Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

「バットマン」はもういない-『ダークナイト』

2008年08月23日 | 映画
狂気と混沌の申し子・ジョーカーが仕掛ける、危険なゲーム。
狙うはバットマンの首、手札はゴッサム市民の命。
二人の男の存在意義を賭した極限の戦いが、いま幕を開ける。

『バットマン・ビギンズ』でヒーローとしての自己を確立したバットマンですが、
続編の『ダークナイト』では、再び「ヒーローとは何者か」という究極の命題を
突きつけられます。

ヒーローとは大衆に支持されるアイドルなのか、それとも己の信念を貫き通す
孤独な存在なのか。もし後者なら、ヒーローとヴィランは共に世間のはみ出し者、
つまりフリークなのではないか。
あるいは、「真実」と「正義」の問題。この二つは同じものと言えるのか。
そしてもし一方を選ばなければならないなら、より大切なのはどちらなのか。
「もう一人の自分」とも言えるジョーカーが仕掛ける罠によって、バットマンは
その存在を根本から揺るがされ、次々に苦しい選択を強いられていきます。
そんな戦いの果てに、彼が選んだ「決断」とは・・・。

フランク・ミラーやアラン・ムーアが描いたシリアスなバットマン世界を
踏襲しながら、アクションやカーチェイスに最新メカといった見どころも
抜かりなく盛り込んだあたりは、ハリウッド映画のしたたかさ。
メッセージ性と娯楽性、それに作家の美学がうまく共存しています。
押井さんもこのくらい器用に作れれば、もっと興収が見込めるのに(^^;。

作品中で群を抜いて光っていたのは、やはりジョーカーの存在でしょう。
己の欲するところをためらいなく実行する姿は、悪魔的な魅力に輝いています。
演じたヒース・レジャーの死さえも、結局はジョーカーの魔性に飲まれたように
思えてなりません。
彼こそがジョーカーの最後の犠牲者だったのではないでしょうか。

ジョーカーのメイクは顔を隠すためではなく、自己の内面を表現するもの。
つまりはあれが彼の素顔であり、隠すものは何一つありません。
むしろ自分の正体を隠そうとあれこれ苦心するブルース・ウェインのほうが
小物に見えてしまうほどです。
クリスチャン・ベールもがんばってるんですけど、今回だけは分が悪い。
ちなみにパンフによると、あのメイクはフランシス・ベーコンの描く絵を
イメージしたものとか。
なるほど、あの不気味さはそこから来てるのか~と思わず納得です。

さて今回のラストを見ると、いよいよ次回作は『ダークナイト・リターンズ』に
なりそうな予感がします。
真に「闇の騎士」となったバットマンに、復権の時は来るのか?
今回のラストがまたも次作の伏線となるのか?そして新たな敵は何者なのか?
早くも続編への期待が高まるところです。
ヒースのジョーカーがもう見られないのだけはどうにもなりませんが・・・。

ひとつだけ惜しまれるのは、ヒロインがまたもパッとしないこと。
ケイティ・ホームズもイマイチでしたが、マギー・ギレンホールはそれ以上に
なんだかなぁという感じです。
バカっぽい美人も困るけど、あまりに見ばえのしないヒロインもね~。
ブルースが彼女をデントに奪われても、大して気の毒には思えないのでした(笑)。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジョーカーは圧巻でした (姫鷲)
2008-09-01 17:02:45
こんにちは。姫鷲です。
「ダークナイト」、観てきましたよ~。
いやぁ、凄い作品でした。迫力ある映像、連続ボディブローのようなストーリー。期待していた以上の傑作でした。

>そして新たな敵は何者なのか
えぇと、シュワちゃん扮するミスターフr・・・ゲフンゲフン(笑)
「リターンズ」なら旧作へのオマージュを込めてペンギンでしょうか。今作でも新型バットスーツのくだりで「猫には強い」という台詞もあったのでキャットウーマンの登場もあるりそうです。・・・女性キャストも補充しておかないとネw
メークも芝居もコテコテでしたね (青の零号)
2008-09-01 19:47:11
姫鷲さん、こんばんわ~。
いよいよ9月に入りましたが、劇場版グレンはどうします?
こちらは今週末なら行けそうな感じですが。

>「ダークナイト」、観てきましたよ~。
>いやぁ、凄い作品でした。
ですよね~。
この夏を代表する一作なのは間違いないでしょう。

>迫力ある映像、連続ボディブローのようなストーリー。
重い話を迫力のあるシーンで引っ張っていくところが
ノーラン監督のうまさでしょうね。
どっちかが欠けると映画としてのバランスが崩れますし。

>旧作へのオマージュを込めてペンギンでしょうか。
メジャーどころではそのあたりですかねぇ。
ゲーム感覚の犯罪者なら、リドラーという線もありえますが。

>キャットウーマンの登場もありそうです。
もし出るなら、今度こそ美人女優を選んでほしいなぁと(笑)。

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