Alphanumeric

ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

“HENDRIX CURRY BAR” SENDAGAYA-TOKYO

2011年04月24日 17時16分57秒 | CURRY-欧風・洋食・ビストロ
















野郎カレー部第17回目。

久々のカレー部である。前回の第16回目が2009年2月だから、実に2年ぶりの野郎カレー部ということになる。当然、部員と会うのも2年ぶり。職場や住環境などに多少の変化があったようだが、みな、健康を損なうこともなく比較的元気な様子。ちなみに太ったのは俺様氏くらいのもんだ。

野郎カレー部では3人の部員が持ち回りで店をセレクトするという決まりがある。
前回は部長レコメンドで『DELHI銀座店』を訪れたので、今回は俺様氏がセレクトを担当する番。浅草の『夢屋』、原宿の『Shanti』、千駄ヶ谷の『HENDRIX CURRY BAR』という3つの候補をメンバーに提示したところ、満場一致で『HENDRIX CURRY BAR』に決定。ちなみに、この『HENDRIX CURRY BAR』という店名、かのジミー・ヘンドリクスにあやかって命名したというのだから音楽好きのカレー好きにとっては看過せずにはいられねえのである。ジミー・ヘンドリクスというと天地逆さまのストラトであり、そこから奏でられる「パープルヘイズ」や「Fire」だが、俺の場合、そういったティピカルなイメージよりも、どうしてもガキの頃に観た「ジーザス・クライスト・スーパースター」が筆頭に思い浮かんでしまう。なぜならばユダを演じるカール・アンダーソンが、冒頭でアンドリュー・ロイド・ウエッバーの「Heaven On Their Minds」という曲をマサダ砦のような荒涼たる山野をバックに熱唱するシーンがあるのだが、なぜかそれをジミヘンだと思いこみ、洋楽好きの友達や先輩に「君ら知らねえと思いますけど、何気にジミヘンってミュージカル映画出てるんだぜ」と得意満面に触れまくり、後にレンタルビデオを観た先輩によってそれが誤りだったことが判明、穴があったら入れてしまいたいほどの恥ずべき思い出として心に残っているからである。

そんな俺の苦い思い出が以心伝心で伝わったのか、この日のBGMはジミヘンではなくブルージーなハーモニカ。古今東西の音楽に詳しい部長によれば、「ツース・シールマンス」というベルギー人のハーモニカ奏者とのことで、後から調べたところによればジミヘンとも交流があったらしい。上手くは言えないがさすが千駄ヶ谷だと思う。ちなみに数日前には敬愛するミック・カーンが亡くなった。享年52歳。野辺送り、などと大げさなことを言うつもりはないが、弔いの気持をもって仲間とカレーを味わいたいと思う。

かなり話が脱線した。
このお店、カレー好きを狂悦させるほどに美味いカレーを供することで有名だが、その名が示す通り、本分はBarである。よっていきなりカレーをオーダー、なんて無粋なことはせず、まずは酒の肴となる料理を頼み、ビールと共にBGMを愉しむ、というのが正しい過ごし方(だと思う)。つーことでマトンのメンチや豚耳の和え物、ホルモンの炒め物なんかを頼み、ミックの話題を交えつつメンバーたちと近況報告。2年ぶりだが、わりと緩く集まっているので久々という感じもしない。だからこそ5年以上渡って存続し続けているとも言える。おそらく10年後もこうして緩く集まってカレーを喰っているのだと思う。時に濃密に、時に今回のように数年の間隔を空けつつ。

ツマミがあらかたなくなったところでいよいよカレーをオーダー。
絶対の自信があるからか、カレーメニューはかなり豊富だ。ざっと以下に列挙してみよう。

チキン(スモール)     ¥480
チキン(レギュラー)    ¥750
ポーク           ¥840
野菜(スモール)      ¥530
野菜(レギュラー)     ¥840
温野菜           ¥840
キーマ・マトン(スモール) ¥480
キーマ・マトン(レギュラー)¥750
ホーレン草キーマ      ¥890
エビ            ¥840
魚             ¥840

これだけあると大いに迷うが、今回は初訪店ということもあり、看板メニューとの呼び声高い「ポーク」をいただくことにした。ちなみにライスはサフランライス。コストの問題からインド料理店であってもターメリックライスが当たり前に出てくる
このご時世にあって、香り高いサフランライスでカレーが喰えるというのは実に嬉しいこと(ちなみに米は長粒米ではなく日本米)。これだけで期待度MAXである。

部長と俺がポークを選ぶなか、デザイナーのDEMI君はコンフリクトを避けつつバランスを考慮しチキンカレーをオーダー。まずはそれがやってきた。想像するよりも遙かにチキンの量が多い。そしてスパイスの粒状感がハッキリと判るルウ。かなりソソられるビジュアルである。やや間を空けて我がポークも到着。おお、ギアナ高地のテーブルマウンテンの如く、ブ厚いポークの塊がカレーの海からそそり立ってやがる。なんつー猛々しいルックス。やべえ、これは美味そう。さっそくいただきますなんだぜ。

ううお、予想通りスパイスの切っ先が鋭い刺激的なカレーだ。
インドカレー的でもなければ欧風カレー的でもない、オリジナル色の強いカレー。さすがカレー好きの間で話題となるだけのことはある。見た目通りにスパイスのザラザラ感を強く感じ、食べ進めていくにしたがいそのスパイスの薬効成分でジワーッと身体が温まってくる。そもそもカレーというのはスパイスが主役であるからにして喰っていればやがてジワーッと身体が温まってくるものなのだが、このカレーはそうした傾向がより顕著で、間髪入れずに汗が噴き出してくるほど。チリ系のトゲのある刺激ではなく、複数のスパイスの相乗効果による薬効成分なのだろう。とにかく身体の芯からジワーンと熱くなってきて心地いい。部員たちも満足げな様子。いい店と出会えたもんだ。

ということで夢中で食べ食べあっという間の完食。とっても美味かったです。
落ち着ける空間にいい音楽、そして旨いカレー。我がカレー部にピッタリの店だった。野郎同士少人数で夜半過ぎにひっそりと集うには最高の店。ぜひ近日中に再訪したいと思う。


最新の画像もっと見る