パナソニック汐留ミュージアムで「ハンス・コパー展 20世紀陶芸の革新」を見てきました。
国立新美術館のルーシー・リー展と連動するように開催されたこの展覧会、コパーの仕事が
本邦でまとめて紹介される、初の機会となるそうです。
実は新美のルーシー展も見てるのですが、大きな会場とガラスケース越しの鑑賞のせいか、
前年にガラスなしで見た21_21 DESIGN SIGHTでの感動に比べれば、印象がやや曇りがち。
それに対し、ルーシーの弟子から陶芸のキャリアをスタートさせたコパーの作品については、
ガラス越しでもその力強さや繊細さが失われないように思え、より見応えがありました。
スペード・フォームやティッスル・フォームなどは、実際に見たときの量感がすごい。
白いほうがティッスル(あざみ)・フォーム、黒いほうがスペード・フォームと呼ばれる形。
バンと横に張り出した上部と、シンプルな円筒状の脚部の組み合わせが印象的で、
素朴さと複雑さ、原初性と革新性、浮遊感と重量感といった相反する要素たちが
互いにぶつかりあうことなく共存しているようにも感じます。
すっと縦に伸びていくキクラデス・フォームの形も美しく、古代の発掘物のようでもあり、
逆にブランクーシのような現代美術作品を連想させるところもあります。
大理石や花崗岩、そしてブロンズを思わせる表面仕上げには、古代の建築や彫刻作品と
どこか似通った印象を受けるところがあります。
これらも、古代美術に惹かれていたというコパーならではの表現と言えそうですね。
そして土ものに独特の「触って感触を確かめたい」という欲求をそそる質感のおもしろさ。
釉薬を使わない泥漿掻き落としのコパー作品からは、その官能性をより強く感じます。
削ったあとの傷ですら、指で確かめてみたくなる衝動に駆られてしまいました。
器自体が決して雄弁でないところも、こちらから触れてみたくなる理由かもしれません。
男性はおしゃべりよりも寡黙なほうがカッコよく見えるものです(と、自戒も込めて)。
器でありながら開口部が細長く、内部があまり見えない作品が多いのも個性的なところ。
掃除機やスポイトを思わせる開口部の形状は、まるで内部世界への吸い込み口のよう。
オブジェ風な外見と器としての内面の双方を感じさせるところもあり、不思議な外見から
作品の内部へと想像をめぐらしていく楽しみを与えてくれます。
外に開く器の多いルーシーと比較すると、コパーのほうがより内向的な感じも受けますね。
展示の最後にはルーシーの作品もありますので、ぜひ両者の仕事を比べてみてください。
ところでこの会場でひとつだけいただけなかったのは、館外の垂れ幕を撮影しようとしたら
近くにいた警備員が血相を変えてすっとんできたこと。
「館内の撮影は禁止です」って、どこが館内なんだと聞いたら「ビル内は全部館内です」。
展示物を撮るのはもちろんダメだけど、なんで垂れ幕ごときを撮らせないんだろ?
こういう意味のわからない規制をされるのが、一番腹たつんですけどね。
天下のパナソニックさんも、えらくケツの穴が小さいことであるなぁと思いました。
まあこれから見に行く方は、私みたいに怒られないようご注意ください(^^;。
国立新美術館のルーシー・リー展と連動するように開催されたこの展覧会、コパーの仕事が
本邦でまとめて紹介される、初の機会となるそうです。
実は新美のルーシー展も見てるのですが、大きな会場とガラスケース越しの鑑賞のせいか、
前年にガラスなしで見た21_21 DESIGN SIGHTでの感動に比べれば、印象がやや曇りがち。
それに対し、ルーシーの弟子から陶芸のキャリアをスタートさせたコパーの作品については、
ガラス越しでもその力強さや繊細さが失われないように思え、より見応えがありました。
スペード・フォームやティッスル・フォームなどは、実際に見たときの量感がすごい。
白いほうがティッスル(あざみ)・フォーム、黒いほうがスペード・フォームと呼ばれる形。
バンと横に張り出した上部と、シンプルな円筒状の脚部の組み合わせが印象的で、
素朴さと複雑さ、原初性と革新性、浮遊感と重量感といった相反する要素たちが
互いにぶつかりあうことなく共存しているようにも感じます。
すっと縦に伸びていくキクラデス・フォームの形も美しく、古代の発掘物のようでもあり、
逆にブランクーシのような現代美術作品を連想させるところもあります。
大理石や花崗岩、そしてブロンズを思わせる表面仕上げには、古代の建築や彫刻作品と
どこか似通った印象を受けるところがあります。
これらも、古代美術に惹かれていたというコパーならではの表現と言えそうですね。
そして土ものに独特の「触って感触を確かめたい」という欲求をそそる質感のおもしろさ。
釉薬を使わない泥漿掻き落としのコパー作品からは、その官能性をより強く感じます。
削ったあとの傷ですら、指で確かめてみたくなる衝動に駆られてしまいました。
器自体が決して雄弁でないところも、こちらから触れてみたくなる理由かもしれません。
男性はおしゃべりよりも寡黙なほうがカッコよく見えるものです(と、自戒も込めて)。
器でありながら開口部が細長く、内部があまり見えない作品が多いのも個性的なところ。
掃除機やスポイトを思わせる開口部の形状は、まるで内部世界への吸い込み口のよう。
オブジェ風な外見と器としての内面の双方を感じさせるところもあり、不思議な外見から
作品の内部へと想像をめぐらしていく楽しみを与えてくれます。
外に開く器の多いルーシーと比較すると、コパーのほうがより内向的な感じも受けますね。
展示の最後にはルーシーの作品もありますので、ぜひ両者の仕事を比べてみてください。
ところでこの会場でひとつだけいただけなかったのは、館外の垂れ幕を撮影しようとしたら
近くにいた警備員が血相を変えてすっとんできたこと。
「館内の撮影は禁止です」って、どこが館内なんだと聞いたら「ビル内は全部館内です」。
展示物を撮るのはもちろんダメだけど、なんで垂れ幕ごときを撮らせないんだろ?
こういう意味のわからない規制をされるのが、一番腹たつんですけどね。
天下のパナソニックさんも、えらくケツの穴が小さいことであるなぁと思いました。
まあこれから見に行く方は、私みたいに怒られないようご注意ください(^^;。
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