Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

10月刊行予定『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 』(創元SF文庫)

2009年09月22日 | SF・FT
書店に貼り出されている<これから出る本>の文庫版を見たところ、10月の新刊として
創元推理文庫から『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』が発売されるそうです。


表紙イラストは『心霊探偵八雲』や『氷と炎の歌』(ハードカバー版)を手がけた鈴木康士氏。
個人的にも好きな作家さんです。

ちなみに、かつてコバルト文庫から出ていたシリーズは『海外ロマンチックSF傑作選』で
タイトルが似ているようでちょっと違ってる、というのもミソだったりします。
往年の名アンソロジーを視野に入れた編集方針は中村氏も常に意識しているところ、
今回も狙っての命名であることはまず確実でしょう。

創元推理文庫の中村アンソロジーは今のところ全部揃えているので、これも購入予定です。
ただし発売1ヶ月前を切ったというのに、いまだ収録作についての情報が全然出ないのが
ちょっと気がかりなところではありますが・・・。

収録9作品のうち、現時点で作家名が挙がっているのはJ・フィニイ、R・F・ヤング、
D・ナイト、C・ハーネスの4名だけ。
さらに作品名まで確定しているのは、表題作でもあるハーネスの「時の娘」だけですから
他の8作のタイトルが気になるのもやむを得ないというものでしょう。

中村氏といえば、アンソロジー巻末の編者あとがきでセールスポイントを列記するのが
お約束になった感がありますが、東京創元社の特集ページで先行公開されている本書の
編者あとがきでは、収録作のウリについてこう書いています。

“その1。収録作全9篇中3篇が本邦初訳。
 その2。残る6篇のうち3篇は、30年以上も前に雑誌に訳出されたきり埋もれていた作品。
 その3。残る3篇は、この手のアンソロジーには欠かせない定番だが、20年以上も
     入手困難だった作品。”

まあ世間的には、最後の3篇に『たんぽぽ娘』が入っているか否かが大問題でしょうね。
Amazonで『時の娘』の購入者が一緒に買った商品に『CLANNAD』関係がずらりと
並ぶあたりに、そんな期待が感じられる気が・・・(笑)。
この『たんぽぽ娘』ですが、『ラーゼフォン』のネタバレにして原点でもある作品なので
そちらのファンにぜひ読んでいただきたい作品でもあります。

ただしヤングといえば、河出の奇想コレクションでタイトルもそのまんま『たんぽぽ娘』
という作品集が予定されているので、今回のアンソロジーに収録されるかはやや不透明。
中村さんは奇想コレクションでも編者をやってるので、河出との関係がマズくなるのは
望ましくないはずですし・・・ヤングについては別作品の可能性も捨てきれないところです。

あるいはひょっとして伊藤訳ではなく、中村さん自身が『たんぽぽ娘』を訳したとか?
これだったら両方読み比べる価値はありそうだし、収録の可能性はぐっと高くなるかも
しれませんね~。
まあどっちにしろ、10月10日の刊行が楽しみです。
(10/2追記:収録リストを確認したところ、やはりヤングは別作品でした。)

ところで河出書房の件で思い出したけど、もう今年の夏が終わるというのにコーニイの
"I REMEMBER PALLAHAXI" が出ないのは、いったいどうしたわけでしょう?
たしか『SFが読みたい!2009年版』で今年の隠し球に挙がっていた気がしますけど・・・。
もしかして来年以降の夏までおあずけなんですか、山岸先生?
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