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韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

【企画記事】「黄金の帝国」感想 総括編

2014年12月05日 | 黄金の帝国
はい!しつこくお送りしております、「黄金の帝国」感想です!
今回、ブログスカウト事務局よりお誘いを受けまして、
掲載企画に参加しております。

すでに、前半戦・後半戦と記事を書きました。
が、興奮冷めやらぬうちに書いたためか、ほぼ支離滅裂。
ネタバレなしで書くのって難しいですね!
そんなわけで、全編鑑賞後の感想を総括しておきたい、というか、
自分なりの整理をつけたいと思います……。


〈あらすじ〉

びんぼうなうちに生まれたテジュは、かしこくやさしい青年でした。
ところが、おとうさんが地上げ屋の強制立ち退きにやられ、死んでしまいました。
命令したのがソンジン財閥のえらいひとだとしって、テジュは怒ります。
一族のけんりょく争いの、とばっちりをうけたも同然です。
テジュは、ソンジン財閥のすべてを自分のものにしてやる!とふくしゅうを誓い、
みずから「黄金の帝国」のあるじになるためのたたかいに身をとうじるのでした。

ソンジン財閥には、あたまのわるいよくばりな長男長女と、かしこい次女次男がいました。
かしこい次女ソユンは、おとうさんの築いた財閥を守ろうと、がんばります。
従兄弟のミンギュさんはデキる男ですが、財閥乗っ取りをたくらんでいます。

テジュ・ソユン・ミンギュらと、おもわぬ伏兵が会長の座をあらそうこととなりました。
いったいさいごにわらうのはだれなんでしょうか?


さて、わたしはいつも、ラブコメを好んで観る視聴者です。
ドロドロは嫌いで、小難しい話はできるだけ避けたいお気楽派。
そんなわたしが、こんな社会派ドラマを観て面白かったかというとですね。
結論から言えば、

面白かったです!

どっちかというと苦手ジャンルっぽいドラマの、
どこがどう面白かったのか、自分なりに考えていたところ、
いくつかの要因がありました。

・裏切りの理由が明白であること
このドラマの売りは「裏切りエンターテイメント」
さっきまで仲間だと思っていた人が平気で敵に寝返ったり、
一緒にがんばろうね!と誓った相手が、寝て起きたらナイフを持って立ってた、
みたいな事象の連続です。

しかし、その裏切りの理由は単純で、基本「お金」
特に雑魚っぽい人々ほど「どっちが得か?」の基本原理で動いています。
行動基準がはっきりしているので、わかりやすい。
主要人物も、要は「会長になる」という目的のために動いていますので、
裏切りのわけは理屈で判断がつくのです。

全体を通して、「えっ?なぜ?納得できない!」という違和感がありませんでした。
「お金」以外にもうひとつ、「愛」を理由にした裏切りがいくつか出てきますが、
それに関しても、わかるわかる、と理解ができました。

複雑な人間関係と謀略のわりには、理由は単純なので、
よけいな憶測をすることなく、純粋に、その裏切りの手法や劇的効果を楽しむことができます。

「裏切り」を楽しむなんて、性格悪いですね。


・登場人物それぞれに、どこか共感ポイントがあること
いくら「裏切りを楽しめる」とはいえ、
ゲスい欲得感情や、俗物根性には辟易してしまいます。
なんだか自分までゲスの極みみたいな人間になったようで悲しくなったとき、
ふと描写されるのが、登場人物たちの弱点です。

「金、金、金!」といった欲望の裏には、
「父親に愛されたかった」とか「世間に認められたかった」とか、
なんとなくしんみりくるわけが隠されているのです。
もちろん妬み嫉みも卑しい感情ですが、人間だれしも感じたことはあるでしょう。

「こいつらサイテーだな……」と思った直後にそのへんをつつかれると、
「まぁ……わかんなくもないけどさ……」と思う。
世の中には、善だけでできている人はいないし、
悪だけに凝り固まっている人もいない。

そのあたりのバランスがよかったと思います。
一見冷酷な判断の裏には、人間らしい苦悩も見え隠れしていましたしね。

このお話は、けっこう長いスパンの物語なんですね。
テジュが大学を出て司法試験1次に合格して、その後15年くらいの。
時間の経過の見せ方もうまいし、
どこをどうはしょるか、という刈込み方もよかった。

こうしてみると、やはり脚本が非常に面白かったんだ、と言わざるを得ません。
エンタメと割り切って視聴者を楽しませるための仕掛け、
表層的な面白さではなく、人間性への深い考察からくる共感、
24話という長いターンを飽きずにみせる構成のうまさ。

もちろん、途中でなんども思うんですよ?
「すべてを捨てて生きることもできるはずだ!」って。
財閥とか言って狭~い世界で椅子取りゲームに血眼になっている奴らを観て、
「バカかお前らは!一度でも末端の社員の気持ちを考えたことがあるのか!」って。
でもね、それができない人間の業の深さとか、
それを許さない「黄金の帝国」の悪魔的魅力・すさまじさを感じてしまってますからね。
こっちもズルズルと、アリジゴクから抜け出すこともできず、
彼らの運命を見届けてしまうんですね。

テジュのお母さんが「ミル麺」の店を開き、家族で一日の売り上げを数えて言うんです。
「これが、お金というものよ」と。
朝から晩まで一生懸命働いて得たお金。
こうやって真面目に生きている庶民が報われない世界なんて、間違っている。
テジュは、そんな社会を変えたいと願ったはずなのに、
「黄金」の魔力にとらわれてしまった。

結末に関しては、ちょっときれいに終わらせすぎたかな、って気もします。
テジュとソユン、対照的なふたりの表情が、強く印象に残りました。

こんな感じで総括……ですかね……。
まだ観ていない人がほとんどだと思うので、極力ネタバレなしで書いたので、
奥歯にものが挟まったような、どこかで聞いたことのあるような記事になったかもしれないです。
ミアネヨ。
いつか地上波で放送する頃に、再度視聴してネタバレ全開で書くかもしんないな、と。

あ、最後に、どうしてもいいたいことが……。
公式HPで「極悪人」扱いのミンジェオッパですが、

極悪人なんかじゃないですよ!

じゃ、いい人なのかと言われたら、絶対いい人じゃないですけど。
でもソンジングループのひとだってエデンの社員だってみんなそうでしょ?
オッパだけ「極悪人」扱いでひどすぎ!
なんだろ、この人のちょっとうかつなところとか、妻に対して誠実なところとか、
あくまでお父さんに意地を張りつづけるところとか、弟思いのところとか、
なんか最終的には惚れそうになってました。

そんなにかっこよくない主演男優が素敵に見えてくることを「韓ドラマジック」と言いますが、
なんつーか「韓ドライリュージョン」の域です。
あの二枚目コ・スさんを差し置いて……。

いろんな意味で恐るべし、なドラマでした。
みんなも気をつけてね。




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