いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

根の深い木 第18話

2014年05月11日 | 根の深い木
あ~、この回はケパイの手作り人形(石の馬)をキャプチャするべきでしたのに。
ついつい、気になる干し肉を選んでしまいました。
美味しそうですよね。
半干し程度の肉かなぁ。
岩の上で焼き肉も美味しそうでした。
物語は結末に向けて走り出すというのに、なんちゅう感想や。

《あらすじ》

チェユンとイ・バンジは、カリオンの前で互いに知らぬ振りを装った。
お互いの置かれた状況が、わからないからである。

カリオンは、王の命を狙うチェユンを助けてムヒュルを討て、と
イ・バンジに水を向けた。
しかし、老人は頑として首を縦には振らなかった。

チェユンとイ・バンジは、お互いの立場を知ろうと話をする。
「王を仇と狙っているというのは本当か?」
「師匠は密本なんですか?」
イ・バンジは、仇討ちなどやめろ、とチェユンを諭す。
畑を耕して、穏やかに生きろ、と。
チェユンは笑って言った。
「俺が狙っているのは、密本のチョン・ギジュンです」
師匠の言うとおり、大切な女と、畑を耕して生きていきたい。
タムが生きていたとわかったから。
彼女の存在が、チェユンの希望。

カリオンは、なんとしてでも文字の公布を阻止するつもりだ。
科挙の冒涜、儒生の自害。
それでもイ・ドが文字を公布するというなら、
大急手(王の殺害)も辞さない。
たとえ逆賊の汚名を着たとしても。

イ・バンジは、女を守りたいなら手を引いてすぐに逃げろ、という。
しかし、チェユンには夢がある。
一番大事な女であるタムが、文字を大事にしている。
今や自分にとっても文字は大切なものだ。
タムとの間に子をなして、その子たちが文字を学び、文章を書いて……。
「すべてを失い、裏切り者になったらどうする?」
「俺は師匠とは違います」
しかしイ・バンジは、納得しない。
俺とお前の何が違う?
民というものは、誇りを捨ててこそ大切なものを守れる。
いっそ卑怯に生きろ。
「なぜですか?なぜ民だけが、そんな風に生きなければならないのです?」
チェユンもまた、師匠の言葉に大声で反論する。
「いいだろう。お前の大切なものを失う覚悟があるなら、
チョン・ギジュンを教えよう」

チェユンは、考え込みながらタムに会いに行った。
彼女と言葉をかわし、陰からそっと見守る。
師匠の言葉が脳裏によみがえり、チェユンは思う。
(大切なものと引きかえに出来る何かが、自分にはあるのか?)

自害した儒生の抗議文が、都に貼られている。
チョ・マルリは、王の文字がもたらす混乱を考えるよう、陳情に上がる。
「文字がもたらすものは、混乱だけか?」
科挙は良民も受験できるが、使われるのは結局漢字だけ。
実質、家柄の良い両班だけが官僚になってゆく。
そのうち庶子の試験は禁止され、何百年後には、官位を金で買うようになるだろう。
制度は硬直化し、国は弱体化していく。
そうならないために、文字を公布するのだ。

「では王よ、両班をなくせますか?をなくせますか?身分制度をなくせますか?」
答えは、否、否、否!
王は叫ばずにはいられない。
もちろん、それはできないとわかっている。

「それでは、文字という希望だけを与え、民を苦しめるおつもりですか?!」
それも答えは歴史の中にある。
民は苦しみ、自ら模索する。
闘う中で答えを見いだし、朝鮮は千万年栄えることになるだろう。
悩み続けて生きてきた。
そしてやっと、これがわたしの朝鮮だといえる答えが出た。
しかし、その答えを、チョン・ギジュンは否定するのか?なぜだ?
問いを投げかけた奴がなぜ?

チョン・ギジュンと会う必要がある。
奴は知っている。
わたしの答えが、新しい文字だということを。
この文字が、評価に値しないものなのか、考えを聞きたい。
どうしても、やつに会わなければ。

チョ・マルセンは都でイ・バンジを見つけ、後をつけた。
ムヒュルに居場所を伝え、捕らえるよう命令する。
イ・バンジは、昔のことを思い出している。
自分のためらいが原因で、女も主君も失った。
自分はまたもや、同じ過ちを犯すのか?
「ぐずぐずしているといつもこうだ」
イ・バンジは、自分を捕らえにきた内禁衛の気配を感じとり、山へ逃げた。

山中で、イ・バンジに追いついたムヒュルは、意外な提案をする。
「チョン・ギジュンはどこだ?殺す気はない。
そなたの望まぬ争いは、王とギジュンが会えば終わる」
聖君イ・ドを信じよ。私を信じよ。
イ・バンジは、ムヒュルの言葉について考えている。
もしすべてが終わったら、チェユンとソイを渡せるか?
「王がゆるさなければ、私が渡す。約束だ。お前には借りがある」
イ・バンジは、ムヒュルの言葉を受け、時間がほしいといって去って行った。

ギジュンは、ムヒュルとイ・バンジが会っていたことを知り、
ふたりが共謀しているのか、と疑う。
イ・バンジは、弟子の幸福のために、王を信頼する気持ちになっていた。

ギジュンのもとへある知らせが届く。
広平大君が生きていたというのだ。
カン・チェユンに、だまされた。
ギジュンは怒りに震え、イ・バンジに会いに行った。

「協力する気になったか?」
「王様が会いたいそうだ。密本と歩み寄りたいらしい」
ギジュンは笑った。
「虫けらめ。それが策略だろうが真実だろうがどちらでもかまわん。
お前は密本を二度も裏切った虫けらだ。
カン・チェユン、イ・バンジ、運命を共にしようと思ったわたしが愚かだった」
憎々しげにつぶやいて、ギジュンは去った。
かわりに現れたのは、ケパイならぬ、カルペイ。
驚異的な強さを持つ、刺客である。

王の期待をよそに、イ・バンジはカルペイと死闘を繰り広げていた。
伝説の北方の戦士。
若い頃に出会いたかった、というのは武士としてのイ・バンジの本音だろう。
ふたりの決着は、つかなかった。
イ・バンジは崖から水へ落ちたという。
もし、イ・バンジが生きていたら?
ギジュンの正体を知る男であり、裏切り者である。
密本の面々は、動揺を抑えられない。

チェユンは師匠の家を訪ねて、その荒れように驚く。
山中で人が争った跡を見つけた。
昨日、ムヒュルが秘蔵の刀を持ちだして出動したと言うが、まさかムヒュルが?

ムヒュルも、約束の時間に現れないイ・バンジを心配していた。
チェユンと情報を出し合い、彼の居場所を探す。
そういえば、師匠はカリオンと会っていた。
あいつが何か知っているかもしれない。
しかし、カリオンは見つからない。
行首も行方不明だ。

カリオンらは、ハン一人を残し、行首と共に泮村を出ようとしていたのだ。

イ・バンジは密本に殺されたのか?
王は、チョン・ギジュンに会って祠堂での議論を続けたいと願っている。
彼を説得できれば、理想の朝鮮を作りあげる時間がどれだけ短縮できることか。
気が気でない王は、ムヒュルとソイを連れて外出した。
行く先は、正倫岩。
もちろんその前に、カリオンの元へ寄って酒席の用意を頼んだ。

その頃チェユンは、ヨンドゥが持っていたおもちゃを見ていた。
石に直接木の枝が刺してある……。
「どこで出に入れたんだ?」
「カルペイがお別れにって、くれたの」
カルペイ?ケパイ、あの男か。
そこへチョタクが、カリオンがムヒュルと一緒に出かけたという知らせを持って来た。
かけつけてみると、小屋の中はもぬけの殻だ。
「でも不思議なんだよ。見張ってたけど、カリオンが入っていくところは見ていない。
なのに、内禁衛将が声をかけたら中からカリオンが出てきたんだ」
チョタクの言葉に、チェユンは考えを巡らせる。

王たちは、正倫岩で談笑している。
カリオンは、ケパイを連れて供をし、肉を焼いていた。
ムヒュルはふと、ケパイの様子を見て、違和感を覚える。
何か、何かを見たような……。
それは、彼の指にある野草の指輪。
ケパイの正体に気付いたムヒュルは、刀を抜き、切りつける。
もちろんケパイも、殺気に反応し、隠し持っていた剣を抜いた。

「何事だ?」
緊迫した空気の中、王の前で頭を下げていたカリオンが、静かに顔を上げた。
「なぜ、わたしに会いたい?イ・ド」
カリオンの言葉に、目を見開く王。

チェユンとチョタクは小屋の中に抜け道を探し、地下にある密本のアジトを発見していた。
彼もまた、カリオンの正体に気付く。

カリオン、チョン・ギジュンは王のために準備した酒を取り、飲みほした。
そしてゆっくりと立ち上がる。
「お前は何もできないと思っていたが、多くのことをやってのけたな。イ・ド」
「チョン・ギジュンか」

ケパイとムヒュルはにらみ合い、
王とギジュンはも互いの顔を見つめている。

(つづく)

王様~!
びっくりなさったでしょう?

チェユンもムヒュルも、
(なんかあやしいよな~)と思ってかーらーの、発覚!でしたけど、
王様の場合はいきなりですものね。

わたしたち、そのお気持ちが痛いほどわかりますのよ。
もうほんとにびっくりしたんだからさ。

ハングル創製の物語り、とか、タムはソイだ、とか、
ネタバレしたら悪いかな~と思って序盤は記事書いてましたけど、
もう、彼の正体さえバレてなければいいよ!と思った。
記憶を消し去って、またあらたにあの衝撃を味わいたいよ。

やはりね、
同じように三峯先生を尊敬しているふたりが、
正反対の道をゆく、というところが、この物語の妙味だと思うの。
王様はチョン・ギジュンに歩み寄ろうとしてるんだけどね~。
ギジュンはかたくなだわよね~。
イ・ドに直接の恨みはなくても、
イ・バンウォンに恨み骨髄なわけだから。
そこんとこ、影響しているでしょう。

王様も言ってましたけど、
かつては自分が軽蔑した暴力を持って密本を正当化しようとするギジュン。
「結局……暴力か」
という伝言は伝わっているのかしら?

あの、一族郎党、奴隷までもが皆殺し、という大虐殺を経て、
ちょっと考えかたがかわったのかもしれないですね。
養子にしてくれた両班には裏切られるし……。

王様と話して、なにか感じてくれたらいいんですけど。
あ、次は19話ですか。
おそらく最後まで、密本とは対立しあうのでしょうな。
お?それとも、手を組んで明に対抗しちゃう?
あれ以来、明の使者とかあの女通訳とか出てこないけど、
まだなんかあんでしょうよ。
朝鮮が独自の文字を持つなんて、許さないでしょ?

次回、ギジュンと王様の対決が楽しみです。

この回は、師匠イ・バンジと弟子カン・チェユンが多くを語りました。
お互いの出方を探って様子見するあたりは、ふたりとも賢い。
でも、そこはやっぱり師匠と愛弟子で、すぐにお互い情報交換を始めちゃうのでした。
ギジュンたちはそのへん、予想済みですけどね。

師匠はチェユンのこと、自分と重ね合わせているんですね。
愛する女も、主君も救えなかった自分のようになってほしくない。
チェユンとソイをしあわせにすることが、
自分のかわりにふたりにしあわせになってもらうことが、彼の救いなんです。
この人、めちゃくちゃ腕も立つし頭もいい人だけど、非情ではない。
そういうとこが、あの悲劇を招いたんだろうな~。


なんでなんすか?!と、師匠にはけっこう熱いチェユン。

師匠の言葉で考え込んでしまったのは、
「民は卑怯にならなければ大切な物を守れない」という言葉。
チェユンはああ言ったけど、わたしはね、民だけではないと思いますよ。
人間は誰だって、卑怯にならなければ大事なものを守れないんじゃないかな……。
誇りなんかどうでもいいから、守ってやりたい人がいる。
他人に後ろ指をさされようが、あの人が生きているならそれでいい、と
思える人が、誰にだっていると思うんです。

師匠が裏切り者、って言われててわたしもつらかったな。
犯した罪はけして消えることはないとわかっているけれど、
彼なりに償いはしたじゃない。
彼なりに代償は払っているじゃないですか。
結局ギジュンは、イ・バンジが言うことをきかなかったら殺す。
裏切り者は殺す。
彼の中にある強い恨みと憎しみが、彼の信じる正義と結びついて、
なんかいびつになっているような気がする。

イ・バンジは崖から落ちたそうですが、
おそらく生きてますね。
韓ドラでは、崖から落ちた人はたいてい生きています。
タムがあの高さから飛び込んで助かってんだよ?
深手を負いながらも、武道の達人イ・バンジが死ぬわけないっつーの。
あとあと、どのタイミングで出てくるのかに、期待です。

チェユンの望み、わたしが予想していたのとは違い、
わりとささやかな望みでした。
タムとふたりで畑を耕し、幸せに暮らす。
うんうん、それがいいよ。そうしなさいよ。
王様も、一度はそれを許可したんだから、きっと許可してくださるよ。

お父さんが殺されてから後、
生まれて初めて抱いた希望が、それだったんだもの。
大事にするがいいよ、その夢をさ。

こういう、チェユンの素朴さが、わたしはとても好きだし、
彼が判官になる理由だと思う。
漢字を勉強して、手柄を立てて、兼司僕になっても、
根っこはかわらない。
簡単に啓蒙されて開眼したりしない。
このまま王に使えて出世してやるぜ!とか言わない。
いつも、彼の中に幼いトルボクが見える。
元気いっぱいで、お父さんが大好きで、
働く人々が好きで、ちょっとずる賢くて、ケンカが強くて、
タムのことが大好きなトルボク。

だからさ、絶対ふたりにはしあわせになってほしい。
彼らは王が救うべき民の象徴ともいえる人たちなんだもの。


チェユンに対してこんな笑顔を向けられるようになったタム。栗ゆでるよ!

文字の公布に反対するチェ・マルリ。
この人の指摘も、よくわかる。
民にいたずらに希望を与えて、苦しませるつもりなのか?
中途半端な希望は絶望と一緒だよ?

わかる。わかるんだけどさー。
みんなさぁ、もっと民衆を信じようよ。
確かに愚かで、流されやすい人々かもしれないけど、
文字を持って教育を受けたら、きっと変化があると思うんだ。
その変化は、すごくちょっとずつしか進まないかもしれないけど、
幼子を導くように、導いてあげなきゃ……。
それが王様の仕事だもん。

と、思う反面、社会は一時大混乱するだろうな、と心配になる。
脅威を感じる両班が、ますます民を虐げたり。
奴隷制度がなくならない以上、いつか暴動が起こっちゃうのかな、とか。
賢くなったら、人は黙って従ったりしないもんね。
自分の頭で考える人が増えたら、政治ってすごく難しくなるよ。

「自分で考えて、自分で判断する」っていいことに見えるけど、
怖いことでもある。
それが本当に自分の考えなのか?常に疑っていなくちゃいけない。
そういう面倒くさいことを、人は簡単に放棄しちゃう。
簡単に影響されて決めちゃったことを、自分の判断、って誤認しちゃうかもしれない。

「自分で考えて、自分で判断する」ってことは、
その行動に責任を取る、ということでもある。
急にいろんなことを背負わされて、みんなは大丈夫かな?

正直、密本と王様と、どっちを応援すればいいんだ?と悩む。
ただ、本気で長い長いスパンで考えれば、
特権階級の支配というのは続かない。
国力を上げようと思ったら、やはり国民全体が賢くならないとダメなんだと思う。
うん?それとも優秀な人をきちんと登用できるシステムさえあればいいのか?
賢い子どもを選抜して教育するとか?
いやいやいやいや、健全で伸びしろのある社会とは、多様性のある社会のはず。

本気で何百年後を考えたら、王様の賭に乗るしかないのだ。
だってイ・シンジョク見たでしょう~?
同じ密本でも、あんなに利己的な人だってたくさんいるんですよ?
宰相主義が絶対にいい、とは言えないのだ。

ま、小難しいことは置いといてですね、とにかく面白いですよ。
ケパイの存在がまたいいんだな。
少数民族で、超強くって、子どもと心を通わせるくらいに純粋で、
でも、闘って相手を殺すことを厭わない残酷な戦士。
なぜ彼は密本に協力するのでしょうか?
命を救われたから、とかいう理由なのかなぁ。

ケパイとイ・バンジの闘うシーン、よかったなー。
こういう純粋な武の世界ってちょっと憧れるよね。
死にたくないけど。
ここにムヒュルが入ってくると、また面白い。
ユン・ピョンとチェユンは、比べると格下かな?

ドラマの中に、「武士として」みたいなセリフがけっこうあるんですけど、
武士道、というのは日本の思想であるわけですよね?
ヨーロッパには騎士道があったりするけど。
うまく訳するのが難しいのかな~。
「武芸をきわめようとする者として」くらいの意味なのかしらね?
ん~、しかしそこには、出自の良さ、というニュアンスもあったりするので難しい。
「武士」といわれて日本人がイメージするものに近い感覚なのでしょうね。


彼は全然武士っぽくないけどね……。どっちかっていうと、影忍?



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