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懇意にさせてもらっているカメラマン氏に同行し、さいたま市某施設で開催された某信金のセレモニーの撮影を手伝った後の帰路、立ち寄ったカレー屋。
今年の初夏にオープンしたばかりというできたてほやほやの欧風カレーの店。先日購入したカレームックの見返しにこの店の広告が掲載されており、そこに踊る「自然豊かな大和田の緑に包まれたカレー専門店……」という言葉とロッジ風の外観写真に強く興味を惹かれ、機会があればぜひ一度訪店したいと思っていた店だ。カメラマン氏自身も大のカレー好きということで「じゃあ、行ってみんべ」ということでめでたく訪店と相成った。
時は夕暮れ時。やや店を探すのに手こずりながら無事に辿り着いたその先にあったのはチロル地方にでもありそうな山小屋風の瀟洒なお店(チロル地方、行ったことないけど)。薪が爆ぜる音が聞こえて来そうな実にいい雰囲気の店である。この店構えならバイエルン地方育ち(これは実話)のカメラマン氏も満足だろう。
店内もサンモリッツあたりのレストランにでもありそうな(サンモリッツ、行ったことないけど)重厚なドイツレンガを基調とした落ち着いた雰囲気。窓際にいい感じのテラス席があったのでやや寒いがそこに席を取った。
頼んだのは「人気、おすすめ度ともにNo.1」とされるチキンカレー。欧風カレーにしては珍しく辛さの指定ができたので辛さMAXにしてもらう。
そうやって待つことしばし。昨今の欧風カレー屋の慣例に倣い、まずはふかしたジャガイモが運ばれてきた。これに添え付けのバターを塗して食えば文字通りの口福感。あっという間に食べきってしまった。そうやって一緒に頼んだミモザサラダなんぞをつついていると愛しき我がカレー様がやってきた。おお、嬉しいことに「永遠の憧れ」カレーポットに入っているじゃねえの。喘ぐようにポットからカレーを掬って一口――
口に入れた瞬間は欧風カレー特有の甘さが広がるが、直後に強烈な辛さがやってくる。おお、これはうめえ。正直、甘味の強いカレーはあまり好きではないが、ここのカレーは別。甘さと辛さのアクセントが強烈で強い連鎖性がある。と、止まらねえ。
さらに特筆すべきなのが具のチキン。表面がカリッと焼かれていてやたらと香ばしい。これが惜しげもなくゴロゴロ入ってて食べ応えも満点。(なんて幸せなんだ!)と胸中で叫びながら夢中で食って気がつけば皿が空。想像以上に美味くて大満足だったぜ。
予断だが、ナプキンに描かれているウルトラオーソドックス風の髭の御仁がかっこよすぎて旨さ3倍増し。「ギイ」というMyフェイバリットな映画「セイヴィア」の主人公と同じ名前の店名と相まって、ここ最近で間違いなくNo.1の店でしょうな。まぁ、本当はインド料理に欠かせないバターあたりを差した店名だと思うが。
おおよそ飲食店なんぞなさそうな場所にひっそりと、しかし強い存在感を示しながら建つなんともかっこいカレー屋。紛れもない名店。ぜひ、再訪したいと思います。