「日本犬」をいう言葉を調べてみると次のように書かれていた。
日本に土着した犬で、耳が立ち、鼻がとがって長く、尾は巻き上がるか、巻かずに
瀬の方に傾斜するという特徴がある。日本犬保存協会が現在認めている日本犬は、
秋田犬・北海道犬・紀州犬・四国犬・甲斐犬・柴犬の6種である。
また、広義の「日本犬」には、外来の犬種を元にしたり交配したりして作られた日本
原産の犬種も含まれる。狆、土佐闘犬、日本テリア、日本スピッツの4犬種がこれに
当たる。
これとは別に、特定の地域のみに以前から生息する犬を「地犬(じいぬ)」と言うが、
かつては各地に数多くの地犬が存在した。
川上犬、薩摩犬、十石犬、肥後狼犬、肥後狼犬、岩手犬、仙台犬、屋久島犬などが
あげられるが、純血種の個体の存在が確認されているものの、その数がきわめて
少ないため保存が難しいのが現状である。
一方、すでに絶滅してしまった地犬も数多く存在する。
厚真犬、津軽犬、青森犬、高安犬、会津犬、相馬犬、越後柴、秩父犬、赤城犬、加州犬、
前田犬、保科犬、戸隠犬、梓山犬、三河柴、阿波犬、壱岐犬、椎葉犬、山仮屋犬、綾地犬、
動物作家とも呼ばれる戸川幸夫は、「高安犬物語」のなかで、すでに絶滅した高安犬につい
てこのように書き記している。
(高安犬は)中型の日本犬といっても、紀州犬や北海道犬のようにスマートな、女性的なのと
は異なって、犬張子を思わせるガッチリとした体つきの、戦闘的な狩猟犬(マタギ犬)だった。
熊を追って幾日も幾日も雪山を彷徨できる強い忍耐力と、相手が斃れるまで喰い下がる激し
い闘魂、、鼻を捥ぎとるような寒風の中から熊の体臭を嗅ぎわける鋭い感覚ーこういった類
のない特徴をもった猟犬だった。
そして高安犬が絶滅してしまった経緯についてはこのように書いている。
だがその優秀な血も怒涛のように押し寄せてくる垂れ耳犬の血でしだいに崩されてゆき、
昭和の初めごろにはもう高安犬の発祥地である高安付近では、耳は立ち尾は巻いてい
ても、どことなくバタ臭い犬で充満し、古武士のような重みのある高安犬の姿は見られなく
なっていた。
「バタ臭い犬」の代表であるドーベルマンの飼い主として、複雑な気持ちではあるが、
日本古来の犬種が途絶えてしまったことはとても哀しいことである。私も、小学生の頃
犬の図鑑を見ながら、秋田犬が欲しいと思っていたことを思い出す。
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