Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

V様、日本上陸!

2006年03月19日 | アラン・ムーア関連
映画版『Vフォー・ヴェンデッタ』、ついに日本公開決定!
劇場でデカくてカッコいいスタンドPOPも見てきました。
Vの行動を肯定も礼賛するつもりもないけど、この時代に
風穴を開ける作品ということは間違いないわけで。
ひとつの思考実験、フィクションだからこそできる現実への
逆アプローチという目で見れば、いまだからこそ見たい映画と
思うわけですよ。
ゲドの声が文太さんということが判明して大ショックを受けた
私としては、もう今年はこの映画に賭けるしかないという気分。
(オレの中のゲドは、あんな酒好きのおじさんではありません)

そして待望の邦訳版コミックも、ついに出版が決定!
劇場公開日の前日発売らしいですよ。
値段は税込2,520円。邦訳を心待ちにしていた私としては
値段はあまり気にしないつもりでしたが、想定よりは安くて
正直なところホッとしてます。
発売元の小学館プロダクションでも、ようやくHPに情報が
掲載されましたので、気になる方はぜひご確認を。
買い逃すと後で泣きを見るかも知れませんよ?
ちなみに、うちで前に載せた記事はこんな感じです。

V様の写真は原書版を前に載せちゃったので、今回は同じ作者の
代表作である『ウォッチメン』の日本語版を掲載しました。
実はこれ、今年に入って入手できた2冊目だったりします。
それもなんと、1,500円(桁を間違ってるわけじゃありません)。
欲しいと思っていれば意外とチャンスは巡ってくるものですねぇ。
やはりあきらめないで探し続ける意思が大事なのかもしれません。

それにしても、この『ウォッチメン』はやっぱりすばらしい。
映画化はまたもポシャったらしいけど、そんなことは無関係で
一刻も早く復刊されるべき作品との思いを強くしました。
V様がヒットしてくれれば復刊の可能性もありそうなので
その点でも今回の映画の成否には注目したいところ。
がんばれV様、人民はみんな期待してるぞ!
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Vは復讐のV

2005年09月21日 | アラン・ムーア関連
ええ~っ、『V FOR VENDETTA』映画化されたんですか!
不覚にも今まで知らなかった。

アメコミ、というか世界コミック史上に燦然と輝く名作『WATCHMEN』
を読んだとき、作者であるアラン・ムーアのプロフィールのところで
彼の初期作品として記載されてたのを覚えてます。
「ヴェンデッタ(復讐)のためのV」というタイトルと、怪しさ満点の表紙絵が
すごく印象に残ったんですが、残念ながら原書は読んでません。
なにしろ私、英語力ぜんぜんありませんから。

原作コミックは第三次世界大戦後のイギリスを舞台に、超全体主義的な
国家権力に孤独な戦いを挑む仮面の男(この仮面がまたブキミなんだな)
を描いた、いまのご時勢では大変な問題作とのこと。
くわしい内容は福嶋純一氏のHP「Fainted Sun」に、すばらしい紹介文が載ってます。
(ただしWATCHMENについて重大なネタばれがあるので、邦訳待ちのヒトは注意)
氏の美麗なイラストのコーナー(こちらがメイン)もありますので、
ぜひご覧いただきたい。
私もここで取り上げられているのを読んで、やっと話の中身を知りました。
すげぇ、壮絶、そして泣けそう。日本語版で読みたいなぁ。

映画版のほうは「第二次世界大戦でドイツが勝ち、英国にファシズム政権が
樹立された」という設定に変更されているようです。
これじゃ『高い城の男』か『SS-GB』みたいですが、こうでもしないと
今の世の中では公開させてもらえないんでしょうね。
とはいうものの、この翻案が作者ムーアの想像力と風刺に満ちた物語から
毒とメッセージ性を抜くことになりはしないかと、今から非常に心配です。

ムーアの描く「IFの世界」は、ありえたかもしれない可能性ではなくて
今ここにある世界を別の視覚でとらえたもの、この世界の秘められた顔を
暴き出すものだと思うのです。
それを支えるものは、大量にぶち込まれたアイデアと巧みな筋書き、
そしてそれらを絡み合わせて壮大な物語に織り上げる作者の手腕と
作品を通して表明される強い信念です。
その精緻さと強靭さは、他人が生半可に手を加える余地を与えません。
ヘタな翻案は、彼が丹精こめて作り上げた世界に亀裂と退色を招くだけになりそう。

脚本を担当したマトリックス兄弟が、つまらないオリジナリティを発揮して
原作に泥を塗らないことを祈るばかりです。
まあ日本公開はいつになるかわかりませんが、来たら1度は劇場に足を運ぶつもり。

映画公開にあわせて、翻訳が出ないかなぁ。多分高いだろうけど、買います。
その前に『BATMAN:KILLING JOKE』を読みなさいという
厳しい指摘もありそうですが。
BATMANあんまり好きじゃないんだけど…お金ができたら考えようかな。
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