Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

WEBアニメスタイル「もっとアニメを観よう」~神山健治の「監督をやるなら観ておきたい20本」

2009年08月09日 | トップをねらえ!
トップファンで神山監督の作品を応援していながら、いまごろこんな情報を取り上げるのも
お恥ずかしい話ですが、WEBアニメスタイル「もっとアニメを観よう」第20回で、神山氏が
『トップをねらえ!』について誉めてる記事を、ついさきほど読みました。

こんなオイシイ組み合わせのネタに、なんで今まで気づかなかったんだろう?
まったく、ネットって広大だなぁ・・・(自分の迂闊さをタナにあげてます)。

タイトルは“神山健治の「監督をやるなら観ておきたい20本」”
神山監督なりに「このあたりを観ておいたらどうだい?」というような作品を
リストアップしたとのこと。

●神山健治の「監督をやるなら観ておきたい20本」
1『機動戦士 ガンダム[TV]』(1979) 富野喜幸(現・由悠季)
2『アルプスの少女ハイジ[TV]』(1974) 高畑勲
3『フランダースの犬[TV]』(1975) 黒田昌郎
4『母をたずねて三千里[TV]』(1976) 高畑勲
5『ルパン三世[TV・旧]』(1971) 大隅正秋、Aプロ演出グループ
6『ルパン三世[劇場]』(1978) 吉川惣司(本文では『マモー編』)
7『ルパン三世 カリオストロの城』(1979) 宮崎駿
8『未来少年コナン[TV]』(1978) 宮崎駿
9『風の谷のナウシカ』(1984)宮崎駿
10『となりのトトロ』(1988)宮崎駿
11『銀河鉄道999[劇場]』(1979) りんたろう
12『オネアミスの翼 王立宇宙軍』(1987) 山賀博之
13『トップをねらえ! Gun Buster』(1988) 庵野秀明
14『あしたのジョー[TV]』(1970) 出崎統
15『エースをねらえ![劇場]』(1979) 出崎統
16『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001) 原恵一
17『機動警察パトレイバー[劇場]』(1989) 押井守(本文では『パトレイバー1』)
18『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993) 押井守
19『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984) 押井守

●20本目の候補
『カウボーイ ビバップ』(1998) 渡辺信一郎
『メダロット』(1999) 岡村天斎
『GHOST IN THE SHELL』(1995) 押井守
『装甲騎兵ボトムズ』(1983) 高橋良輔
『AKIRA』(1988) 大友克洋

監督いわく「僕らの世代と新しい人達を繋げるようなタイトルを選んでみました。」
ということで、必然的に1970~1990年ごろまでの作品が並んでます。
20本目は何にするか決めかねた結果、候補作品を複数選んだそうです。

TVの名作アニメ特集で常連の定番作品が並んだリストの中で、『オネアミス』と
初代『トップをねらえ!』は、かなりいい位置に食い込んでます。
本家の『エースをねらえ!』や、師匠の『劇場版パトレイバー』より上にいるのが
なんとなく笑えるところですね。
(といっても、実質的に19位までは順不同とのことですが。)

「監督をやるなら、戦略を立てるためにも、多分、これは観ておいた方がよろしかろうという事ですね。」

と神山監督自身が語っているとおり、ここでは作画やストーリーといった部分以上に
演出方法やその意図といった部分に焦点をあわせたものになっています。
リストの後に続く神山監督の各作品解説がまた明快なのですが、それは元の記事で
読んでもらうとして、ここでは『トップをねらえ!』に関するコメントの一部をご紹介。

“最初は『エースをねらえ!』と「トップガン」のパロディだと言われていて、
 『王立』を作った連中がこんなふざけた作品を作るのかというイメージで観ていたんだけど。
 ラストに向かってのドライブは『王立』を凌駕してるぐらいのもので。
 1人の演出家が、作品にのめり込んでいく事が、作品に対してどれほどのドライブを生むかという事が、
 焼き付けられてる作品だと思いますね。”

“しかも、それが観客を巻き込んでいくパワーを生むんだ。
 それが『トップをねらえ!』の素晴らしさかな、という気がしますね。
 最初はちょっと馬鹿にして観てましたけど、途中からその熱気に本当にやられちゃったもん。

 そういう意味で、これもまた金字塔ですよね。”

まさに神山さんのおっしゃるとおり。
自分も1話を最初に見たときは、全然ダメでしたからねー(^^;。
それが2話の後半からトーンがどんどん変わってきて、アニメならではの演出と
SFならではの壮大さにガガーンと打ちのめされてしまうことに。
あとは雪崩式にハマってしまって、今に至るというわけです。
(1話目も後から検証してみると実にうまく作ってあるのですが、初見では気づかず。)

・・・といった自分の経験はさておき、このリストは「演出目線でアニメを見る」という点が
ビシッと貫かれた、非常に興味深いラインナップだといえるでしょう。
さらに記事の中では「ジャンルアニメと普遍性」といったとらえ方について語られるなど、
アニメ全体に対する神山監督の見方、考え方を知るうえでも貴重な内容になってます。

そして『東のエデン』という作品をより深く観るうえで、このWEBアニメスタイルの記事も
なにかのヒントを示してくれるかもしれません。
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2 コメント

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Unknown (shamon)
2009-08-15 00:57:05
こんばんはー。

>オイシイ組み合わせのネタに、
このインタビュー、おもしろいですよね。
PAworksからのインタビュー

http://www.pa-works.jp/anime/kamiyama/index.html
もなかなかよいです。

返信する
なんとも神山さんらしい (青の零号)
2009-08-15 23:30:21
shamonさん、コメントの連投ありがとうございます。
このインタビュー、話の内容もおもしろいのですが
神山さんの人となりもなんとなく感じられるところが
また親近感を覚えるところですね。

>PAworksからのインタビューもなかなかよいです。
読み始めたばかりですが、これもけっこう濃いですねー。

神山監督、インタビューとかを読むとかなりのトーク好きに
感じますけど、タワーレコードのイベントを見た感じでは
イマイチしゃべり慣れしてない感じでした。
やはり大勢の前だと勝手が違うんですかねー。
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