写真家・小林伸一郎 オフィシャルブログ

写真集、写真展のお知らせ、日々の出来事など綴っていきます。

小笠原諸島の廃墟

2011年06月29日 | 写真

小笠原諸島が世界自然遺産、岩手県平泉が文化遺産に登録が決まったニュースが流れました。震災の被害から日が浅い日本では少し明るい話題だったと思います。

6年前、雑誌の取材で小笠原へはじめて行きました。東京都に属しているけど、父島まで船でまる一日24時間、戻りの船は毎日出航していないので確か二泊三日をのがすと?1週間は滞在することになる。当時は携帯電話がつながらなくて、海外の方が便利だなあと思った記憶が。小笠原諸島は1920年代から父島要塞司令部が設置されるなど防衛上重要な島だったため、いまでも日本陸軍が造った構造物がかなり残っている。取材の日程はとんとんとこなし、あまった予備日、山の頂上にある通信施設の廃墟で写した一枚。島では戦跡めぐりツアーなどがあるようだ。興味のある方は「亀すし」「亀の煮込み」…を食するのも良いかもしれません…

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写真集『最終工場』より <日本陸軍通信施設 東京都小笠原村>

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小林伸一郎写真集『最終工場』 マガジンハウス 


「スタジオ アルクール パリ と フレンチシネマ」 写真展

2011年06月27日 | 写真展

先週末、今月25日からシャネル・ネクサス・ホールで開催される写真展の内覧会へ伺いました。スタジオ アルクールはパリ社交界、著名人のポートレートを多く手がけてきた設立77年の歴史あるスタジオ。会場には1930年代に撮影されたジャン・コクトーから本年撮影された名優と見ごたえある内容でした。1839年、ダゲールの銀板写真発明から写真の歴史は200年にも達していないが、その環境は目まぐるしく進化をとげてきたと思う。しかも現在はフィルムを使わず撮影ができるデジタル時代だ。写真に残される特性とは何かとあらためて考えたとき、時空を越えて不変的な美を表現できるのは「光」なのだと確信できる、そんな美しい写真でした。

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「ステジオ アルクール パリ と フレンチシネマ 77年の神話と軌跡」

シャネル・ネクサス・ホール

2011年6月25(土)~7月18日(月) 12:00~20:00


書き割りのような風景

2011年06月24日 | 八戸

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写真集「HACHINOHE CITY」講談社 <種差漁港 密漁監視員>

青森県八戸は何度も旅した土地だったが、市制施行80周年の写真集制作で2007年から2009年の間は集中的に通った。撮影地にはさまざまな思い出があるけど、上の写真は取り分け好きな場所。すぐ近くには天然芝が広がる国指定名勝の種差海岸。もちろん写真集へ何枚か収録しているが、いつも気になっていたのが、ここの漁港。海の近くに神様が祀られていることはめずらしくないけど、それほどまで大きくない岩山にちょっと中途半端な大きさの鳥居、そのスケール感が舞台の書き割りのようで不思議な景観だった。「でも、ここには人物がいないとなあ…」と思いあきらめていたが、何度目かに訪れたとき真っ赤な拡声器を手にして、ウニやアワビの密猟者を警戒している女性たちが歩いてきた。「写真なんてはずかしい」と言いながら笑顔で協力してくれた。震災で津波の被害があった種差漁港。皆さん大変な思いをしたのだろう。心よりお見舞い申し上げます。


廃墟撮影

2011年06月22日 | カメラ

先週末はなんとか雨も降らず新宿を出発。週明け予定があるので遠出をせず、東京近郊を車で流しました。セメント工場へ行ったのですが、すでに更地になっていました。よくある事ですが残念。時間に制約がない時は、いちど通過した道は地図にマークしてあるので、通ったことがない道を走行してもらい、私は助手席でキョロキョロしているのが「車で流す」時のパターン。今日は何も撮れないかなあと思いながらショボンとしていると、アレッ!てことが稀にある。この日がそんな日でした。こんな日は何か嬉しくて、東京に戻り車を置いて一杯飲みにいつもの店へ。こんなことの繰り返し…

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FUJI GF670W

GF670Wはシャッターが軽くシャッター音が小さい。ブレにくいです!


明日からのロケ

2011年06月18日 | カメラ

日曜日ロケがあるので事務所にボチボチきましたが、梅雨空です。せっかくFUJI GF670Wを持って出かけるのになあ。最近はフィルムカメラ、デジタルカメラ、新製品をテストで使ったり、撮影に対応するため機材を増やす感覚だけど、二十代の頃、ハッセルブラッドのボディーにディスタゴン60㎜をつけて買ったときは本当にうれしかった。その晩はハッセルと一緒に寝たぐらい…今、思い出すとつくづくバカです。写真が好きな人って、やっぱり新しいカメラを買うと、皆うれしいものだと思うよ。


人形 HITOGATA 写真集

2011年06月17日 | 人形

2000年に出版した写真集『人形 HITOGATA』から11年。その後、しぶとく撮り続けた相当数のフィルムが眠っていましたが今年からプリントをはじめ、すでに100枚以上仕上っています。信仰の対象、見世物、セクシャル、医学教育シミュレーション、マネキン…目くるめくHITOGATAワールドを一冊の写真集にまとめるのが楽しみです。

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カメラの雑貨

2011年06月16日 | カメラ雑貨

小林伸一郎の事務所。この棚に収められているカメラの雑貨はほんの一部。

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置物、雑貨、玩具、ガチャポン、おまけ…プレゼントや小林が買い集めた品々がとにかく無数にある。拭き掃除をするときは、まずデジカメで一枚撮らないと同じ配置に戻せない。近頃、可愛い雑貨屋でカメラ型のアクセサリーを目にする機会が増えたけど、百円ショップや駄菓子屋でチープな感じのを見つけたりするとやけに感激して、また一つ何気に増えている…(staff)


フィルムカメラ GF670W Professional

2011年06月15日 | カメラ

デジタルカメラ全盛の昨今、中版フィルムカメラの新製品が3月に富士フイルムから発売された。ミノルタオートコード、マミヤC330、ゼンザブロニカS2、コーワSIX、ニュー マミヤ 6・・・もちろんローライフレックス、ハッセルブラッド、30年以上スクエアサイズのカメラを愛用してきた私にとってこんなにうれしい話しはない。今週末のロケが楽しみだ!

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遊覧船龍宮城 人形ロケ

2011年06月14日 | ロケ

地方の仕事を終えてから名古屋で途中下車し弾丸で岐阜、愛知、三重へ。車でながしながら写真を撮るというより、かなり長距離の旅になってしまった。仕事とは関係なくプライベートの写真を撮りに行く回数は年々増えているような気がする。そして地方の街でふらふらと酒を飲む楽しみがやめられない。若い頃より確実に体力は衰えているのに。雨が降れば、今日は休憩ということになるのだが、せっかちな性分だから小雨程度ならぼちぼち撮影したり移動したり、陽が長い春から夏にかけては、朝から暗くなるまで撮り続けることになるので、東京へ戻るとガクッと疲れている…困ったものだ。

いちど乗船してみたかった伊勢湾の遊覧船「龍宮城」。表側のデッキ部分だけではなく、内部の装飾も豪華絢爛。各地で遊覧船や渡船に乗ったけど、かなりエンターテイメントでした。

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New Mamiya 6


神様 山梨ロケ

2011年06月13日 | ロケ

毎年ゴールデンウィークは少し長めに日程を組んで撮影に出かけているが、今年は都合がつかず一泊で山梨に行きました。ここ数年、プライベートワークをビデオ収録してくれているディレクターと車で流す。韮崎駅近くに見える平和観音。正面から撮っても今ひとつ?と思い裏手にまわると、文字盤に「アメリカ屋」と刻まれた可愛い時計を見つける。その時計をポイントに一枚…電柱や電線、工事現場のレッドコーンなど普通はフレームから外したいと思う障害物があるほうが少し違和感があっておもしろい風景を撮れることがあるような気がする。

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平和観音 New Mamiya 6

昨年出版した写真集『神様 OH MY GOD!』(日本カメラ刊行)は日本全国の摩訶不思議な宗教施設や神仏を撮影し収録したけど、まだまだ行っていない場所がたくさんあるなぁ…

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