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秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

クロサギの狩り

2024年02月24日 | 福島県_浜通り

 アフリカには,クロコサギという鳥がいる。見た目は,真っ黒なコサギなのだが,狩りの方法が変わっていて,翼を丸く広げ,体全体を傘のようにして日陰を作り,そこに集まった魚を捕食する。

 魚は日陰に集まる習性があるので,その習性を利用した狩りの方法だ。

 さて,今回ここに取り上げるのは,以前もこのブログに掲載した相馬港の黒くないクロサギ。

 この日は天気の良い日曜日だったので,水遊びの親子連れや釣り人でにぎわっていたが,前回までと同様,結構近くに出てくれて,魚を捕食する行動も見せてくれた。

 このクロサギの捕食行動を見て,冒頭のクロコサギの狩りを連想してしまった。

 クロコサギのような奇抜な格好をするわけではないが,このクロサギは,魚を狙ってる間,体を平べったくし,翼をわずかに広げる。

 単にバランスを取っているだけかもしれないが,水辺でこういう態勢を取った場合は,結果的に,クロコサギ同様,水面に日陰を作る。

 水辺に立って,おもむろにこの態勢に入り,獲物を探す。

 そして,水面を刺すようにして魚を捕らえる。

 サギ仲間のササゴイも同じような捕食行動を見せるが,ササゴイは翼を広げない。

 ササゴイは小さいし,足や首が短いので,無理なく水辺に立って待機できるが,下の画像のように,クロサギは足や首が長いプロポーションなので,姿勢を低くして待つには無理がある。



 翼を広げるのは,日陰作りというより,姿勢を低くするためのバランス取りの可能性が高いように思う。

 見ていると,

① 体を平べったくして翼を広げて狙う
② 素早くくちばしを水に突き刺す
③ 魚を捕らえる
④ 獲物の水を切って口に放り込む,

 この①〜④の一連の動作を繰り返し,繰り返し,行っていた。

 捕獲率は100%ではないが,人がかっぱえびせんを食べるように,小魚をどんどん口に放り込んでいた。やめられない,とまらない♪ ってやつ。

 釣りの世界では,釣果100匹の釣りを一束(いっそく)釣りというらしいが,1束なんて簡単に超えそうな勢いだった。

 ただ、ここには稚魚しかいなかったようなので,100匹食べてもお腹いっぱいになるかどうか不明。

 狩りのタイミングも絶妙で,潮が引いてきて,浅瀬に小魚が溜まる時間帯だった。

 この狩りの方法のほか,魚を追いかけて,バタバタしながら狩りをしている光景も観察できた。

 このときは,あえなく失敗。

 次。

 このときは成功したが,使ったエネルギーと捉えた獲物の大きさを比較すると,なんとも効率か悪い。

 しかも,せっかく捕らえた魚を落としてしまうし。

 魚獲りの奥義を見た,と思って,感動していたのだが,人間らしい(?)ところも見せてくれて,思わずにっこり。

(2027/02/18 クロサギ)