59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

ありがとうございました。

2006-12-07 19:53:35 | Weblog


平成18年 12月7日 午後2時41分
北里大学病院にて胃癌の為、永眠致しました。



痛みと戦い続けながらも
朦朧とした意識の中、本当に良く頑張りました。
治療を開始したのが去年の12月8日
几帳面な父らしく、きっちり1年の闘病生活でした。

先生のお話ではリンパから大動脈まで転移していた状態では
通常3ヶ月程の余命しかないとのことでしたが
それが1年、こつこつと努力派の父と
母の懸命のサポートにて辛くもありましたが
感謝の気持ちに満ち溢れ、充実した1年となったと思います。

また、今まで父を見守り、励まして下さった方々のお気持ちが
どれだけ父の励みになったことか知れません。
皆様のご好意とご協力に厚く御礼申し上げます。

本当に有難うございました。


容態

2006-12-05 11:54:49 | Weblog

昨晩先生よりお話があり
「今週いっぱいがやまでしょう」とのことでした。

麻酔薬を使用しはじめるので
起きて意識のはっきりする時間が今以上に少なくなるとは思いますが
父より、なにか言い残す言葉があった際にはご報告させて頂きます。

取り急ぎ現状報告まで。


経過報告 12.1

2006-12-02 00:29:10 | Weblog


ここ数週間は変化の多い日々でしたが
まとめて書きたいと思います。

その後も痛み止めとその副作用のバランスは
なかなか取れないままの入院生活で
父も精神的にかなり辛い日々が続いていました。
自分の体を自分でコントロールできないもどかしさや
長い入院生活で記憶があいまいになったり
言いたいことがなかなか思い出せなかったり
出口のない治療期間に、涙を流す日も多くありました。

1週間前から体全体に黄疸が出てきて
前よりあった腹部のしこりというか、腫れが徐々に大きくなってきていました。
先生の診断によると腹水が溜まっているとのこと。
胃から腸にかけておなか全体が大きく腫れており
膵臓に近い胆肝が圧迫されて破裂する恐れがあるとのことで
急遽11月30日に腹水を少し抜く応急処置をしました。
同時に、肝機能が落ちている為、破裂する恐れのある
胆のうの胆汁も抜く処置をしてもらいました。
これは胆管にも癌があり、管を塞いでいる上に
腹水による胆のうへの圧迫も併発している為だそうです。

処置自体は針を患部に入れて中の液を抜くという簡単なものですが
精神的に不安定になっている父は、とてもナーバスになっていたそうです。
同時に痛み止めで使用しているモルヒネの量が多いのか
普段は冷静な父が怒ったり、同じ事を何回も言い続けたり
どうしても母を呼んで欲しいと電話を掛けさせたりと
腹水などの応急処置への不安からか、父らしくない言動が多くなってきました。

腹水と胆汁を抜く処置は無事に済みましたが
尿も便も出なくなってきており、家族も不安な日々が続いています。
今日は不安で夜眠れない父の傍に
母が泊り込みで病院に行っています。
ここ数日夜になると不安になって、ちゃんと眠れていないそうです。
今日も「もう帰るからね」と言うと「一緒に帰るんだろう」と言っていたので
父はとにかく家に帰りたいのだと思います。

現段階では自宅で治療を続けるのは難しいため
ピースハウスと言う緩和ケア専門ホスピスへ
入院させてはどうかと先生からも勧められました。
以前より緩和ケアの話は父ともしており
いくつか近くのホスピスも何件か調べてはいましたが
基本的に緩和ケアは「積極的がん治療をしない」ことを
前提に、いかに痛みを取って安らかな最期を迎えるか
という場所であるため、告知をしておらず、未だ治療をあきらめていない
父が入院することは以前の段階では難しいといわれていました。

現段階での父の意思ははっきりしないのが現状ですが
治療をする場である病院で、今の父の不安を取り除くことはできないですし
緩和ケアホスピスならば精神科の先生もおり、
患者さんを一人にしないように多くのスタッフが尽してくれます。
今回選んだピースハウスは、緩和ケアの第一人者とも言われる
院長先生が小田原近くにある足柄で元ゴルフ場を改造して
作ったホスピスということで、環境もよく、富士山も見える
素晴らしい場所だと聞いています。

今は毎日病院に行っている私たちも
ピースハウスでは少し遠いので、泊まり込みになると思いますが
そういった家族への対応もしっかりしているとのことで
来週の水曜日に父のカルテを持って病院へ面談に行ってくる予定です。
なかなかベッドの空きがないとのことで
もしかしたら入院は難しいかもしれませんが
良い返事がもらえる様に、お話してみようと思っています。

それから、自宅へ居る時間も日によってばらばらですので
電話がつながらない場合は satmiho@gmail.com
までご連絡頂ければと思います。
宜しくお願い致します。


入院中 11.08

2006-11-09 10:23:07 | Weblog

父の病状経過報告

腰の痛みに対処する為に勧められたコルセットができあがりました。
文字通りコルセットで前にはマジックテープで取り外し部分があり
後は紐で微調整ができるようになっています。
長時間車椅子などで移動する場合(検査の時など)に
使用してくださいとのことでした。

付けてみた感想は「安定感がある」そうで、
少しでも体への負担がこれで少なくなればと思っています。

先日主治医の田辺先生より栄養剤をより簡単に注入できる
カテーテルを体内に埋め込む方法を提案されました。
これは在宅中心静脈栄養と呼ばれているもので
口から食べるだけでは十分な栄養が摂れない人のために
カテーテルと呼ばれるチューブを血管内に留置し
直接静脈へ栄養剤を入れるものだそうです。
目的としては自宅で患者や家族がより安心できる状態で
退院や外泊をできるようにと多くの方が利用されているようです。

金曜日の午後にはカテーテルを埋め込む手術(1時間ほど)を
行う予定ですが、簡単なものなのでまったく心配いらないとの
田辺先生のお話でした。

今では4種類の点滴を投与している為
トイレに行くにも着替えるのも自由とは言えません。
このカテーテルを付けることで、病人意識が少しでも薄れて
普通の生活に近づくことにより
父の気持ち的にも余裕が出てくれればと期待しています。


入院中 11.02

2006-11-02 22:31:02 | Weblog

   

父の病状径過報告

父が入院して1週間と2日が経ちました。
骨の痛みに加えて、胃の痛みもなかなか消えず
痛み止めとその副作用(吐き気)を抑える薬の良いバランスを
見つけるのに少し時間が掛かっているようです。

日々痛みの状態も変化してゆく中
痛みと吐き気両方を抑える状態に薬を調合(厳密には点滴での投与ですが)
するのは患者さんひとり一人体質が違うため、難しいのでしょう。

しかし父は「今まででこんなに辛い入院はない」と洩らしています。
腰骨の頚椎が体の重みで圧迫骨折のような症状になっており
かなり痛みが強いので腰を保護するコルセットを使用することになりました。
専門の業者さんが病室にサイズを測りに来たので
出来上がり次第、寝ている時以外はコルセットを着用する予定です。

母も私も孫娘も毎日病院へ行っておりますが
元気のある日、だるくて疲れ気味の日、毎日違います。
本人にとっては家族と離れての入院生活、
病院での生活にもまだ慣れない中
気を使うことや不安や寂しさなどもあると思いますが
とてもがんばっていると思います。

先日アメリカでお世話になったRさんから
励ましのお手紙を頂きました。
戌年の父へとかわいらしいスヌーピーのカード、
家族で嬉しく拝見しました。父の病室にも飾らせて頂いています。
ありがとうございました!

 

 


入院 10.24

2006-10-25 22:03:40 | Weblog

入院中の父に代わり、娘より日記更新をさせて頂きます。

10月24日より、骨の痛みが酷い為、父は入院することとなりました。
入院前は痛みで夜寝られないほどで
痛み止めの副作用によるものと思われる嘔吐も酷く
ほとんどご飯の食べられない日が続いていました。

24日に北里大学病院での診察予約があったのですが
痛みも酷いので急遽23日に変更してもらい、診察、栄養剤も打ってもらいました。
そのまま入院できればよかったのですが
病院のベッドの空きが無かったため、翌日の入院となりました。

痛み止めと吐き気止めの薬を今までは錠剤で摂取していたのですが
入院してからは点滴での投与になったので
今までの様にさっき飲んだ薬をすぐに戻してしまうこともなく、安心です。
現在は夜ぐっすり眠れるように睡眠剤も出してもらっています。
痛み止めも少し増やし、吐き気止めも
その都度看護婦さんに相談しながら出してもらっており
これで少しでも父の体の痛みが和らいでくれることを祈るばかりです。


本人はあまり元気の無い状態ですが
吐き気と痛みが少し収まればまたブログの更新や
メールのお返事等できるようになるかもしれませんので
引き続き応援頂ければと思います。

皆様の温かい励ましの言葉やお心使い
いつも父の励みとなっていると思います。
この場を借りて、お礼申し上げます。


体調

2006-10-19 10:49:10 | Weblog
10月19日(木曜日)
10月10日に退院して以来、体調があまり優れない。
近所の気功には通っているが結構辛い。
抗がん剤のせいか、痛み止めのせいかはっきりしないが、吐き気がひどく食べ物が思うように食べられない。
ご飯、味噌、醤油といった類は一切うけつけない。
パン、うどん類は何とか食べられる。
昨日は娘がちゃんぽんを作ってくれた。
これは何とか食べられた。
気功の先生にも食事が取れないと体力がどんどん落ちてきて治療もママならないと言われる。
ためしに昨日から痛み止めの薬を飲むのを中断した。少しは食欲が回復するかも知れないと淡い期待を抱いていたが今のところあまり効果が無い。痛み止めを中断するとそれなりに痛さが身にしみる。
しかし、痛み止めなどは体には良くない。免疫力を落としてしまう。出来るだけ我慢してみようと思う。

昨日妻の実家から鮎を送ってきた。天然物の大きな鮎で、元気な時には3,4本はぺろりと食べたものだが、味覚がへんになっているいまは、一匹が食べられない。つくづく健康体のありがたさを実感する。
こうして毎年鮎やお餅など時々の田舎の食べ物を送ってもらえて本当にありがたい。

腰痛

2006-10-06 09:24:38 | Weblog
10月6日(金曜日)
このところ冷たい雨が降り続いているせいか背中から腰にかけて痛い。
骨転移のせいだけではなく、持病の腰痛も出ているようだ。
娘が帰ってきているので背中や腰をもんでくれるので助かる。
痛み止めは飲んでいるが余り効かない。便秘と食欲不振の副作用は相変わらずだ。

退院しても体力が回復しないので新宿まで気功を受けに行く事ができない。
妻が近くの気功師を見つけてきてくれた。今日行ってみるつもりだ。

コスモス

2006-10-01 13:49:22 | Weblog
                              
     
9月30日(土曜日)

近所の里山でコスモスが綺麗に咲いているとのことで見に行った。
何面もの畑にコスモスが一面に咲いていた。
300円ほどで切花にして持って帰ることもできる。
この近くには桜の花の時期に咲く、片くりの花の自然群生地もある。 
四季折々の自然に接する事ができるいいところだ。
最近(骨転移してから)愛犬の散歩にも行けないので、少し運動不足だ。
こうしてたまに出かける事は、ちょっと疲れるけど体力を維持するには必要な事だと思い、誘われればできるだけ出かけるように心がけている。

娘や孫と一緒にこうして出かけられる事は本当に幸せだと思う。      

化学療法

2006-09-29 14:14:22 | Weblog
9月29日(金曜日)

抗癌剤を変更してから3回目の投与予定日で、朝から病院へ出かけていった。
いつものように血液検査をして、ベッドに横になり、抗癌剤の投与を待っていると、
主治医が入ってきて、
「白血球の数値が下がっていて今日は抗癌剤投与ができない、延期しましょう」
とのこと。
今まで副作用で白血球が下がる事は余り無かったので予想外だった。
白血球の数は看護師に聞くと1900とのこと、私の場合今までは正常で8000くらい、下がっても4000から3000くらいだった。身体の状態により副作用の出方も変わるものだ。
いずれにしても今日は抗癌剤の投与はできないので妻に電話して迎えに来てもらうことにした。
次回の投与予定日は一週間強間を空けて10月10日(火曜日)という事になった。
この間に白血球も回復するだろう。