いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

【無韓系】ハンニバル Season1 10~13

2016年10月01日 | 無韓系日記
とうとうHuluでハンニバル シーズン3が配信されました。
ああっわたしまだシーズン1も観終わってない!
大事にしすぎてた!
というわけで、これにてシーズン1視聴終了です。
やっぱりウィル君が好き。

10 ビュッフェ フロア


一人暮らしの女性が、顔を切り裂かれて殺されました。
現場検証をしたウィル・グレアムは、
いつになく恐慌をきたし、周りに心配されてしまいます。

また、記憶が飛んでしまったのです。
しかも、今回は殺人の記憶と感覚だけが、
リアルに体と心に残っている。
まるで自分が女性を殺したような感覚です。

心の病では断じてない、と信じたいウィルは、
レクター博士の紹介で神経外科にかかることになりました。
検査の結果は、右半球の脳炎。
しかし、レクター博士は友人である医師を研究の名の下に説得し、
ウィルには嘘をつきます。

ウィルは、自分が犯人ではないという確証を得るため
現場へ戻り、犯人らしき人物を目撃しました。
そしてまたもや記憶を飛ばしてしまいますが、
それでも、犯人へ向けたメッセージを発してチームに助けを求めます。

難病の少女が犯人であると目星をつけ、
自分は再度、脳の検査を受けている間に、
今度は医師が殺されてしまいました。

しかし、ウィルのメッセージを聞いていた少女は彼の家に侵入。
ベッドの下に隠れていたところを彼によって救われ、
治療されることになりました。

ただ、彼女は記憶を取り戻さない方が良いのです。
顔は認識できなくとも、医師を殺したレクター博士を目撃しているのですから。


********************************


もう……これまでにも増して、レクター博士の
劣情と邪悪さの表出がなんともいえない。

ウィルくんが脳炎だということを隠して、
彼が均衡を失っていくのを観察し続ける気なのです、博士は。

ウィルくんの共感能力を、高く高く評価する博士。

もしかして博士は、
彼に自分を本当に理解してほしいのではありませんか?

自分の心を唯一理解してくれるかも知れない友人として、
ウィルくんに大いなる期待を抱いているのでしょう?

それでも、
いつか彼を自身の宴に饗したいという欲望を、同時に持っているかも知れませんね。

特別な豚として。

医師に、ウィルくんを「君の豚」とたとえられて
一瞬不快気な表情になるレクター博士。
いえ、それはわたしの願望が見せた幻かもしれませんが……。

その直後、博士は医師のたとえを認めて話を続けます。

自分の愛するものを、想像力のかけらもないゲスに豚と言われるのは心外ですが、
まさしく彼は特別な生け贄。
わたしの豚を、お前ごときが豚と呼ぶな、って感じの不快感だったように思えます。
博士、失礼な発言を絶対に許しませんからね。

どーせ医師を殺したのはレクター博士だろうと思ってました。
罪の意識に耐えかねて、秘密の重みに押しつぶされそうになって、
早晩ウィルくんに真実を話してしまうにちがいないからです。

でも、ウィルくんをあんな風に言った罰もあったのかもしれませんね。

ウィルくんは、自分が心の病だと思って心底悩みます。
だからジョージアのお母さんに、すごく共感しているみたい。

脳の疾患だったらいいのに……。
そうでなければ、曖昧な心の病なんて言ってないで、
いっそ異常者として病院に閉じ込めてくれたらいいのに……。
ぐらいのこと、思ってそう。

だってお母さんも苦しいでしょうけど、
ウィルくん、当事者ですからね。
ジョージアの不安な気持ちが、痛いほどわかる。
だから、最後に彼女を救うことができたのでしょう。
彼女に何を言ってあげればいいのか、よくわかっていたわけです。

君はひとりじゃないって。

最近ウィルくんを持てあまし気味なのかなーと思っていた
ジャック・クロフォードも、今回はウィルくんを支えてくれました。
「私は砂なんかじゃない、強固な岩盤だ」って。
それによって立つウィルくんは、揺らがずにいられるって。

お前を信じる俺を信じろ!ってやつですね。

ジャックのこと、ちょっぴり見直しました。

検察医の彼女も、以前からかっこよくて気に入っていました。
はっきりと物を言う人ですが、
けしてその言葉は辛辣なものではない。
事実を事実として述べるだけです。
彼女の中には、ウィルくんへの思いやりがあります。

ウィルくん、あなただってひとりじゃないのよ!って言ってあげたいです。

邪悪な人に粘着されてますけど……。

大丈夫、大丈夫だよ、きっと戻ってこられるよ。
そう言って慰めてあげたいけど……。
現場に出ることで、彼自身も精神の均衡をはかっているのは
まぎれもない事実。
やはり脳炎とは関係なく、あやうい境界線を歩いているような気もするのです。

聞いたこともない病気の名前が出てきて、
ちょっとドクターハウスみたいでしたね。

この病気については、ドラマの中ではあまり詳しく言及されません。
ちょっと自分で調べて知識を補完しないと、よくわからない。
本当にそんな症状が出るのか?(皮膚がずるむけるとか)
実際に病気の人が存在するわけですから、
「その方がドラマ上都合がいい」ような扱い方は、不遜だと思うんですね。
そこらへんは描かないだけで、しっかり検証されていると信じたいところ。

ジャックがウィルくんに対して、
「君の仕事は現場の証拠を検証し、推理し、犯人の気持ちを想像することだ」
というシーンがあります。
わたしは前回の感想で、「五感から導き出されるシックスセンス」という
書き方をしましたが、ジャックの考えと同じ意味です。
そんなに詳しく描かれないけれど、ウィルくんの共感能力は、
非科学的なものではない、ということ。
常人にはわかりにくいけれど、必ず根拠がある、ということです。

同じように、ジョージアの病気が特殊なものだから、
おぞましい特別な犯罪がおきた、という論法は否定したい。
ジャックにああ言わせた制作陣なら、もちろんそこはわかっていると思います。
ただあえて、枝葉にこだわらずドラマを進行させることによって、
「ハンニバル」らしいおどろおどろしさ、不気味な空気が演出されていて、
非常に魅力的な物語に仕上がっているように感じました。
やっぱりうまいですね。

レクター博士の匂いフェチっぷりも素晴らしい。
脳炎の患者の匂いって……。
甘いってほんまかいな。
随分前に、ウィルくんの匂いを嗅いでいましたが、
そういうことだったんですね。
妖しすぎるわ……。

話はあちこち飛びますが、
この回ではじめて、ウィルくんのフィッシャーマンぶりが見えて嬉しかったです。
いつも毛針を作っているシーンだけだったんだもの~。
ちゃんと釣れてるんですね。
まな板使わないんだ……と変なとこに注目してしまったりして。
あんなに血、出ないけどね、魚。
嘘のような本当の話、本当のような嘘の話。
上手な嘘をつくコツは、ほとんど本当の話にちょっぴりの嘘を混ぜること。
面白い話は嘘のつきかたが上手です。

久しぶりに博士が本当のお肉を食べていて、ほっとしました。
そりゃ年がら年中、人肉食べてるわけにはいかないやね。


11 ロティ


チェサピークの切り裂き魔だと自称していた元医師の殺人犯ギデオンは、
ブルーム博士の面会から、自分が洗脳されていたことに気づきます。
精神障害犯罪者病院の院長チルトンが、彼を誘導していたのです。

ギデオンは移送中に脱走。
また人を殺し、誰かを挑発するように遺体を冒涜します。

「本物の切り裂き魔にメッセージを送っているんだ」
ウィル・グリアムは、ギデオンの狙い、そして彼の不安な胸中を見抜きます。
なぜなら、ウィル自身も自分を見失っていると感じているからです。
幻視の頻度が増え、悪夢にうなされる毎日は、
彼の精神を静かに、着実にむしばんで行きます。
すべてはレクター博士の狙い通りなのですが。

逃亡したギデオンは、かつて自分を分析した精神科医を殺害します。
彼らによって、自分の心と頭はめちゃくちゃにされてしまった。
すでに自分自身がなにものなのか、彼にはわからなくなっているのです。

そこへ、同じ殺され方をした精神科医の遺体が発見されますが、
今度の遺体は右腕を損傷しています。
「こっちは本物だ。切り裂き魔は、ギデオンの居場所を教えたがっている。あなたに」
ウィルは的確に切り裂き魔のメッセージを解読し、
ジャックは彼を伴い現場へ急行します。

FBI研究生ミリアムの右腕が発見された現場に、
ギデオンはチルトン院長と事件記者ラウンズを監禁していたのです。
ラウンズは、切り裂き魔向けの記事を書かされ、
院長の腹腔摘出手術を手伝わされていました。

ところが、ギデオンはいません。
そっと現場を立ち去ろうとした彼を車で待ち伏せていたのはウィル。
しかし彼も混乱し、ギデオンを、自分が殺したのだと思っています。
しかもそれが現実なのか、幻なのか判断できないでいるのです。

ウィルは、混乱したまま、ギデオンをレクター博士のもとへ連れて行きます。
そして博士に、「誰もいない。これは幻だ」と優しくなだめられるのです。
ウィルは発作をおこし、棒立ちになってしまいました。

不思議そうにその光景を見ていたギデオンは、レクター博士こそが
チェサピークの切り裂き魔だと気づきますが、ブルーム博士の居場所を教えられ、出て行きます。
発作から意識を取り戻したウィルも、博士のたくみな誘導で、
ブルーム博士を救いに行きます。

遠くから、ブルーム博士を見つめているギデオン。
ウィルは構えていた銃を下ろし、ギデオンと会話をします。
彼の目には、ギデオンがに見えます。
ギデオンはそのつもりがなかったかもしれませんが、
ウィルは博士を守るために、とうとうギデオンを撃ち殺してしまいました。

ウィルは、原因不明の高熱で入院しました。
レクター博士は、カウンセリングを受けながら、
ウィル・グレアムに対する自分の感情を整理しています。
彼を友としたいなら、ただ壊れていくのを見守るしかないのかもしれません。


********************************


フランス料理でいうところのロティ。
オーブンなんかでお肉を焼くこと。
まさにその表題通り、ジリジリと焼かれていくウィルくん……。

そして確固たる信念を持ってウィルくんを洗脳しているレクター博士もまた、
美人精神科医にかかりにいったりして……

迷ってる?

これからどうするか。

今回は、すべての会話がダブルミーニング。
誰か他の人、何か他の事象を語っているようで、
すべてがウィルくんとレクター博士の関係を示唆しているような、
ちょっと難解なおはなしでした。

冒頭、チルトンがギデオンを洗脳していることについての
レクター博士の言葉
「自分が何者か、悩んでる人間は操りやすい」に始まり、
最後のギデオンとウィルくんの会話
「妄想から抜け出さない限り、人と一緒になれない」

レクター博士は自分とウィルくんの関係を思いながらチルトンに話をし、
ウィルくんはギデオンの話を自分自身の物語として聞いてしまう。

ウィルくんがもう少し安定していたら、
ギデオンは生きていられたのにね。
彼自身はもう、洗脳が解けており、自分を取り戻そうとしていたわけだから。
ウィルくんが平常運転だったら、彼に優しさを示し、
フツーに逮捕していたことでしょう。

すべてはレクター博士の思惑通り。
すべてはウィルくんの妄想だと思い込ませ、
わざわざ拳銃と車のキーを置いて部屋を出るそぶり。
もちろんギデオンを、ブルーム博士のもとへ行かせてからのことです。

レクター博士のところで錯乱して、
あまつさえ白目をむいて失神してしまうウィルくんの可憐さ……。

え?可憐っておかしい?
でもでも、正直可愛すぎる。
あんなに博士にいいように操られてるのに、
あんなに博士に頼ってしまうウィルくんが愛おしくて仕方がありません。

そして最後の、レクター博士と美人精神科医との会話。
一般的な患者と医師のはなしのように見せかけて、
実は殺人者としての博士と、共感者としてのウィルくんのおはなし。
あの美人精神科医は、レクター博士を「ハンニバル」と呼びます。
患者だからかな?
でも、何か知ってる。
具体的にわからずとも、うすぼんやりと、
彼が抱える闇を感じ取っているような気がします。

博士、どうしますか?
ウィルくんをこのままにしておくの?
壊れてしまったところで、あなたと友情を分かち合えるのかどうか。
壊れてしまったウィルくんは、あなたにとっては物足りないのでは
ないでしょうか?

洗脳して操っているつもりだけど、
ウィルくんはなかなか覚醒しない。
博士があせっているような感じもするし、
もう遊べないおもちゃなら壊してしまいたいと思っている感じもします。

博士的には、ブルーム博士が殺されていた方がよかったんでしょうね、きっと。
そうすれば、ウィルくんはひとりぼっちになるんだもの。


12 ルルヴェ

ウィル・グレアムが保護した少女ジョージアが、
酸素カプセルの中で業火に焼かれて死んでしまいました。
彼女と心を通わせていたウィルは、大きなショックを受けます「。
「自殺でも、事故でもない。これは殺人だ!」

アビゲイルは、ラウンズとともに手記に取りかかっていました。
インタビューを受け、自伝を発表する予定なのです。
ただ、ラウンズは疑っています。
アビゲイルの友人マリッサを殺したのは誰か?
妹を殺されたニコラスを殺したのは誰か?
警察では、ニコラスが模倣犯としてマリッサを殺したと考えています。
しかし、ラウンズはウィル・グレアムを疑っているのです。

ジャックは、ジョージアの死は事故だと考えています。
しかしウィルは譲りません。
あまつさえ、彼女を殺した犯人は、マリッサを殺した奴と同一人物で、
串刺し殺人の模倣犯だと言い出しました。

心配になったジャックはレクター博士をたずね、ウィルの様子を相談します。
すると博士は、ウィルの記憶消失や解離性人格障害をにおわせ、
あたかもウィルが模倣犯であるかのようにジャックを誘導するのです。
ジャックは状況証拠から、一連の殺人がウィルの乖離した人格が犯したものだと
思い込んでしまいます。
しかも彼は今、アビゲイルを病院から連れ出しているのです。
このままではアビゲイルも……。

その頃、ウィルはアビゲイルを伴ってミネソタの現場に飛んでいました。
そして彼女の様子から、恐るべき真実に気づいてしまいます。
アビゲイルは、囮だったのです。
彼女は間接的に父親の殺しを手伝っていました。
ではニコラスを殺したのも……?

アビゲイルは、自分のしたことを言い当てられて震えます。
「ハンニバルが話したの?」
「聞いてない」

博士は、知っていたのです。すべてジャックの言うとおりでした。
もしかしたら親友のマリッサも?
アビゲイルはさすがに怒りを見せます。
「マリッサを殺したのは、あなたなんじゃないの?」

ウィルは動揺し、様子がおかしくなってしまいました。
そして気づけばひとり、飛行機の中に座っていました。
いったいアビゲイルはどうしたのでしょう?
なぜ自分はここにいるのでしょう?

アビゲイルは、ひとりかつての実家へ入っていきました。
人の気配もないはずのキッチンにハンニバルが立っています。
思わずかけより、首に手をまわすと、彼も優しく抱きしめてくれました。
「ウィルはどうした?君が心配でね」

アビゲイルは、様子のおかしくなったウィルを放って、ひとりでここへ来たのです。
自分の犯した犯罪が、ウィルに知られていると報告したアビゲイルは、
FBIもまた、同じ結論に達したと聞かされてショックを受けます。
きっと逃げてもつかまってしまうでしょう。
「マリッサを殺したのはウィルなの?」
「そう思われる。すべて彼の犯行だと」

博士の言い方に、アビゲイルはひっかかる部分があります。
そういえば、ウィルが言っていました。
電話をかけてきた人が犯人だと。マリッサを殺したのも?

博士は、アビゲイルに聞かれるまま、真実を話してやりました。
すべてを知ったアビゲイルは、あきらめの色を浮かべて博士を見つめます。
「わたしも殺すの?」
「すまない。守ってあげられなかった」

博士の手は、やさしくアビゲイルの頬をなでました。


********************************


う、うわ~~、博士がウィル君を追い詰めてひどいことに……。

このままウィル君が殺人犯として捕まってしまうことを博士は望んでいるのでしょうか?

ウィル君が壊れちゃってもいいわけ?

本当は壊れないままウィル君を手元に置きたかったのでしょうが、
彼がどんどん真相に近づいてきちゃいましたからね。
博士が犯人だとわかれば、さすがのウィル君も容赦はしないでしょう。
自分を守るためにはウィル君を壊してつかまえせさせちゃってもしょうがない、ってことね。

だって自分のしたことがバレたら、
いまの甘美な生活は全部パァですもんね。
ウィル君への興味や愛情がいくらあっても、引き替えにはできません。

うまく操縦できていれば、
ウィル君もアビゲイルも、博士のお友達として側に置いておけたのに……。

きっととても残念に思ってるでしょうね、博士。

あの美人精神科医は、微妙なパワーバランスで博士の仕事仲間ですね。
彼女は殺人鬼でもないし、博士の美意識を共有しているわけでもないけれど、
自分を襲った患者を殺してくれた博士に恩義を感じ、容認しているようです。
ま、そもそもその患者を彼女に紹介したのは博士なんですから、
自分の告白を受け止めてくれる精神科医を確保するための罠だったのかもしれませんが。

本当にレクター博士は用意周到で頭がよく、
しかも演技もキレッキレなので、かなう気がしません。

博士がウィル君を好きなのは、自分を脅かしかねない存在だからなのでしょう。

そのスリルが好きなんですね、きっと。
ひやっとするあの感覚を味わいたいのだと思います。

ウィル君が犯人なんだ!と勘違いしたジャックが涙目になり、
がっかりして出て行くシーンの博士はすごかったですね。
「残念だ……」と本当に残念そうな哀しそうな目でジャックを見ていたくせに、
ドアが閉まった途端に、氷のような冷たい目つきに早変わり。

ほんの一瞬ですよ?!
鬼や!あんたは鬼や!

この表情のすさまじさには震えがきましたよ。

ウィル君のナイーブさにも磨きがかかり、今回はもう抱きしめちゃいたいくらいですね。
特にアビゲイルとの会話にとろけそう。
病院ではあんなに優しく手を握ってたのに~。
自分がどうにかなるくらい混乱してしまうウィル君がかわいいっ!

ウィル君にはわかっていただきたいのですが、あんなウィル君をかわいいっ!と言ってくれるのは
レクター博士か特殊な視聴者だけですからね。
ファンをないがしろにせず、いつまでも混乱してかわいくいてほしいです。
気の毒だけど。

「おとり」に関しては、英語字幕で観るとなかなか深いなぁと思います。
ウィル君はアビゲイルに、
「君はフィッシャーマンか、ハンターか」とたずねます。
女性たちを釣ったのか、狩ったのか、と聞きたいわけですね。
同じように獲物を捕るものですが、釣りと狩りとでは、まったく印象が違いますよね。
やはり狩りの方が攻撃的で積極的なイメージ。
ウィル君自身も、自分は釣りしかしない、と自己弁護しているようでもあります。

その答えとして、アビゲイルは「わたしはルアーよ」と言うのです。
ルアーには、誘惑するもの、という意味や、文字通りおとりの意味があり、
釣りで使う疑似餌もルアーと呼ばれますね。

ウィル君が一生懸命ルアーを作っている描写、これまでにも出てきていたでしょう?

ウィル君が大事にしていたアビゲイルは彼のルアーで、
博士が用意した疑似餌だったのかもしれませんね。

アビゲイルはレクター博士の手にかかって死ぬのでしょう。
そしてウィル君は捕まってしまうのね。
わたしはゾクゾクするほど嬉しくて、でもその瞬間を観るのが怖くてたまりません。

みなさんもきっと同じ気持ちですよね?


13 ザヴルー

ウィルは悪夢を見て目を覚まします。
いつも夢に出てくる大鹿を狩る夢でしたが、手にこびりついた血の色が生々しく
恐ろしい夢でした。
ふと見ると、自分の手足は奇妙に汚れており、頭もクラクラします。
慌ててクスリを飲んだウィルは突然嘔吐しました。
シンクには、ピンク色の耳が吐き出されています。

ウィルはレクター博士を呼び出し、その助言に従いジャックを呼びます。
彼はFBIに保護され、身柄を調べられました。
すると、爪の間からは血痕が。
すべての証拠が、アビゲイルを殺したのはウィルだと示唆しているのでした。

しかも、自宅の疑似餌から、次々に殺人の証拠が発見されました。
ウィルは、とうとう連続殺人犯として捕まってしまいました。

ところが、ウィルは護送中に逃走し、レクター博士の元へ向かいます。
彼は、ミネソタに連れて行って欲しいと博士に頼みました。
すべての始まりである、ホッブスの家へ。
アビゲイルが殺された現場へ。

ウィルはそこで、確信を持ちます。
自分をはめたのは、レクター博士なのだと。
「あなたは僕のような特殊な考え方をする人間がどうなるのか見たかっただけなんだ」
そう、レクター博士には一連の殺人を犯す動機がない。
だからウィルも気付くことができなかったのです。
しかし、彼は気付きました。
アビゲイルの秘密を博士が守った理由は、彼が電話の男だと気付かれたから。

ウィルは博士に銃を向け、撃とうとしますが、
かけつけたジャックに阻まれてしまいました。

ウィルは、ボルティモア精神病院に収容されてしまいました。
そこは光もささない牢獄ですが、ハンニバルが時々面会にやってきます。


********************************


はぁぁぁぁぁぁぁ、壊れていくウィル君が愛おしすぎて何も言えないわ……。
ポーチで震えながらレクター博士を待っているウィル君の不安げな瞳がたまりません。

そして鑑識チームの彼女との会話……。
「どうしてそんな状態でFBIにいたの?!」
「証拠から結論を導き出すのよね?」
そしてウィル君は、自分がアビゲイルを殺したと結論を出してしまうのです。
全然覚えてないけど。

ウィル君!しっかりして!
あなたじゃないのよぉぉぉぉぉぉぉ!

そもそもの大前提がおかしいんだから。
ハンニバル・レクター博士の恐ろしい犯罪を、誰も予想しない。
当たり前よね、高名な精神科医なんだから。

そして世の中の人は、なかなか想像できないのよ。
人を殺して喰う男がいるだなんて。

彼が、ウィル君がどうなるかを見たいがために、
検査結果をねつ造して隠したりするなんて、思いもしないのよ。

でも、わたしがウィル君を愛して止まない理由は、
彼がレクター博士の言いなりになるような弱い子ちゃんじゃないところです。
護送車からの脱走シーン、とてもパワフルだったでしょ。

彼はレクター博士によってコントロールされ、壊されていったけど、
捕まって、正しく処遇されている間に正気を取り戻した。
そして彼は真相にたどり着くの。
ハンニバル・レクターが真犯人なのだ、と。

その心の強さが好きだよ!
博士に翻弄されながらも、自分を見失わない強さが!
犯罪者に共振しながらも、闇に飲み込まれない強さが。

博士はウィル君を覚醒させたかったのよね?
自分と同じ孤独を受け入れる人間。
自分のように特別な人間。
殺人者に共振して自分を解き放てば、別の誰かになれるよ、
例えばわたしのような人間に。

ウィル君は、博士が邪悪な好奇心で自分を操っていたと思っています。
信頼していた博士に裏切られて、彼は目に涙をためて、苦しそう。
そしてとても悔しそう。

博士はウィル君になら殺されてもいいと思っていたのかしら?
銃口を向けたウィル君にもまったく動じませんでしたよね。
撃たないと思っていたのか、撃たれてもいいと思っていたのか……。

シーズン1はレクター博士の圧勝でした。
シーズン2は、ウィル君の大反撃が始まるのよね、きっと。

これ、あんまり人気なかったらウィル君を殺しちゃう結末もあったかもしれないですね。
それはそれできれいにまとまったかも。
原作とはちがうパラレルな物語にはなるけど。

久しぶりに華麗なお料理を拝見しまして感無量でした。
あれきっと、アビゲイルよねぇ。
博士がアビゲイルを娘みたいに思ってたのは本心のような気がする。
彼女の中にはどこか博士と通じるものがあったもの。
上手く育てれば、博士と並ぶ怪物になっていたかも……。

博士の精神科医は、妖しい雰囲気でお肉を口にします。
まぁさすがに人肉だとは思っていまい。
悪趣味な博士は、どーしても人に食べさせて共犯者を増やしたいのね。
おいしそうに微笑んだ彼女を見てにんまりしていますが、
反撃も食らっています。
「パターンが見えるわ」って言われちゃうんですね~。

彼女、低い声でゆ~っくり話すのがとってもセクシー。
すべてを話しているわけではないとはいえ、
ハンニバルの精神科医を務めるわけですから、一筋縄ではいかない女性のようです。
シーズン2もちゃんと登場するかな?

精神病院に収容されたウィル君に
「別れを告げに行く」というレクター博士。
獄中で濁った目をしているウィル君を見て、
浮かんだ微笑は何を表しているのでしょう?

してやったり、という気持ち?
それとも、大事な彼を愛おしく思う気持ち?

ずっと視聴してきて、博士はウィル君に愛情を抱いていると感じてきたけれど、
このシーズン1最終回でそれも怪しいと思うようになってきました。
ウィル君が言うとおり、博士はただの好奇心で彼をもてあそんだんじゃないかしら。
わたしたちが想像するより、ずっとずっと恐ろしい怪物なんじゃないかしら。
ウィル君が博士の姿を、幻視しましたけれど、
あの大きな鹿の角を持つ悪魔が、博士そのものなのではないかしら。

シーズン2を観ないと収まらないよね、この気持ちは。
しかし、派手派手しい猟奇殺人の連続から始まってこう終わるシリーズ、しぶいわ。
あのキャッチーでグロテスクな死体の数々も好きだったけど、
シーズン2ではそういうの無さそうね。


※ルルヴェとかザヴルーとか、なんのことやらさっぱりわがんね(゚´Д`゚)
 知ってる人がいたら教えてけろ



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