にして強烈に想起させられるのは「マジェスティック・トゥエルヴ」、通称“MJ-12”。1947年、ニューメキシコ州・ロズウェルのUFO墜落事件におけるエイリアン回収を機に、当時のアメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンの命により設置された、軍人および科学者を中心とする極秘委員会のコードネームである。ミッションはUFO問題を一般大衆から隠し通すとともにUFOテクノロジーの調査・分析、そしてエイリアンとのコンタクトを通じて合衆国に有益な情報を収集すること。第3代CIA長官ロスコー・H・ヒレンケッター、マンハッタン計画の中核的存在にしてmemexの提唱者でもある科学者のヴァンネバー・ブッシュといった創生期の主要メンバーや、時のCIA長官アレン・W・ダレス(ケネディ暗殺に再して発足したウォーレン委員会のボードメンバーでもある)、同じく時のFBI長官のJ・エドガー・フーバー(言わずと知れたFBIの象徴)といったアイゼンハワー時代の主要メンバーの名前は今でもスラスラと出てきてしまうし、それを頭の中で復唱するだけでハァハァしてしまう。さらにそれに紐付く「プロジェクト・ブルーブック」「プロジェクト・サイン」「プロジェクト・グラッジ」といったUFO調査を目的としたプロジェクト名(時系列的にはサイン⇒グラッジ⇒ブルーブックの順が正解)や、コンドン委員会、ロバートソンパネルなどの査問会の名称、さらにこれらのナレッジを与えてくれた南山宏、ロバート・エメネガー、コンノケンイチといったUFO研究家たち、家畜惨殺事件に迫ったドキュメンタリー番組『ストレンジ・ハーヴェスト』の制作者であり、“キャトル・ミューティレーション”という言葉を教えてくれたリンダ・ハウ女史、「NICAP」「MUFON」「GSW(Ground Saucer Watch)」といった民間UFO研究ネットワークの名称などが次々と浮かんでくる。この他、ボブ・ラザー、エリア51、グルームレイク、S-4、マンテル大尉、ライト・パターソン空軍基地、マンザノエリア、アルチラータ・メサ、ガルフブリーズ、ヴォロネジ……ううお、脱線話なんてもんじゃねえ、完全に狂れちまってる。このままじゃ永久に戻って来られそうにないので、強引に本題であるベトナム料理に話題を移すことにするぜ。しかし恐るべし、「マジェスティック」……。 このお店、誠に嬉しいことにベトナムカレーが食べられるお店なのである。 「ベトナムカレー」と聞いてピンと来るものは限りなく少ないが、手元にある『アジア・カレー大全』によれば、北部地域ではほとんど食べられることがないものの、ホーチミンなどの南部では比較的ポピュラーな献立らしい。ベトナム語でもその名は「Ca Ri」であり、ココナッツミルクを用いた幾分タイカレーっぽい独特のテイストと、種々の肉や魚介類などに加えサツマイモを用いるのが特徴。実はここだけではなく、東京にあるいくつかのベトナム料理屋で「ベトナムカレー」なるものを食ったことがあるのだが、日本人ナイズドされた結果か、いずれもサツマイモではなくジャガイモが入っていた覚えがある。果たしてここのベトナムカレーやいかに。 ![]() まずはゴイ・クォン(生春巻)。ハノイで食ったものよりも小ぶり。ソースのテイストも異なるが美味かった。 ![]() バインセオ。ベトナム風オムレツでもあるし、ベトナム風お好み焼きとも言える。ココナッツが隠し味。 ![]() 塩卵。スプーンでほじくりながら食う。味は塩味が染みたゆで卵。頼んだ時はフィリピンのバロット的なエグいのを想像していたのだが、ごく普通のゆで卵だった。安堵のち若干心のこり。 ![]() ソフトシェルクラブのピリ辛揚げ。絶品! もっと食いてえ。今度、久々にレッドロブスターにソフトシェルクラブの唐揚げを食いに行こう。もちろんその昔さんざん通った江ノ島店に。 ![]() チャー・ゾー(揚げ春巻き)。ハノイスタイル(ネム・ザーン)よりもやや小ぶり。美味い。 ![]() 「オススメ」マークが付されていたイカの蒸し焼き。大量のネギが載った生のイカをニョクマムベースのタレで煮ていくことで、覆いかぶさっているネギで蒸し焼きにしていくという塩梅。最後にパクチーを散らして食う。コレも絶品。メニューで見る限りでは“地雷メニュー”っぽく感じたのだが、まさかこれほどの味とは。見た目で判断しちゃあいけねえんだ。人も食い物も。 ![]() ベトナム風の海鮮焼きそば。麺は米麺ではなく中華麺。美味かった。 ![]() そしていよいよお目見えのベトナムカレー。大ぶりなチキンのもも肉がデーンと入っており、イモはジャガイモではなく本国のレシピに則りサツマイモ。そして仄聞通りにココナッツミルクが効いている。タイカレーとインドカレー双方のテイストが一体となった独特の味と風味がありかなり美味い。見た目は血の池地獄の如くだがさほど辛くはなく、油を多めに使っていることからミャンマーの「ヒン」にも近いとも言える。現地ではフランスパンか「ブン」という麺と組み合わせて食べるのが一般的。しかしライスとも相性はよく、シャバシャバと飯に振りかけ、“汁かけ飯”の如くワシワシと食らうともう止まらねえ。他で食べたベトナムカレーよりも一レベル強く本場感のようなものが感じられ、「うめえ、うめえよ……」をうわ言のように繰り返しながら完食したのだった。 ベトナム人の店員さんによれば、ランチタイムでもこの絶品カレーを食べることができるという。やや飯の量が少なく感じたので、次回は飯大盛りか、ライスに加えてブンも頼んでみることにしよう。いずれの料理も外れがなく、店員さんもフレンドリー。店内は広々としており、くつろぎつつ料理を楽しめる。素敵なお店を教えてくれた編集長に感謝。また利用させてもらいます。 |
![]() ![]() 大宮へと出張した際に入ったタイ料理店。 当初、ソニックシティビル傍にあるインド料理屋でカレーを食べていくつもりだったのだが、いざ、店の前に行くと閉店に向けての撤退作業中。外から伺ってみた限りではなかなかいいムードの店だっただけに残念である。ならば二の矢を放つまで、と別のインド料理屋を探すも、めぼしい店がない。カレー屋といえばココイチくらいだ。ココイチ大好き人間なのでそれも悪くないのだが、せっかく普段あまり訪れることのない街だけに、ローカルな店でカレーを味わいたいという気持ちが強い。 で、再び店探しへ。 小洒落たカフェ(笑)、いかしたバール(苦笑)、居酒屋、中華料理屋などを訪ねてみるもカレーはなし。唯一、ランチサービスを行なうキャバクラでカレーのメニューを発見したのだが、いくらなんでも薄暗い店の中、深々としたボックス席でカレーはねえだろう、っつーことで華麗にスルー(かなり惹かれるものはあったけどね)。頼みの綱の日本そば屋すら見かけない。どうもこの街とは相性がよくないらしい。ほんじゃ、さきほど見かけたココイチでグランマカレーでも食っていくか、と歩を進めた視線の先にあったのが《タイカレーランチ》の看板。そういや、ここ最近タイカレー食ってないな。これもカレー神によるなんらかの思し召しと解釈し、寄って行くことにする。 店は小さく古めかしい雑居ビルの最上階(確か5F)にある。エレベータなんて気の利いたものはねえ。おまけに階段の斜度は八海山や神立高原の上級者コース並だ(いや、もっとキツいか)。そこをえっちら、おっちらと登ってゆくとタイ王国プミポン国王のポートレイトが立てかけており、その横のドアが目的の店となる。 店内はL字型のカウンターのみ。マスターが真ん中に陣取り常連客の相手をしている。狭いが活気に満ちていていい雰囲気だ。ランチメニューはグリーンカレーを筆頭にトムヤムラーメン、パッタイ、フォー、ガパオガイがいずれも¥500。訊けばおかず2つを組み合わせることも可能とのことで(確か¥700)、グリーンカレーとガパオにしてもらった。そうやってメニューを決め、オーダーを告げている合間にも常連とおぼしきお客さんが次々と入ってくる。気さくで話し好きのマスターの人柄に惹かれてのことだろう。その会話に加わりつつ料理が来るのを待つ。重ね重ねいい雰囲気の店である。カウンターなので、マスターの調理風景が見られるのもいい。 ![]() グリーンカレーだが、かなり濃い目の味付けだ。タケノコやナス、チキンなどの具がたっぷりと入っているので、このくらいでないと食材に“うっちゃられ”てしまうのだろう。辛さも強く効いており俺好み。現地でタイカレーを食ったことはないが、他でも食うものよりも一レベル“本場感”が強い気がする。ちなみにライスはちゃんとタイ米なのが嬉しい。やっぱこれじゃなくっちゃあな。 ガパオもかなり塩っ気の強い味でライスがどんどん進む。日本人が大好きな甘辛さと、南方系の料理らしい強めの辛みを伴う爽快感(バジル入りだしね)があり、グリーンカレー同様、「本場はこうなんだろうなぁ」というものを感じさせてくれる。そんなことを考えながら夢中で食っていたら、いつのまにかライスだけがなくなってしまっていた。腹七分あたりだが、ガパオもカレーもまだまだ残っているので迷うことなくライスのお代わりをもらい、さらに食い進んでゆく。 そうやって夢中で食べ食べ、気がつけば皿が空。ライスをお代わりしたのでかなり腹がくちいが、久々に美味いグリーンカレーでありガパオにありつくことができて満足だった。「どう? 辛くなかった?」とマスター。「塩梅いい辛さでしたよ」「また、辛いものが食べたくなったら来てよ」といったような会話を交わし金を払って店を出る。メシの美味さはもちろん、マスターの人柄や常連客たちが醸しだす雰囲気を含めていい店だった。本格的なタイ料理が食いたくなったならば、少し足を伸ばしてまたここに来ることにしよう。それだけの価値がある店だ。 |
![]() ![]() ![]() そんな大好きな街(というよりも“一角”と表すべきか)、京橋にて取材があり、久しぶりに懇意のカメラマン氏と一緒になったので、『茶でもシバいて行こうぜ』ということになった。16:00過ぎという中途半端な時間だが、昼メシを抜いたこともあって、軽く何かを口にしたい。それも金曜日の夕暮れだけにカレーが喰えりゃ尚最高。カレーが喰えてコーヒーも飲める店――ありそうでないんだよな、などと考えあぐねていたら目の前にランチの立て看板があり、「カレー」と「ティーセット」という文字が飛び込んできた。それがこの店『Monsoon Cafe』。バブル期の象徴の一つとされた店である。他の店を探すのも面倒なのでここで妥協することにした。 倉庫のドアを思わせる重厚で無骨なドアを開くと、写真のような空間が広がっている。右手には『権八』という和食ダイニング。目指すべき『Monsoon Cafe』はまだ先のようである。 ![]() 角を曲がると、古代神殿の内部のような柱廊が続く。思った以上に奥行きがある。もっと先へ行ってみたいがとりあえずメシ。どうやら左手に広がる空間が『Monsoon Cafe』のようだ。 ![]() ![]() 店内はかなり広い。ちょっとした球技が出来そうなほどの空間があるのだが、通されたのは2組の先客と隣り合い半ば接したようなテーブル。サーブの効率を優先させたいのは分かるが、これじゃくつろぎもへったくれもねえ。広大な空間のある一角に見知らぬ6人が肩を寄せ合うようにして座る。俯瞰で見たらさぞや異様で珍妙な光景であろう。広大な空間は実はホログラムで、3m四方の小さな空間だけが実空間だというドラえもんの『室内旅行機』を思い出しちまったよ。 ![]() ![]() 頼んだのは『7種の野菜のレッドカレー』というタイ風カレー。海老シューマイやベトナム風春巻き、ドリンクがセットになったランチメニューだ。 ![]() ![]() ![]() カメラマン氏と年末の“カレーセッション”について話し合う。スパイス類持参でカメラマン氏の別荘に赴き、それぞれが異なるカレーを作り合い、技を磨き合おうというもの。昨年暮れにカメラマン氏の邸宅にてカレーを作ってもらったことが発端となり、「ならば今度はオレも」ということで持ちかけてみた企画だ。ぜひカメラマン氏自慢のカレーを一から学んでみたい。 ![]() そろそろここから脱出することにしよう。先ほどの柱廊をさらに奥へと進むと、今度はアメリカンレストランの区画に出た。ここも広い。よく見ると2階にも席がある。夜の部が始まる前だからか、お客さんの姿はない。 ![]() ![]() 一体、出口はどこなのか。さらに通路を奥に進む。 ![]() ![]() 今度はイタリア料理店のある区画に出た。石焼き釜に火がくべられているが、こちらも夜の部前ということでお客さんの姿なし。ああ、美味いピザが喰いたいな。 ![]() ![]() さらに通路を進む。おお、やっと出口らしきものが見えてきた。 ![]() ![]() と思いきや最後の最後に分岐路。左手もどうやらレストランのようだ。もちろん選ぶは右だ。 ![]() ![]() ということでやっと脱出に成功。なかなかに面白い空間だった。さて、このまま丸の内まで歩き、いつものようにバスで帰ることにしよう。 ![]() WX1 |















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日頃お世話になっているIT系業界新聞の編集・営業氏らと共に、暑気払いを兼ねて薬膳カレーでも貪ろうぜってなことになった。
向かったのは深川不動尊の参道にある『お招き屋 ディデアン』。オーガニック食材を用いた和洋折衷の創作料理を供する薬膳レストランで、看板メニューの「愛玉子」(オーギョーチー)に加え、化調もとい課長を一切使わない薬膳カレーが名物。深川不動尊や富岡八幡宮に詣でた経験のある方なら、その参道の途中にある『愛玉子』の吊り看板を目にしたことがあるかもしれない。
店に到着したのは20:00をちょいと過ぎた宵の口。しかしながら人気店のせいか年配客・カップル客で満席。通常ならば「じゃあ、また後で」ということになるのだが、なんせ俺らは据えて湿って澱んだ場所が好きな偏屈屋。「ならば」ということで軒先にある順番待ちのためのカウンター席に陣取り、ここでカレーを頂くことにした。
蒸し暑い夜で決して快適とは言い難いが、しん、と静まりかえった夜の参道の雰囲気は一種独特で下町好きには応えられない趣きがある。足下からは蚊取り線香の煙がたなびき、顔を上げれば電灯に群がる羽虫たちの残像。こういった状況が好きな俺にとっちゃ、金を払ってでも確保したい特等席だったりする。なんといってもここは深川。八重洲や日本橋地区、浅草などと並んで大好きな街だけに、その空気を肌にまとわりつかせながらカレーが喰えるというのはこの上なき幸せなのである。
えびしゅうまいや「変わり春巻き」なんぞを肴に冷えたジャスミン茶で一杯。サラエヴォやリガ、ブエノスなど僻地をばかり好んで旅している営業氏とユダヤ教をメインとした宗教論を交わし、アメコミ好きで尋常じゃない懸賞の当選確率を誇る編集氏と『ミッドナイト・ミートトレイン』の話で盛り上がる。そういえば、この『デディアン』という店名を聞いて真っ先に頭に思い浮かべたのは『ブランチ・ダビディアン』だったが、その教祖の「デヴィッド・コレシュ」という名前はバビロン捕囚を解放したペルシャの英雄コレシュそのものじゃねえかということに気付き小さく慄然(先のユダヤの話につながる)。それ以上に俺の深読みに唖然だ。
そうやって席を離れて通りを散策してみたり、昆虫を捕まえてみたりして1時間近くの経過を見たところでやっとカレー到着。オーガニックでロハスでスローフードなんだからこれぐらいの所要時間は当然だといえる。このメンバーだと話しもそれなりに盛り上がるし、軒先の雰囲気も悪くないので待つことが楽しい。むしろ2時間くらい要して持ってきてもらってもいいぐらいだ。
そのカレーだが、たくさんの種類のスパイスを調合したインドカレーかと思いきや、レモングラスとチリ、ココナッツミルクを効かせたタイ風カレーだったのは少々驚き。透明感ある美しいジャスミンライスの上には真っ赤なクコの実が散らされ色味も鮮やかで美しい。薬膳カレーだけにマイルドな味を想像したが、意外にもしっかりとした辛さと刺激感を持つカレーでなかなかに美味い。薬効成分もなかなかのもので食べてすぐに身体がいい具合に火照ってきた。おお、心地よいポカポカ具合だ。シモの方にも効きそうじゃねえか。ぱくもぐ。
食後のデザートに白桃と黄桃を剥いてもらう。火照った口中に文字通り桜桃の密が染み入り、その甘露に惹かれてカナブン氏まで飛来してくる始末。なんとまぁ楽しい夕餉だろうか。忙中にあるだけに嬉しさもひとしお。来て良かったよ。
という訳で気がつけば23:00近く。さて、いつものように路線バスで帰ることにするぜ。






















すべてLX3
久々に心底から「うめえ!」と思えるタイカレーと出会った。
その店がコリドー街にあるタイ料理店『バンコク・キッチン』。とある編集女史の一押し店で、以前に一度利用したことがある本格志向のタイ料理店だ。
それなりの人気店ゆえ、金曜日の夜などは予約必須なのだが、不景気の影響か、この日は花金(死語)にも関わらずすんなりと席に着くことができた。
チョイスしたのは9種の料理で構成される『ゴールデンシャワーコース』。内訳は三種の前菜(生春巻き、海老すり身湯葉包揚、さつま揚げ)に始まり、春雨炒め、トムヤムクン、魚の唐揚のスパイシーあんかけ、ナスとポークのオイスターソース炒め、カレー、デザートといったところ(たぶん)。
まぁ、こんな理由であまりタイカレーを食べることはないんだけど、このコースの中で食べた「シーフード卵カレー」はマジ美味かったね。見た目に味、食感なんかはカレーというより「スパイシーな親子丼のアタマ部分」ってな感じなんだけど、香り豊かなジャスミンライスにかけるとテイストが一変。紛う事なきタイカレーそのものへと昇華する。これはちょっと驚きの味。ライスとの相性ありき、どうすりゃタイ料理特有の喉越しを最大限かつ効果的に導き出せるか、といったことに尽力を重ねて生まれたカレーだという気がする。っつーことで「タイ料理、っパねえ~」と俺なりに最大の賛辞と喝采を贈らせてもらったぜ。
コースの料理いずれもが外れなく、どれをとっても美味かったんだけど、このカレーはそれに輪をかけての絶品クラス。今度はこれのみを目当てに再訪するぜと心に誓い、〆のタピオカミルクをジルジルと啜るのであった。







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松本取材の中日。
一応、オフではあるが、原稿は山のように溜まっているので、宿を早朝に出て、周囲を少し散歩してその後喫茶店で原稿書き。原稿を東京に送信した後、今度は気分転換のため松本城を散歩して、再び先の喫茶店に戻りまたまた原稿書いて送信。
そうやって少しだけ一段落したら13:00を回っていたので何か食べようと街へ。
もちろん目指すはカレー屋である。とりあえずこの街でどうしても行っておきたいカレー屋が2軒ある。一つは中町通りにある『カレーの店・デリー』。そしてもう一つが信濃町や神保町にある店と同じ『メーヤウ』である。
とりあえずどちらかに行こうと思ったが、その前にどうしてもチェックしておきたいカレー店があり、まずはそこを視察した後、いずれかの店を目指すことにした。前日の「潮騒」に向かう道中で発見したインド料理屋『ロイヤルヒンド』がその店。ベルモールというショッピングセンターの中に入っており、客入りのあまり良くないフードコートにあってここだけは満席。そこそこ人気はあるようだ。店先からタンドールで何かが焼かれる香ばしい匂いがしてきたので、<今日はここでいいかな>ということで少し時間を潰してもう一度再訪することに(つーか意志よええ)。
とりあえず行く宛てもなく、お世話になっているクライアントのビルの裏手まで歩いてみれば「XXさん」と呼び止める声が。振り向けば長野取材でずっとお世話になっている制作担当氏の姿が。なんたる奇遇――こういった“偶然”が頻繁に起こる街がここ松本であり、この制作担当氏属する支社の不思議なところ。なにげにすんごく嬉しい。聞けばこれから奥さんと待ち合わせてランチとのこと。「だったら一緒に行きませんか」という嬉しいお誘いをいただいたばかりか、あの『メーヤウ』に連れて行ってもらえることになった。
実はこのメーヤウ。松本駅周辺から4km以上離れた場所にあり、とても歩いていける距離ではないことが判明。「観光しつつ歩いていけばそのうち着くだろう」という当初の考えの甘さを反省させられることに。
さて、肝心のカレーですが、嬉しいことにこの店、バイキング形式のお店なんですな。カレーの種類もドライカレー、グリーンカレー、レッドカレー、パイナップルカレー、インドネシア風ビーフカレー、チキンカレー、カントリーカレー、ハッシュドビーフなど豊富にして十分。とりあえず目視で見ただけを列挙しただけだから実際にはもっと多いかもだぜ。
とりあえず真っ先に手が伸びたのはインドネシア風ビーフカレーとチキンカレー。これらを“あいがけ”にしていただく。おお、意外とパンチがあってうめえ。特に気に入ったのはインドネシア風ビーフカレー。大きなビーフの塊がしっかり煮込まれていてホロホロととろけるような味わい。辛さだって相当なもんですよ。
二の皿は、制作さんの奥さまご推薦、パイナップルカレーをメインに、グリーンカレー、ドライカレー、なぜかハッシュドビーフと4種盛りでいただく。さきほどの辛いカレーとは対照的な爽やかなな甘さが心地よく意外とイケる。ベースもグリーンカレーと同じなので混ぜて食べても美味い。4種盛りとややお下劣な盛り方をしてしまったが、これもカレー野郎久々のカレーバイキングってことで許したってつかぁさい。
ということで松本グルメのラスト飾るに相応しいカレー。連れて行ってくれた制作担当氏とその奥様にあらためて感謝。今度、こちらにきたときは信濃町のメーヤウにでも言ってみましょう。
先日の取材で、意図せず2日連続でマレーシア料理を食べることになった。しかも同じ制作担当氏とカメラマン氏という取材クルー構成ってのが笑える。



[9/18]『海南鶏飯・汐留店』・カレー飯



[9/19]『マレーチャン』(池袋)・チキンライス
写真を見てもらえばお分かりだろうが、1日目の『海南鶏飯』ではカレーを食べたが、翌日の『マレーチャン』では若干日和ってチキンライスに逃げてしまった。カメラマン氏などは2日ともカレーには目もくれず。対して孤高のカレー野郎であるワーク氏は2日連続マレーシアカレーを貫き通す男らしさを発揮。あらためてそのカレーに対する情熱がいかにスパイシーなものであるかを再認識させられた。そこはかとなく去来する敗北感。修行せねば。
ちなみに2日目のマレーチャンはフィッシュヘッドカレーで有名な店。いずれ挑戦してみたい。



[9/18]『海南鶏飯・汐留店』・カレー飯



[9/19]『マレーチャン』(池袋)・チキンライス
写真を見てもらえばお分かりだろうが、1日目の『海南鶏飯』ではカレーを食べたが、翌日の『マレーチャン』では若干日和ってチキンライスに逃げてしまった。カメラマン氏などは2日ともカレーには目もくれず。対して孤高のカレー野郎であるワーク氏は2日連続マレーシアカレーを貫き通す男らしさを発揮。あらためてそのカレーに対する情熱がいかにスパイシーなものであるかを再認識させられた。そこはかとなく去来する敗北感。修行せねば。
ちなみに2日目のマレーチャンはフィッシュヘッドカレーで有名な店。いずれ挑戦してみたい。





GX100
唐突だが、タイカレーをほとんど食べることがない。
インドカレーはしょっちゅう食べているものの、タイカレーは1年に1回食べるか食べないかの頻度。ヤマモリのタイレトルトカレーや無印良品のタイカレーキットを使ってたまに自作することもあるのだが、それでも年に数える程度でしかない。
理由はタイ料理のバリエーションが豊富だから。
それだけに、カレーよりもむしろカオマンガイやガパオといった米料理、パッタイやバミーナムなどの麺類、トムヤムクンやタイスキといったスープ料理の方に目が行ってしまい、カレーにまで手が伸びることはほとんどない。幼少の頃よりカレーを愛し続け、「カレーに貴賤なし」をスローガンにカレー部を主催していろいろなカレーを食べ歩いてきたが、タイ料理というジャンルの中でのみ、何故かそのプライオリティは著しく低下してしまう。
そんなタイカレーを久々に食べることになった。
新丸ビルで取材があり、帰りに懇意のカメラマン氏と「何か喰ってこうぜ」となるいつもの流れの中、前々から気になっていた有楽町ガード下のタイ料理屋の存在を思い出したからだ。カメラマン氏も同様の考えだったらしく交渉成立。件の店へと向かう。
電車の食堂車のような店内。ここが日本であることを忘れさせてくれるタイ語やどこの国かも分からない言葉が乱れ飛ぶアジア的喧噪に、「これは期待できる」と確信。最初はいつもの慣例でカオマンガイかガパオご飯を頼もうと思っていたのだが、その期待値の高さからカレーを頼んでみることにした。
俺が頼んだのは、エビとなすのレッドカレー。ムー・ホンと呼ばれる豚の角煮、高菜の炒め物、春雨の和え物が一つの皿に盛られたバランス良いカレーセットだ。一方カメラマン氏は豚肉とココナッツミルクのグリーンカレーのセットをオーダー。「分け合いながら喰おうぜ」と誓い合い、料理がくるのを待つ。
待つこと10分。我がカレー様が運ばれてきなすった。
ご覧の通りのボリューム感あるカレー。一つ残念なのはライスがジャスミンライスなどの長粒米ではなかったこと。まぁ、¥600という人情プライスを考えれば高価なジャスミンライスは無理があるのもよく分かるので、苦言を呈すつもりはない。
さて味は――
ううむ、「辛い」とメニューにはあったが、その実辛さとは無縁のカレーだ。レモングラスの香りも殆ど皆無で非常にノーコメント系。まぁ、値段相応の味ということか。カメラマン氏のグリーンカレーも同様の傾向。本場そのままではなく、日本向けにアレンジされたカレーだということにしておこう。
帰りは丸ノ内口側で東京駅の改修工事をじっくりと観察。付近一面に貼り出されている当時の竣工計画やステーションホテルの歴史、その様式に関する資料などを読みながら、2011年の竣工に想いを馳せる。
*
ちなみに前々日も、この店の目と鼻の先にあるやはりガード下の立ち食いそば屋『新角』にてライスカレーを喰らった。俺的に一番美味いカレー。久々に食べてみて、その評価に揺るぎがないことをあらためて確信したぜ。なんつー美しさ、なんつーそそるカレー。国宝級だろ。






連載を持たせていただいている某業界新聞の編集氏が、新婚旅行でトルコ旅行に行ってきたというので、その土産話を聞かせてもらうために水道橋のシンガポール料理屋へ。
以前にも打ち合わせで使ったことのある馴染みの店の一つで、鶏飯のほか、チキンカレー飯が名物。その他、一杯やるための小皿料理がいろいろあるのだが、カレー好きな面々だけにチキンカレー飯と鶏飯をベースにソフトシェルクラブや炒め物や揚げ物などでテーブルを満たす。
カレーはタイ風とマレーシア風と中華テイストが融合したかのような味わい。スパイスが尖ってなくてとても優しい(辛味はシーズニングを振りかけて調整する)。このカレーの味もさることながら、付け合わせのチキンライスが激ウマ。これにカレー、薬味、シーズニングスパイスをぶっかけてわしわしと頬ばって喰らうとそれなりに幸せになれるぜ。
このカレー以上に美味かったのが、店名にもなっている名物の「海南鶏飯」(ハイナン・チーファン)。シンガポール風チキンライスといった感じの料理で、例のチキンスープで炊きあげたライスの上に蒸し鶏を載せ、カレー同様に薬味や3種類のソースをぶっかけてわしわしと喰らう。腹一杯なのだが、するすると入っていって、気がつけばチキンライスをお代わり。止められない止まらない海南鶏飯。
おかげさまで幸せな気分に浸れました。今度はカレー部で再訪しようかな。