59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

竹馬の友

2006-03-10 10:08:52 | Weblog

3月9日(木曜日)
中学時代の友達が御殿場から見舞い方々遊びに来てくれた。
故郷で家が近所だったせいも有り、いたずら盛りの少年時代を共に過ごした竹馬の友だ。
高校から先の進む道はそれぞれ異なったがいまでも年賀状のやり取りをしている程度の付き合いだ。
ちょっと前までは彼が真鶴岬のケープパレスに居たので2,3年に一度くらいのペースでたまに会いに行ったりしていたが、最近はちょっとご無沙汰だった。
そんな彼がアメリカにいる私の生活を気遣う手紙をくれて、びっくりすると同時にアー友達はいいもんだなとちょっとセンチな気分になった。筆不精の彼にしてはきっと1週間くらい掛けて書いたのではないかと思われるほど丁寧に書かれた文字が便箋に並んでいた。
返事を出さなくてはと思っているうちに癌を宣告されて急遽日本へ帰ることになり、結局彼への連絡は日本へ癌治療で帰ってきた報告になってしまった。そんな彼から前の晩に電話があり「明日行くよ」と言ってきた。久しぶりに会えるのを楽しみにして「待ってるよ」と返事した。
御殿場から車で2時間掛けて彼は来た。昔から食の細い私を良く知っているので、同情してくれたりアドバイスをくれたり、今の互いの暮らしぶりを語り合ったり有意義な時間を過ごした。彼もそれなりの人生経験を積み、病気の人を沢山知っていて、病気に勝つには笑うことが一番、腹筋がピクピクするくらい笑うんだよ、笑うことで免疫力をつけるんだよと彼なりの考えを披露してくれた。(私があまり声を出して笑わないことを知っていてこう言う)
後で分かった事だが、私が入院中と思い病院まで2回も足を運んだらしい。私は退院した後で当然彼は私に会うことなく帰ったとの事、ちょっと来る前に電話してくれればいいものをと思ったが、わざわざ電話するのも逆に気を使わせるようで電話しなかったと言う、そこがまた彼らしいところだ。
とにかく顔を合わせて、私が思った以上に元気そうなので安心して帰って行った。彼が帰った後で妻がしみじみ「本当にいい人ね、あなたならわざわざ2回も病院へ行って会えなくて、さらにまた家まで会いに行く?」 「あなたなら行かないね」ときっぱり言われてしまった。私も自分が病気になって少しは人を気遣う心が芽生えては来たが、まだまだ修行が足りないと自他共に認めざるを得ない。人の好意を感謝する心はあっても人に善行を施すまでは到っていない。
何はともあれ、いい一日だった。


最新の画像もっと見る