59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

第7クルー開始

2006-06-26 20:19:15 | Weblog

6月26日(月曜日)
今日から第7クルーの開始だ。
前回の診察で胃の周りのリンパを初め、いくつかのリンパ節に当初小さくなっていた状態から幾分又腫れてきている兆候が見受けられるため、正確に写真を測定し判断するとのことであったので、どうなるか心配しながら病院のドアをくぐった。
結論はもう2クルー今と同じ薬で様子を見ることとしたそうだ。
血液検査を終えて早速いつものようにタキソテールの点滴を受けた。午後から主治医との面談があり、薬を変えないことに関しての説明が有った。
精密に測定し、その結果をメンバーで吟味した、確かに多少リンパの腫れが元に戻りつつある傾向ではあるが一概に薬が効いていないともいえない、しばらく様子を見たほうが良い、との結論だったそうだ。
私ももう1,2回同じ薬で様子を見たいと思っていたのでこの結論はすんなり受け入れた。薬を変えて効き目も無く副作用もひどくなるなんてなったら最悪だ。

私からも背中わき腹の痛みや食欲の低下、身体のだるさなど訴え、他の臓器への転移は無いか再度確認した。CTおよび血液検査からは転移は見られない。肝機能は正常との事、まずは一安心ではあるがCTと血液検査だけでは安心できないので北里でPETの検査が出来ないか聞いてみた。北里ではやっていないが紹介することは出来る。但し保険は効かないので10万円くらい検査費用がかかるとの事。主治医はまずは骨の検査をしましょうと言って、7月3日に検査の予約をした。腰の痛さは骨のせいではないと思うが万が一骨に癌が転移していることも考えられるので受けることにした。

代替治療として妻の友達から紹介されて、資料を机の端にほうっておいた「フコイダン」なる健康食品と言うかドリンク剤なので薬と言えば薬だがそれを注文して飲んでみることにした。

日曜日に妻が友達と出かけた際、友達の一人が車に酔ってしまい途中の農家の出店で酔い止めの漢方薬をもらったそうだ。この煎じ薬がとてもよく効いたそうで、車酔いや二日酔いに効く薬なら私にも効くだろうと買ってきてくれた。木の皮を乾燥させたもので「木肌」と言うそうだ。何の木の木肌か?木肌と言う木が有るのか分からない。
早速私も飲んでみた、確かに効く! 胃のつかえが少し楽になり、わき腹や背中の痛みが和らいだ。しばらく続けて飲んでみようと思う。
とにかく何とかしてこのスランプを脱出しなければいけない。

明日から4日間増富温泉だ。今回は列車「あずさ号」での一人旅、宿も普通の一人部屋は予約が一杯で取れないので自炊棟にした。自炊はしない(出来ない)で食事は宿にお願いした。どんな部屋かお楽しみ。


腰痛

2006-06-25 13:54:13 | Weblog

6月25日(日曜日)
気分と同じようにさえない天気だ。
1週間前くらいから背中から腰にかけて少し痛みがあったが、最近ひどくなってきた。
以前から腰や膝の故障はたびたび有ったが、今回は特に運動したわけでもなく、何となく今までの痛さと違う。2,3日前からわき腹のほうに鈍痛が時々あり、どうも内臓からの痛みのような気がする。
食欲も最近はなくなってきた。
昨日は天気も良かったので妻が気晴らしに少し出かけようと誘ってくれたので桧原村にアジサイを見に出かけた。アジサイは少し早かったが、森の中で綺麗な空気を吸って”気”をもらってきた。
山道を少し歩いた。たいした登りでもないのに少しかったるさを感じる。体力が随分落ちたと実感する。
リンパの腫れが少し盛り返している事を聞いた時は妻の方ががっかりしていたが、今は私のほうが色々と考え込むようになり、逆に妻のほうがこうして外に誘ってくれたり、うちの中でも明るく振舞うように気遣ってくれる。

月曜日は病院だ。先日の検査結果を詳しく説明してもらう予定だが、私のほうからも背中の痛さや食欲の衰え、身体のだるさなどを話し、他の臓器への転移などの可能性をもう一度確認しようと思う。癌の細かな組織まで発見できるPETという検査方法があるが、これを北里大学病院でやってもらえるかどうかも聞いてみよう。

治療は一進一退ではあるがとにかく前を向いて行こうと思う。
27日からは増富温泉不老閣さんに行く予定だし、7月の末には秋田県の玉川温泉に行く予定だ。ここは放射能を帯びた岩盤浴が身体によいと評判の温泉だ。
妻の友達からモズクやわかめから取れるフコイダンという健康食品が癌によく効くらしいと紹介されたので、これも試してみようと思う。今までは資料をもらったがそのまま机の横に置きっぱなしだった。体験記を読むと随分と効果があるみたいだ。
妻は早く自己リンパ球改造療法の免疫治療を受けることを薦めるが、保険対象外の治療でもあるし、今受けている治療、先生との関係も考慮する必要が有るし、これによって100%良くなる保証はないし、今しばらく他の出来ることをやるつもりだ。
妻の気持ちはとてもありがたく、嬉しい。


旧友

2006-06-20 05:16:00 | Weblog
6月17日(土曜日)
近所に住む学生時代の友達T君の家にハワイのお土産を届けに行ってきた。
最近家を建て替えたとのことで拝見方々、奥様にもお目にかかりたくて夫婦で出かけた。
やっぱり新しいお家は良い。畳と女房は新しいに限ると言うが家でも車でも何でも新しいほうがいいかも・・・
人間だけは古くても良い。年月を重ね、経験を積んだ人が良いといわれたいもんだが・・・

花の話やアメリカでの話し、焼き物市や漆器市の話と話題は尽きず楽しいひと時を過ごした。
やっぱり話題は老後の話にも及び、T君は早くリタイアして庭いじりでもやりたい様子だが奥さんは年金も少ないことだしもう少し働いて欲しいようだった。
我が家でも妻は私が早く良くなって仕事に出かけることを期待している。私に目標を持たせて早く癌を克服して欲しいとの気持ちからだと思うが・・・

旧友と言えば6月5日に私が始めて上京して勤務した会社M電機に同期で入社した女性からメールが来た。
私のブログをM電機で一緒に仕事をしていたFさんから紹介されて読ませてもらったとの事。ほんとに37年ぶりの連絡でびっくりするとともにとても嬉しかったした。これも癌になったおかげだ。
懐かしくメールを読んでいるうちに当時の彼女の顔や職場を思い出した。こうして連絡をもらうと本当に嬉しい。出来れば今度はFさんを交えて会いたいものだ。
メールから彼女の今の生活を垣間見ると我が家と同じで子供は巣立ち夫婦2人と犬がいる生活らしい。歳を取ってくると夫婦でお互いを助けあって生きていくしかないと思うが、なかなか現実にはちょっとしたことで口げんかをしたり、心で思うとおりに素直には行動できない・・云々書いてあったがまったくその通りだ。
私も妻への感謝の気持ちはとても強いが妻から見るとちっともそんなには見えないそうだ。私の口から出る言葉からはとても感謝しているようには見えないと言う。気持ちは行動で示さないと相手に伝わらないよといつも言われる。

アメリカで見た熟年夫婦はみな仲良く見えたが、秘訣を聞いてみたい気もする。

検査結果6.19

2006-06-19 17:09:03 | Weblog

6月19日(月曜日)
今日は真夏日だそうだ、日中は暑かった。
第6クルーが終わりレントゲンとCTの検査も一通り出たので、今日は主治医との面談の日だ。
主治医から「奥様にもたまには経過を報告したいので同席するように」と言われたので一緒に行った。
「レントゲン写真で見る胃の形は3月の時点で良くなっていた状態から変わりなく、悪くなっている様子は無いが、胃の周りのリンパの腫れが一時小さくなっていたのが今回は少し又大きくなっているように見える」とのこと。
「ただし、目検討では正確なところはわからないので、きちんと写真を分析して抗がん剤の効果を確認したい、その結果は来週まで待って欲しい」
「もし今使っている薬で効果が出なくなったのであれば(いわゆる癌に薬に対する耐性ができた)薬を変えてみる。来週26日から第7回目の抗がん剤投与開始の予定であるが、今までと同じ薬を使うか、変えるかはその時点でお話しする。」
「抗がん剤を変えるようであれば、また入院の手続きをしてもらいます」

主治医の話はざっとこんな内容であった。
これを聞いた妻は相当ショックだった様だ。見かけが良くなっているように見えるので、まさかこんな報告を聞くとは想像していなかったのであろう。
私はそんなに驚かなかった。今までが順調すぎたと思っていたし、このまま順調に進むはずも無いと心の半分では常に思っていた。つい先日も最近は治療に対する心構えが何となくマンネリ化して気持ちが抜けてきていると自戒したばかりだ。
妻は早速食養生のやり方が最近少しずつ平常食に近づいたせいかな?
魚などの動物性たんぱく質の取りすぎかな? パンを食べるせいかな? りんごと大根おろしのすり汁を最近飲まないからかな? と自分の範疇で何か変わったことを行ったせいではないかと心配してくれる。私は多分そんなことが原因ではないと思う。
ハワイに行ったり、アメリカから送り戻った荷物の整理や、退職後の年金手続きや雇用保険の支給資格調査や何やかやで、肉体的精神的な疲れがあったせいか?
はたまたアメリカの友人から送られた免疫強化薬を飲む関係で一時的に天仙液を飲んでいないせいか?
考えればきりが無い。
でもやっぱり一番は抗がん剤の耐性かも知れない。以前に同じ薬を投与し続けると癌にその薬に対する抗体のようなものが出来て薬が聞かなくなることがあると本で読んだことがある。
いずれにしても事実は事実として受け止めて、医者を信じ、自分を信じてこれからも治療を続けるしかない。
今度の抗がん剤は副作用が強く出るかもしれない、何が起きるかは神のみぞ知る。


法要

2006-06-19 16:45:01 | Weblog

6月18日(日曜日)
千葉県市川市の妻の親戚で1周期の法要があり妻と一緒に出かけた。
妻のいとこに当たるS兄さんの納骨の儀である。S兄さんは昨年6月17日に肺がんでお亡くなりになった。72歳だった。お亡くなりになった時には私はアメリカ勤務中で葬儀にも出席できなかった。
癌と分かってからお亡くなりになるまでの時間がとても短く、あっと言う間だったような気がする。
私が胃がんと分かったときに、真っ先にこのS兄さんのことが頭をよぎった。
ひょっとして私もあと1年くらいの命かもしれない・・・と。
私がアメリカに向けて発つ前にお見舞いに行ったが、その時は今の私と同じで、とても病人には見えなかった。それから半年足らずでお亡くなりになるなんて、やっぱり早すぎた。
抗がん剤治療をされていたが、副作用がひどくて、癌に対しての効果があまり無く、最悪の状態だったようだ。
同じ肺がんでも私の兄のように放射線治療と外科手術で術後5年の今も元気に生活できる人もいる。
やっぱり人には寿命があり、運命として決まっているとしか思えない。

亡くなる前には苦しかったのかな? 今までの生活を思い出すのかな? 家族に対してはどんな思いだったのかな?
同じ癌を患っている身として、法要に出席していてちょっと複雑な気持ちだった。


人の輪

2006-06-19 13:00:18 | Weblog

6月16日(金曜日)
人のつながりというか、出会いとは不思議なものだ。
私がアメリカで仕事をしていた時に通訳をしてくれた人のお姉さんがなんとエッセイスト&アナウンサとの事。ホームページで悩み相談なんかも受けている。
ホームページではエッセイ有り、ボイスレター有り、人生相談有り、本の紹介有りでとても充実したホームページだ。さすがにアナウンサー、物書きのプロと感心する。
悩み相談やエッセイの内容はどちらかと言うと若い女性向けと見受けられるが、自分の体験や考え方を素直に表現してあるので、今の私にとって方向は若干ずれるが人としての生き様を考えるにはとても参考になる。筆者のバックボーンに何かしっかりとした芯が一本通っているように感じられる。座禅や気の話が出てくるのでひょっとして宗教を勉強されたのかもしれない。今は拾い読みの段階だが少しずつ読み進んで行こうと思う。
前置きはこのくらいにして、このようなホームページを通じて、また一人知人が増えたような気がする。と言っても、相手は私のことは知らないから知人とはいえないか・・・
考えるに、私がアメリカに行ったことで通訳のRさんと知り合いになれたし、癌になってブログを始め、それを紹介したことでRさんのお姉さんの存在を知ることが出来た。
人のつながりや縁はどこでどう発展するか分からない。
これも運命の一つかも。

ホームページURLは http://www.iii.ne.jp/usami/   です。
興味あるひとは覗いてみてください。美人のお姉さんです。(妹のRさんも写真が無くて残念ですが、負けず劣らずの美人才女です)


CT検査

2006-06-16 20:37:42 | Weblog
6月15日〈木曜日〉
今日は午後からCT検査に行った。
もう何度も受けているので受付窓口での手続きも慣れたものだ。

レントゲン写真の時にも感じたが、検査を受ける心構えが少し変化してきている。
最初の頃は検査で飲むバリウムや投影剤の注射がそんなに嫌ではなかった、というか嫌なんだけど死ぬことを思えばこんなのいくらでも我慢できる。そんな気持ちで検査に臨んでいた。
最近はだんだんバリウムを飲む事が嫌に思えてきたし、注射も何となくうっとおしく感じだした。
自分の身体が大変な状況にあることに変わりは無いのに、ちょっと経過がいいからといってこの気持ちの変わりようは何だろう?
人間の心って本当に弱いもんだなとつくづく思う。
初心に帰って真剣に治療に取り組まなければいけないと自分に言い聞かせる。
信仰にしても、気功の呼吸法を取り入れたエクササイズにしても、食事にしても最近は少し手抜きになっているみたいだ。

検査の結果は19日の主治医との面談で聞かされる予定だ。
少しでも良くなってくれていればと良いが、と祈る。

第6クルー終了

2006-06-13 11:36:27 | Weblog

6月12日(月曜日)
抗がん剤投与の第6クルーも終わり、今日は血液検査、レントゲン撮影と診察だ。
ハワイに行って多少生活のリズムや、食べ物が変わったのでちょっと心配だったが、検査の結果は特に異常は無かった。
血液検査の結果も白血球などは減少してはいるがいずれも許容値内にとどまっている。
15日のCT検査の結果と合わせて19日に面談の予定だ。この日は妻も同席するように主治医から頼まれている。今後の治療の進め方がちょっと気になる。
手術を勧められたらどうしよう。
しばらくはこのまま化学療法で様子を見たいと言おうか?
この前の「天仙友の会」でも話が出たが、余命半年と言われた人が手術をしないで8年、9年と生きている人がいる事実や、本来人間の身体にある臓器はそれなりに必要性があるはずでそれを取り除いて何も影響が無いわけがない等を考えると安易に手術に踏み切れない。
かといって抗がん剤だけで癌が消滅するかどうかは分からない。悩みどころだ。


天仙友の会6.10

2006-06-11 12:26:24 | Weblog
6月10日(土曜日)
梅雨入りしたとたん、梅雨の合間の晴れ間で気温も上がりとてもすがすがしい天気だ。
有楽町の東京国際フォーラムで開催される「天仙友の会」に出かけた。
これは私が飲んでいる漢方薬の「天仙液」を使っている患者さんたちが集まって、情報交換をする場である。3ヶ月に1度くらいのペースで開かれている。私は今回が2度目である。
半数以上ははじめて参加する人たちであった。今回は女優の宮崎真澄さんがゲスト参加された。私は知らなかったが帰って妻に聞いたら知っていた。アメリカで10年くらい生活していたそうだ。お姉さんが胃がんを患い、本人は乳がんの手術をされたそうで、今は再発防止に天仙液を服用しているとの事。インドに興味がありよく行かれるそうで、そのせいか瞑想にも興味を持ち毎晩寝る前には瞑想や呼吸法の鍛錬をして寝るそうだ。心と身体を落ち着かせてリフレッシュさせる効果がありそうだ。
前回も思ったが、がん患者の皆さんはそれぞれに自分なりの治療法というか対処法を模索しながら何とか生き延びたいと真剣に考えているのが話を聞いているとよく伝わってくる。代替療法、免疫療法、食養生、温泉療法など色々と体験されている。
いろんな人と話して、経験を聞くとやはり前向きに自分を信じて明るく生活することが一番治療効果があると感じる。
前回出席されていた胃がんの若いご夫婦が今回は欠席だったが、奥さんが暗くてとても悩んでおられたのでどうしておられるか気がかりだ。

とにかく私はこうして出来るだけ外に出かけて、こういった会合にも出席し、周りの人との繋がりを大事にしながら生活することが身体にも良いと信じている。肉体的には確かに疲れは残るが、ジーっと家に引きこもっていては肉体も衰えるし精神も萎えてくるのが心配だ。余命半年あるいは一年と言われた人が8年、9年と元気に生きておられるのを目の当たりにすると「よーし俺も・・・」と言う気になる。

霊波の光参拝6.8

2006-06-11 11:46:33 | Weblog
6月8日(木曜日)
いつもは土曜日か日曜日に妻と2人で車で参拝するが、今日は私1人なので電車で行くことにした。
6月8日は「御聖旅祭」といって御守護神様が神仏の有無を求めて御聖行「神への道」へ旅立たれたのを記念する日で、霊波の光にとっては特別の日だ。
全国から信者が集まり大変な人出であった。季節柄沢山のサツキの盆栽も飾られとても綺麗だった。
全国から集まった多くの信者さんたちはそれぞれに本人の病気や家族の病気、問題で困っている人たちだと思うが、こんなにも沢山の人達がそれぞれの悩みを抱えて生きているのだな、病気の苦しみ、悩みは自分ひとりではないことを実感する。

この日は特別に「先祖浄霊御祈願」が受けられる。私も受けてきた。
成仏できない霊が存在するのかどうかは半信半疑では有るが、もし成仏しない霊が居るのであれば何とか成仏して欲しいという気持ちになるから不思議だ。
また、この日は普段は行けない霊波門にも行くことが出来るので、その門を通ってきた。
ここを通ると身体に良いらしい。

今日は電車で来たのと人が多いのと結構あちこちと歩き回ったので疲れた。
それでも、こうして病気の身でありながら出かけられることに感謝しなければいけないと思う。