Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

OASIS「Falling Down」初回生産限定版

2009年05月31日 | 東のエデン
『東のエデン』のオープニングに使用されている「Falling Down」が
日本国内でもシングルカットされたので、さっそく買ってきました。


初回生産限定版はDVDつき2枚組で、2種の映像特典が収録されています。



CDの裏面には、プロダクションI.GのCG作画によるワイドステッカーつき。

さて、まずCDの中身について、収録曲順に紹介していきます。

01. Falling Down
いわずと知れた『東のエデン』の主題歌。
ざっくりと弾かれたギターのフレーズと、ノエルによるちょっとざらついた感じの
一人がたりを思わせるようなボーカルが印象的。
それらが歌詞の内容と合わさって、神への呪詛とも祈りともとれるような
ストイックな感触の作品になっています。

曲だけ聞けば、これまでのオアシス作品と比べてとりわけ耳に残るというほど
鮮烈なものではないけれど、その抑制された感じが『東のエデン』という作品と
うまくかみ合っていて、互いの存在感をより強めている感じかな。
オアシスらしからぬ控えめさが、ここではいいほうに働いていると思います。

でもこの曲をリアムが歌ったら、かなり違って聞こえるんでしょうね。
できることなら、そっちのバージョンでも聞いてみたいものです。

02. Those Swollen Hand Blues
2曲目はビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」と、オアシスの代表作
「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」をミックスした感じの新曲です。
こちらもやはりノエル・ギャラガーがボーカルをとってますね。
この曲も劇中で使えそうな佳曲ですけど、許諾関係はどうなのかな。

3曲目以降は、Falling Downのアレンジバージョンが続きます。

03. Falling Down (A Monstrous Psychedelic Bubble Mix)
こちらのアレンジはアジア風でサイケデリック。個人的にはやや冗長に感じました。
長さも22分超あるので、この手の曲が好きな人以外にはややツラいと思います。

04. Falling Down (The Gibb Mix) by Twiggy/Sardy
4曲目のGibb Mixはベースラインを主体に、ややスピード感を高めたアレンジ。
ベース担当はマリリン・マンソンのベーシストでもあるトゥイギーらしいです。
オリジナルよりもドライブ感が強まり、ロックっぽさが前面に出ている代わりに
ストイックな味わいはやや薄まりました。
そのぶん、『東のエデン』のイメージからはやや距離がある感じ。
でも終盤で入ってくる、ノエルのしみじみしたギターは好きですねぇ。

05. Falling Down (The Prodigy Version)
さてこのCDのもうひとつのウリは、アグレッジブなテクノ・ロックで知られる
ザ・プロディジーが参加した5曲目。
こちらはUS版の「The Shock of the Lightning」にカップリング済みですが
国内版では初のリリースとなるものだそうです。

このバージョンでは原曲とボーカルがすっかりプロディジー色に塗りかえられて
ハードなビートとノイジーな味つけを加えられ、力強く押してくるスタイルへと
生まれ変わってます。
オリジナルとの差が際立つという点も含め、たしかに「プロディジー版」らしい
独立した作品になっていると思いました。
『東のエデン』らしいかどうかは別にして、これはこれで楽しかったですよ。

DVDには「Falling Down」のオリジナルバージョンのPVとプロダクションI.Gによる
『東のエデン』バージョンの新作PVが収録されてます。

・Falling Down ビデオクリップ( Original Ver.)
オリジナルのPVは、明らかにダイアナ妃とわかる女性の二重生活の日々を
ドキュメント風に描いた作品。オアシスのメンバーも本人役として出ています。
エルガーの「威風堂々」から「Falling Down」へ繋がる導入部が、特にカッコいい。
ところで黒羽社長のミドルネームって、月の女神とこのビデオの両方にちなんで
つけたものなんでしょうか?


ちなみにこの場面で走っているランドローバーは、自動車メーカーの中では唯一
4つの王室紋章(女王、エディンバラ公、皇太后、皇太子)の全てを冠することが
許されている、英国王室御用達の代名詞ともいえるブランドだとか。
そういう部分も、たぶん登場人物の素性をわからせるための仕掛けなのでしょう。
これって、神山監督の映像作法にも通じるものがありますよね。

・Falling Down ビデオクリップ(「東のエデン」 Ver.)
『東のエデン』バージョンは、アニメのOPで使われている映像素材から
実写とCGの部分を中心にリミックスし、そこに「Falling Down」の歌詞と
それにちなんだ新作映像などを組み込んだもの。
ジャケット裏のイラストは、PVの大まかなイメージを伝えるものとなっています。
なお滝沢と咲については、シルエットだけの登場です。


ビデオの初めのほうで登場する、歌詞に重ねたシンボルマークが一瞬のうちに
次々と切り替わるシーン。ここで完全にハマっちゃいました。
この内容なら、OASISのメンバーにも胸を張って見せられるんじゃないでしょうか。

きちんと「Falling Down」のPVに仕上がってるのはもちろん、『東のエデン』の
イメージビデオにもなってるので、OPのカッコよさにやられた人は必見です。
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