株式会社スタジオライズ
小林伸一郎
写真著作権等に関する
損害賠償請求控訴事件判決(勝訴)のお知らせ
平成23年5月10日、写真著作権等に関する損害賠償等請求控訴事件について、控訴人丸田祥三氏の控訴を棄却するとの判決が知的財産高等裁判所にて言い渡されました。
【訴訟概要】
原審 平成21年(ワ)第451号損害賠償等請求事件
控訴日 平成22年12月28日
控訴人 丸田祥三 / 被控訴人 小林伸一郎
事件名 平成23年(ネ)第10010号
控訴人の主張は以下のとおり。
・控訴人写真に依拠して写真を撮影、出版、頒布し、写真集に控訴人の氏名を表示しなかった。
・著作権関連写真5枚及び一般不法行為関連8枚の写真の撮影・発表によって、控訴人の権利(名も無き廃墟に美を酌み取り作品写真として世に出すことによって得られる商業利益)が侵害された。(※1)
・写真集「亡骸劇場」の巻末インタビューにおいて、廃墟写真の先駆者のような発言をしたとしたことが控訴人の名誉毀損にあたる。
【請求内容】
1.写真集増製・頒布の差止め
2.写真集の当該写真部分の廃棄
3.著作権侵害による損害賠償請求(28万7117円)
4.氏名表示権侵害による慰謝料請求(200万円)
5.名誉毀損による慰謝料請求(100万円)
6.不法行為【訴訟概要※1】による損害賠償請求(300万円)
7.謝罪広告
【裁判所の判断・見解】
判決は、著作権侵害の対象と指摘された5枚の写真については翻案には該当しないとの理由で、その他の主張に関しては既存の建築物であり撮影することが自由な「廃墟」の被写体としての性質、丸田氏が主張する利益の内容、これを保護した場合の不都合等の諸事情に鑑み不法行為は成立しない等の理由で、当方が全面勝訴した東京地方裁判所の判決を支持し、丸田氏の請求をいずれも退けました。
本件訴訟で問題とされた写真はいずれも私が独自のテーマと視点から撮影した写真であり、丸田氏の写真の盗作ではなく、異なる写真表現であるという主張を認めた正当な判決であると考えます。
丸田氏は、訴訟以前から今日に至るまで、私及び関係者に対する非難、誹謗中傷や、審理の内容、和解の経過に即さない発言を公の場で繰り返されており、大変遺憾に思っておりますが、判決理由中で、写真表現の違いについて明確に認定していただけました。
本判決により、公正な司法の場で二度にわたり当方の主張が真実として全て認められたことを取り急ぎお知らせ致します。
以上