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Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

東のエデン 第3話「レイトショーの夜に」

2009年04月29日 | 東のエデン
『東のエデン』第3話。

羽をつけた犬の登場に、こいつの名前はガブリエルだろうと勝手に想像した人は
きっと押井ウイルスに汚染されていると思います。
かくいう私も、やっぱりウイルス保持者らしいんですが・・・。

滝沢と咲の到着した住所は、湾岸の巨大な複合ショッピングモールでした。
(ここでチラリと見せる荒廃ぶりに、またも攻殻SACとのつながりを感じます。)
シネコンで思い出の映画を見たいという咲のリクエストに応える滝沢ですが、
彼を追ってきたセレソンNo.4である刑事の近藤勇誠に襲われ、ノブレス携帯を
奪われてしまいます。
しかしそこはしたたかな王子様、その際に近藤から警察手帳を掠め取ってました。

映画館に姿を見せない滝沢に失望し、メモを残して去ってしまう咲。
一方、滝沢から奪った携帯の残金をアテにした近藤は自分の持ち金の一切を
使い果たしてしまいますが、そこには大きな落とし穴が・・・。
手帳を持って駆けつけた滝沢が見た近藤の姿、そして彼が漏らした新たな謎とは。
前回の流れを受けてスタートした第3話ですが、またもや衝撃的な展開によって
物語はさらに謎を深めてしまいました。

それにしても恐ろしいのはノブレス携帯であり、それを管理する謎の組織。
ゲームのプレイヤーであるセレソンさえ、その巧妙かつ絶対的なルールからは
逃れられないということが、今回のエピソードで明らかになりました。

「オレだって最初は・・・正義を成そうと、してたのに・・・よ。」
とつぶやく近藤の言葉が、耳に重く残ります。
その名前の由来だろうと思われる新撰組も、幕府お抱えの治安部隊が転じて
反政府的テロ組織と見なされるようになってしまった集団ですからね。
ノブレス携帯の絶対的な力は、いつしか人の道を誤らせてしまうのでしょうか。

「敗者」を待つ非情な結末を、滝沢は回避することができるのか?
そして滝沢以外のセレソンはどこの誰で、何のために動いているのか?
セレソンたちが「強制的にゲームに参加させられている」という近藤の言葉も
気になるところです。
さらに、滝沢が関わっていたかもしれない「ニート大量失踪事件」の顛末も
これから徐々に明かされていきそうですね。

第1話からずっと気になっていた点で、第3話ではっきり取り上げられていたのが
記憶におけるリアルとフィクションの関係です。
自分の経験の代用として映画で見た場面を例に引きたがる滝沢の行動などには
記憶の中で並列化された場合、実体験と擬似体験の間に差はないのではないか?
という問いが隠されているように感じました。
咲のリアルな失恋と、好きだった相手と見た映画の記憶がリンクしていることも
「経験としてのフィクション(物語)」という側面を意識させるものだと思います。
今後もストーリーのおもしろさを損なわずに、こういう思索的な部分もきっちりと
盛り込んでいって欲しいものですね。

それにしても、劇中映画の「コールド・ブルー」には笑っちゃいました。

オープニング映像なんか、まんま『グラン・ブルー』じゃないですか。
(劇中作品は英語版だったので、この場合は『グレート・ブルー』か?)
そういえば近藤の暴力シーンも『レオン』のゲイリー・オールドマンが
入っていたように思います。神山監督、ベッソン好きなのかな。
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2 コメント

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セーフ? (shamon)
2009-04-30 21:25:57
こんばんはー、TB&コメント感謝です。

>こいつの名前はガブリエルだろうと勝手に想像した人

してません、神に誓って(^^;。<ホントよ。

>ノブレス携帯の絶対的な力は、いつしか人の道を誤らせてしまうのでしょうか。

持ちつけない大金持つと人間狂います。
私の周囲でもバブル時に親の遺産を相続した人がいたけどその後が悲惨でした・・・。
しかも電話一本で殺人までやれる、となるとそりゃあダークサイドへと・・・ですわ。
何でも出来そうで実は所詮コマでしかない、この状況に滝沢がどう対応していくかですね~。

>まんま『グラン・ブルー』じゃないですか。
「映画は撮ったことがない」でこの映画が紹介されてたかも(^^;。
監督は相当映画を観てる方ですし何気に滑り込ませたオマージュなのかもしれませんね。
返信する
ホントかな~? (青の零号)
2009-05-01 22:06:30
shamonさん、まいどありがとうございます。

>してません、神に誓って(^^;。<ホントよ。
え~、ホントですか~?(笑)

>しかも電話一本で殺人までやれる、となると
>そりゃあダークサイドへと・・・ですわ。
もう携帯電話でオーダーする感覚ですからね。
でも中身の度合いはともかく、なんでも手軽に携帯一発で
用が足りるという時代には突入しているわけですから
みんな知らず知らずのうちにこの物語のような世界へと
片足を突っ込みつつあるのかも。

>何でも出来そうで実は所詮コマでしかない、
>この状況に滝沢がどう対応していくかですね~。
気分次第でカネを使いまくってるように見える滝沢ですが
実は記憶を失う前にかなりの布石を打っているのかも。
まあ本人自身がそれに気づくとしても、もう少し先の話に
なりそうですけどね。
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