いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

【無韓系】hulu ラストコップ 観たよ

2015年06月22日 | 無韓系日記
わたくし、すでにhulu登録者です。
随分まえからこの「ラスト コップ」宣伝されてまして、
唐沢さんと窪田くんの刑事コンビということと、
海外ドラマのリメイクということで楽しみにしていたのですが……

なんでやねん!

という感想でしたので、即刻、原作である海外ドラマの方を視聴いたしました。
huluで観られるからね。

そしたらあれですね、これリメイクって言っていいのかなぁ。
設定だけいただいた別ドラマではないでしょうか?
もしかしたら今後の展開で原作寄りの部分が出てくるのかもしれませんが。

そのあたり、感想を書きたいと思いますので、
よろしかったらご一読ください。

原作はドイツのドラマで、2010年に始まった人気シリーズです。

日本版で、ん?と思ったのは、

なんで全部子供だましにしちゃうの?

ってとこですね。

唐沢さん演じる京極刑事が原始人みたいなのは100歩ゆずっていいとしてですね、
あんな学芸会みたいなボサボサ髪とひげ面ってなんですか?

そのうえ、30年も眠ってて、即歩くって可能なんですか?と。

出だしでつまづいたので、この後冷静に観られていないかもしれませんが、
全体的に嘘臭すぎて泣ける。

いや、嘘でいいんですよ!ドキュメンタリー観たいわけじゃないので。
そしてもちろん、演劇的な約束事というものがあるのもわかっていて、
付けひげとヅラだからダメだというわけでもないのです。
それはそーゆーものだ、と、制作側と観客の同意の上で成り立つフィクションなわけですから。

嘘でいい、いや嘘がいいんだけど、嘘を嘘として楽しむために、
必要なリアルがあるとおもうんです。

これがリメイクで原作大人気って、マジか?と海外のみなさんの正気を疑って原作を観ると、
細部もそうですけど全体のテイストが全然違う。
日本版は、はっきり「コメディ」としていますが、
原作はマジな刑事ドラマでした。

主役の刑事は、やはり病院のベッドから突然起き上がる。
そして立って歩きます。
でも髪はある程度切りそろえられている。
病院における清潔さの維持としての散髪が行われていることは明白であり、
そりゃそーだろうな、と納得できます。
で、ある程度のびた髭は俳優の自毛。
彼は自分でひげを切りそろえるんですね。

そこでへぇ、と思うのは、彼がとても体格のいい人なんです。
寝てたら筋肉落ちちゃうだろう、と思う以前に、
なんかこんなマッチョな人だったら、30年間寝てたとしても、
立ってちょっと歩くくらいはできそうだ、みたいな気がする。

ヒゲのリアルが肉体維持の嘘を補完し、
補完された嘘の肉体が、すぐに立ち歩く行動の嘘を補完する。
ただこれ以上の嘘を納得させるのはムリで、
彼が警察に復帰したのは1ヶ月半後でしたよ、という形でドラマは進みます。

このただひとつのたわいもないリアルが、
嘘を嘘として楽しむための呼び水なんだとしたら、
そこは手を抜くべきじゃないと思うんです。
観ている人を、うまくのせてほしいんだな。
こっちははなから、のっかって楽しもうと思っているわけだから、
ほんのちょっとしたことでいいんですよ。

唐沢さんの髭がほんものだったら良かったなーとしみじみ思います。

年齢の設定もちょっと違和感がありましたね。
え?誰の?って、佐々木希さんの年齢設定ですよ。
30過ぎてて実家暮らしなんて今時珍しくもないですが、
お母さんに空港までお迎え頼んじゃだめだろう。
あの時点で空港にてなんらかの事件に巻き込まれるのが目に見えているではないか。

そしてヘタしたら、30過ぎの女性が50過ぎの男性に
恋しちゃう危険性もあるではないか。

京極さんの中身が22才の若者っていうのは
あ、わかるなぁってところが多かったです。
22才なら、すぐに愛妻のもとへ駆けつけちゃうだろうな、とか、
思いをこらえられなくて、娘に熱く語っちゃうだろうな、とか、
同年代?の若者の家に転がり込むぐらいはやるだろうな、とか。

ただ、同僚女性の尻を触るか?

これ、原作にもあるシーンですが、
あっちは30ちょいで昏睡に入ったような雰囲気なので、
尻ぐらい触るだろうと納得がいきました。
なにしろ地元のドン・ジョンソンと言われる刑事だった設定ですので、
なかなかの色男なんです。
(マイアミ・バイス好きだよ~)

この、30くらいで昏睡の設定が、原作ドラマの味なんじゃないのかな。
主人公は、相棒になる若造に比べたら、格段に大人で、
刑事としてのキャリアも随分うえな感じがするんですよ。
時代格差と年齢格差のダブルですね。

対して日本版は、京極さんと若造刑事亮太くんには実はあまり年齢差がない。(精神的に)
だから同居して、同年代の刑事としてバディになったふたりの対比軸は、
昭和VS平成の時代格差のみなんですね。
これは別にいい悪いではなくて、
時代格差しかないゆえに、ハチャメチャギャグコメディとして成立するんだろうな、と。

せっかくリメイクするなら、原作をなぞってるだけじゃつまらない。
じゃあ、時代が違うよね!ってところを強調したコメディにしようぜ!という
意図があっての、22才で昏睡の設定なのだろうと思います。

原作では、コメディパートはドラマのスパイスで、
そんなに大笑いするような部分ではない。
にやっとしたり、クスッと笑ったり、くらいに抑えられています。
奥さんと再婚しちゃった検屍官?鑑識医?も人格者です。
そのおかげで、主人公の精神的な若さが露呈していくシーンもある。

スマホや時代錯誤ギャグのようなガジェットだけに頼らず、
人間関係の中で、20年のギャップが浮き彫りになるというか。

おそらく日本版では、かつて部下であった鈴木さんが、
組織の中で確実にキャリアを積んできた上司として京極さんと対立するという
状況も出てくるのではないかと期待しています。
第1話は「つかみ」の段階なので、小物でわかりやすく……という演出なのかな。

亮太くんとも、若者同士わかり合える状況が出てきて、
バディとしての絆が深まってゆくのではないでしょうか。

ふたりの掛け合いが楽しいので、
シチュエーションコメディとしての会話シーンに力を入れてほしいな~。
最初だから2時間枠のドラマにして派手なアクションや事件を扱った気がしますが、
もうちょっと視聴者を信頼してほしい。
ふなっしー出なくてもいいじゃん。
パワーショベルの遠隔操作って、もちろん大事故につながる恐れのある犯罪なんですけど、
「大惨事を引き起こそうとする凶悪犯」といわれても、
ふなっしー飛んだけど生きてて、なんとなくなごんじゃうし。
その犯人たちが航空機墜落事故を起こそうとするって、
事件のスケール感に格差がありすぎる気がする。
「メリーゴーランド止まらなくて困る」くらいの犯罪でも良かったんじゃないでしょうか。
どうせハチャメチャコメディにするのなら。

先日「インザヒーロー」を演じた唐沢さんがスタントなしで挑んでいるだろうな、
というのは容易に想像できるわけで、
それならビルとビルの間は「飛べそうで飛べないけどがんばったら飛べるかも」の距離に
しておいてほしかったな、と。

鈴木課長を演じる宮川さんの舞台っぽい演技は好きで、
あのテイストで全体をまとめるのかと思ったらそうでもないし、
コメディとしての基本インフラが整っていない気がしました。

日本版リメイクが気に入った方は、原作は地味なので好きじゃないかもですね。
ちょっとなぁ……と思った方は、原作を観るといいかも。
そっちの方が面白い、ということではなくて、
原作の中のテイストを、どうコメディとして昇華させていくのかが気になって、
リメイク版が面白く観られると思います。

ただ、hulu加入者を増やそう!という企画としては失敗だと思うな。
これなら地上波でいいんじゃないか、という気がしてしまう。
無料お試し期間が2週間あるので、
huluでしかやりませんよ、無料お試し登録して観てね、でよかったのでは。
唐沢さんと窪田くんのコンビに十分魅力があると思うので。

どっちかというと、ちょっとがっかりしてリメイクと比べてみたい人が
無料お試しに加入してくれるんじゃないか。
原作は加入しないと観られないから。
配信サービスの独自ドラマというのは、もっとニッチな層を狙ってほしいと
いうのが、正直な感想でした。

1話だけ観てこんだけ文句言うのもフェアじゃない気がするので、今後も視聴します。
京極さんと亮太くんの掛け合いがもっと観たいし、
大人の女性として父親との関係を作っていく佐々木希さんの演技も注目だし、
いつかきりっと京極さんを叱る鈴木課長も観たいです。

京極さんには、原作の主人公みたいに色気を出してほしいんだけど、
唐沢さんには男の色気はムリっぽいな~。
どこかの掲示板で、いつか長瀬版が観たい、という意見があって、それには大賛成です。

こんな感想を書いたことを後悔するような展開になったら、
またあらためて謝罪(誰に?)感想を書きたいと思います。
う~ん、なんか偉そうな感じになっちゃったな。ごめんねごめんね。


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