59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

第3クルー終了

2006-03-27 13:19:57 | Weblog
3月27日(月曜日)
昨日で第3クルーが終了したので、今日は検査のために病院へ行ってきた。採血の後、1時間くらい待って検査の結果を聞き、今後の予定を主治医と話し合った。検査結果は全ての数値が問題なく、このまま抗癌剤治療を続けられるとのことで4月4日から第4クルーを開始する事にした。
心配していた頭痛も発熱が無く鼻水も出ないので風邪ではないし、白血球も3000以上あるので心配ないでしょうとのこと。「食欲はありますか?」の主治医の質問に「はい!」と答えたら 「それはいいことです」と喜んでくれた。実際、妻が、「あんた本当に病人なの?」 と言うくらい普通にある。
私の兄も肺がん治療の際、抗癌剤と放射線治療を行っていたが第3クルーで病気への不安から来るストレスと、抗癌剤の副作用で胃潰瘍になり、とうとう治療を中断した事がある。そんな話を主治医としながら、「最初に心配ししていた副作用が思ったより少なくて本当に助かっています」と言ったら 「いろいろな人がいるんです、このまましばらく進めましょう」と次の抗癌剤投与の予定を組み始めた。
4月4日(火曜日):抗癌剤投与開始
4月17日(月曜日):CT検査
4月21日(金曜日):バリウムレントゲン検査と検査結果の診断、今後の治療方針相談
こんな予定だ。
このまま手術しなくて癌が消えてくれないかと真剣に願う。病院から帰りの道すがら「手術は嫌だ」と女房に言うと笑いながら「子供みたいね」と言う。そうじゃなくて手術をすればしたで臓器を取り除くのだからそれなりの副作用なり弊害が出る事を心配しているんだけど・・・

友達

2006-03-26 16:49:51 | Weblog

3月26日(日曜日)
今日で第3クルーも終わりだ。頭の痛いのも少し良くなった。
前々から電話などくれて私の病状を気遣ってくれていた旧友が見舞いに来てくれた。私が東京に出てきたときの最初の会社での友人で、39年来の仲だ。
結婚前からのわれわれ夫婦を互いに良く知っている事から、昔の楽しかった思い出話や、お互い年を重ねてからの人生観などの話に花を咲かせた。彼の奥さんは腎臓癌の手術をしたけれど、現在は元気に生活している、その時は子供も小さくて、もしこのまま亡くなったら子供達の面倒を見ながらの生活をどうしようと真剣に考えたそうだ。幸いに癌が初期に発見された事で病気は良くなって現在の生活があるが、そのとき人間には寿命があること、人生は運命によって定められている事をつくづく感じたそうだ。
私も癌を患ってから人間の寿命について考えるようになった。確かに神によって決められた運命や寿命はあると思う。もし私の癌が良くなってしばらく生き長らえたとしても、あるいは不幸にして2,3年後に死んでいたとしても、いずれも其れは寿命であると思える心境になった。私の現状は、まだまだ寿命に達していない気がする。
妻も私の寿命に関しては同じ考えで、次のように言っている。
「私は今まであなたと結婚してよかったとは思っていない、経済的、精神的苦労が多かった。きっと神様はあなたに癌という病を経験させることで、今までの考え方や生活態度を考え直すチャンスを与えたのだと思う。これから先の生活で、私があなたと結婚してよかったと思えるように、挽回のチャンスを与えてくれたんだ、だから私が結婚してよかったと思えるまでは、あなたは死ねないのよ。」  と
励ましとも、痛烈な批判とも受け取れることを言う。確かに妻には苦労をかけたと思っている。これは妻の本音、願望だと感じた。妻への感謝の気持ちを持って少しでも長く生き抜こう。


2006-03-25 16:20:48 | Weblog
3月25日(土曜日)
今夜は次男夫婦が孫2人を連れて遊びに来てくれた。
いつもながら孫は可愛い。下の子は3歳だけど上の子の影響で生意気この上ない、小さいくせに兄貴と同じことをやろうと必死だ。私に対してもわざと「じーじ、嫌い」と流し目で言う。が・・そのしぐさや言葉が逆に憎めなくて可愛く感じるから不思議だ。
息子夫婦もこうして私が孫と遊ぶと少しは元気が出るだろうと思ってか、割としょっちゅう来てくれる。車で1時間ちょっとで来れるとはいえ、いざ来るとなると億劫なものと思う。一緒に来てくれる嫁さんにも感謝です。
「子供3人みんないい子に育ってくれて、本当によかったね」 「息子達2人のお嫁さんも可愛いし、娘の旦那さんもいい人で幸せだね」と時々妻が話すけどまったく同感だ。

頭痛

2006-03-23 11:01:02 | Weblog

3月23日(木曜日)
今日は朝から頭が痛い、首筋から後頭部に掛けて何となく鈍痛で、階段を下りるときや、かかとに体重を乗せて歩く時、頭にヅンヅンと衝撃がくる。
奥歯も歯が浮いた感じで強くかむと痛い。以前にも同じ経験があるのでおそらく薬のせいで体が疲れているのかなと思う。何となく風邪を引いた時と同じ兆候だ。
21日、今日とちょっと出歩いたので疲れたのかもしれない。
月曜日には病院へ検査に行くので、その時まで我慢しよう。
早いもので日曜日で第3クルーの薬投与も終わりだ。

今夜は浜松の島田さん(増富温泉の不老閣で知り合いになった人)から送られてきたうなぎを蒲焼にして食べた。久しぶりのうなぎはとても美味しかった。「ここのうなぎはうまいよ」と電話で島田さんがおっしゃっていたが全く、アメリカのうなぎとは比べ物にならないほど美味しい。身がしっかりしていて脂っこくなくそれでいて味にこくがある。
妻が七輪で炭火焼きしてくれたおかげもあるだろう。 みんなに感謝だ!


天仙友の会

2006-03-22 11:52:26 | Weblog

3月21日(火曜日)
漢方薬の天仙液を扱っている「漢方健康ネットワーク」主催の「天仙友の会」に出席してきた。
場所は有楽町国際フォーラム G605会議室、参加人数約30名
会長は久禮文博(くれふみひろ)氏、「医者は癌を治せない」や「生還」などの著書あり。
ゲストとして「スローヘルス研究会」会長の関根 進さんも出席、この人も何冊か著書があり私が最初に読んだ癌に関する本も関根さんの本だった。この本で癌は治る病気だ、癌=死 ではないんだ、いろんな治療方法がある、手術をしなくても生きのびている人がいるんだ、と癌に対しての見方を変えてくれた本だった。今回も某誌元編集長の経歴を生かし「いのちの手帖」なる小冊子を刊行された。癌をはじめその他の成人病なども含め病と向き合い健康に生きるための参考になる記事や手記が盛り沢山だ。各界の著名人の手記もありさすが元編集長の顔かなと思う。
さて、天仙友の会についてだが、今回私は始めて出席したが、会としては今回が3回目だそうだ。天仙液を飲んで癌と戦っている仲間が集まって治療に関する情報を交換する場である。また、患者が抱える悩みをみんなで聞いて勇気付けたり励ましたりすることも大きな意義があることだ。前回は天仙液開発の人、王先生が中国から来日し出席されたそうだ。
こうしてがん患者が集まって話を聞くと、つくづくいろいろな人がいるんだなと思う。男性は胃がんや腸癌、食道がんなどの人が多く、女性はやはり乳がんの人が多かったようだ。西洋医学に対して治療方法や主治医の対応に対する不安や不満が結構多い気がした。この会に集まっている人たちは西洋医学にのみに頼ることなくそれぞれで天仙液採用など色々な代替治療を実行されている人が多い。食事療法は多くの人が関心を持っているが、その実践度合い、何処まで徹底してやるかは人それぞれで、やはり本来肉の好きな人はなかなか肉を食べることを我慢できないようである。
癌になっても天仙液を飲みながら8年、9年と生きながらえている人達が結構な人数で居られることはとても勇気付けられた。
私もびわの葉温灸のことやラジウム温泉のことなど、興味をもたれた人には情報を提供した。
こうして癌になっていろんな人にめぐり合うたびに、何となく仲間意識が芽生えるから不思議だ。
初めての参加ではあったが、色々な人たちと話し合えてとても有意義な時間だった。
会長の久禮さんが明るい人柄で、日本語の堪能な中国人女性で事務局の黄 玉玲さんと共に、ともすればがん患者の集まりで暗くなりがちな会をとても和気藹々の楽しい会に盛り上げていたのが印象的だった。
(この会に参加していたおかげでWBC(世界野球)で日本がチャンピオンになった試合を見逃してしまった)


Troy社長来日

2006-03-15 17:54:23 | Weblog

3月14日(火曜日)
きょうも3月にしては寒い日でした。
アメリカの工場からTroy社長が年度末の会議で来日しました。
忙しい中、私に会いたいとの事、私も会っていろいろと話をしたかったので2つ返事で了解し、通訳として嵩元さんに同席してもらい相模原で食事をしました。
以前にアメリカの皆さんからは励ましのカードを郵送で頂いていましたが、今回もまたTroy さんがカードを持参してくれました。今回のカードは私の治療が順調だとの情報を元に書かれているので内容が前向きでポジティブです。入院時に届いたカードとは少し趣が異なりますが、みんなが私の帰りを待ち望んでいるのが伝わってきて、明るく読ませてもらいました。
Troy社長は性格が楽天的でとてもプラス思考です。私の病気に対しても気持ちを前向きにポジティブに考えるようにアドバイスをしてくれました。
組織異動の話や、トラブルの話、私が途中でほっぽり出してきた仕事の経過などを聞き、久しぶりに企業人に戻りました。
日本での仕事は大変ですし時差ぼけも回復しない中、こうして時間を割いて会ってくれて、とても楽しいひと時を過ごせたことに感謝です。
アメリカからのカードと一緒にとった写真を添付します。

  嵩元さんと

     


第3クルー開始

2006-03-14 10:48:27 | Weblog

3月13日<月曜日>
3月にしては寒い一日でした。
きょうは第3クルーの開始日で朝11時半に病院へ行きました。
血液検査の結果は異常なしで、このまま抗がん剤治療続行です。
血液検査まで約1時間待ち、検査の結果待ちに1時間、薬の出荷に1時間、点滴準備に何分か時間がかかり、点滴に1時間30分、主治医との面談と続き病院を出たのは午後の4時過ぎでした。
このまま抗がん剤だけで手術をしないで癌が消滅することは考えられませんか?の私の質問に主治医からは明確な答えは返ってきませんでした。でも否定はされなかったので「ひょっとしていけるかも」の期待はこのまま持ち続けます。
最近は食欲も普通人並になり食べる量も妻と同じか私のほうが多く食べるくらいになりました。
ただ、体重は8kg減から回復しません。でも日常生活は妻が私の病気を疑うまでに回復しています。
薬のせいか、癌の悪戯かは分かりませんが、日中でも睡魔が襲ってきます、身体が休めの信号を出しているので素直に遠赤外線マットの上で小1時間昼寝をします。こんな状態ではまだまだ社会復帰は出来ないなと気の早いことを考えています。治療が始まったばかりなのに幸せなことです。


竹馬の友

2006-03-10 10:08:52 | Weblog

3月9日(木曜日)
中学時代の友達が御殿場から見舞い方々遊びに来てくれた。
故郷で家が近所だったせいも有り、いたずら盛りの少年時代を共に過ごした竹馬の友だ。
高校から先の進む道はそれぞれ異なったがいまでも年賀状のやり取りをしている程度の付き合いだ。
ちょっと前までは彼が真鶴岬のケープパレスに居たので2,3年に一度くらいのペースでたまに会いに行ったりしていたが、最近はちょっとご無沙汰だった。
そんな彼がアメリカにいる私の生活を気遣う手紙をくれて、びっくりすると同時にアー友達はいいもんだなとちょっとセンチな気分になった。筆不精の彼にしてはきっと1週間くらい掛けて書いたのではないかと思われるほど丁寧に書かれた文字が便箋に並んでいた。
返事を出さなくてはと思っているうちに癌を宣告されて急遽日本へ帰ることになり、結局彼への連絡は日本へ癌治療で帰ってきた報告になってしまった。そんな彼から前の晩に電話があり「明日行くよ」と言ってきた。久しぶりに会えるのを楽しみにして「待ってるよ」と返事した。
御殿場から車で2時間掛けて彼は来た。昔から食の細い私を良く知っているので、同情してくれたりアドバイスをくれたり、今の互いの暮らしぶりを語り合ったり有意義な時間を過ごした。彼もそれなりの人生経験を積み、病気の人を沢山知っていて、病気に勝つには笑うことが一番、腹筋がピクピクするくらい笑うんだよ、笑うことで免疫力をつけるんだよと彼なりの考えを披露してくれた。(私があまり声を出して笑わないことを知っていてこう言う)
後で分かった事だが、私が入院中と思い病院まで2回も足を運んだらしい。私は退院した後で当然彼は私に会うことなく帰ったとの事、ちょっと来る前に電話してくれればいいものをと思ったが、わざわざ電話するのも逆に気を使わせるようで電話しなかったと言う、そこがまた彼らしいところだ。
とにかく顔を合わせて、私が思った以上に元気そうなので安心して帰って行った。彼が帰った後で妻がしみじみ「本当にいい人ね、あなたならわざわざ2回も病院へ行って会えなくて、さらにまた家まで会いに行く?」 「あなたなら行かないね」ときっぱり言われてしまった。私も自分が病気になって少しは人を気遣う心が芽生えては来たが、まだまだ修行が足りないと自他共に認めざるを得ない。人の好意を感謝する心はあっても人に善行を施すまでは到っていない。
何はともあれ、いい一日だった。


クリスマスローズ

2006-03-07 11:41:28 | Weblog
治療日記は一休み、心和む写真をどうぞ!
我が家の庭で妻が丹精こめて育てたクリスマスローズです。
純白の花びらをひそやかに下に向けて咲く清らかな美しさがこの花の
魅力だそうです
          



治療中間検査

2006-03-06 19:13:14 | Weblog

3月6日<月>
今日は抗がん剤の効き目を確認する中間検査結果を聞く日です。朝から結果が気がかりでした。自分の感じでは良くなってると感じていますが、検査の結果はどうかな? と入学試験結果を見に行く気分です。
3日<金曜日>のCT検査の結果と今日の午前中に行ったバリウム検査の結果を午後からの主治医との面会で聞く予定です。
予定の時間を15分ほど過ぎて名前が呼ばれました。診察室に入りレントゲン写真を机の前に貼り付けた主治医の横に座り「こんにちわ」と挨拶を交わします。なんだか随分お互いの気心が知れてきて親しさを感じてきました。
先生は今の状態、副作用など新たな変化が出ていないかの一通りの問診の後、私からの「効果は出ていますか」の質問ににっこり微笑んで答えました。
まずCTの写真を指差しながら「動脈の近くで大きく腫れていたリンパが縮小しています」  写真の指差されたところを覗き込み抗がん剤投与前の写真と見比べます。確かに直径が半分くらいになっています。
次にバリウムを飲んで撮影した写真を見ます。胃の出口(幽門)近くが人差し指くらいに萎縮して小さくなっていましたが、この部分も写真で見て倍くらいの太さに戻っています。抗がん剤は確実に効いています。 「このように副作用が無くとも癌を縮小する効果があることも有るんですよ」と主治医も自分の事のように喜んでくれました。
アメリカから帰ってきた当初は少しでも早く手術をと思っていたのが色々と情報を集めるうちに手術だけが治療でないことも分かり、主治医の勧めもあってこうして抗がん剤治療から初めて本当に良かったと今は思っています。一旦癌に侵された胃がこうして回復するなんて信じられません。人には自然治癒力があるんだということは自然食品を勧める先生などから聞いたり、最近は本などでも沢山記載されています。でも治療前の胃の不快感、みぞおちから突き上げてくる感じはすぐにでも手術して取り除かないとこのままでは決して元に戻ることは無いのではと当初は思っていました。でも現実には不快感も消え、胃が萎縮して小さくなっていたところが元に戻ろうとしているのです。人間の回復力はすごいものです。そして癌は特別な病気ではないと実感します。こうして回復しているのは抗がん剤だけではなく、漢方薬の天仙液、代替治療のびわの葉温灸や遠赤外線マット、食事療法、などが相乗効果として効いているのでしょう。そしてこうして効果が出ていることにたいして神や周りの人に感謝する気持ちも素直に出てきます。
このまま手術することなく抗がん剤の治療だけで癌が消滅するなんてことが起きれば珍しい治療例として1ページを残すことになるかもしれないと勝手に想像しています。
とはいえ13日から第3順の抗がん剤投与が始まります。兄の経験や友達の話では3順目、4順目が苦しいといいます。気持ちを引き締めて、医者を信じ、自分を信じて全てを神にゆだねてさらに治療に努力しようと思います。