驚くべきことに犬の行動は、犬種ごとの傾向というよりも、体高と体重、そして頭蓋の形
といった形態的なものに関連付けられているという。これは80犬種、8000頭の犬を対象
として調べた結果分かったことだそうだ。その要点と私の感想を記してみた。
1)身体の小さい犬は大きい犬に比べ、飼い主によるコントロールがしにくい
確かに大きい犬はおっとりしているという印象がある。しかし、興奮して暴れている時は、
どう考えても身体の小さい犬のほうがコントロールしやすいと思うのだが・・。
2)体高が低くなっていくと、人に対する攻撃性や食べ物をねだる、マウンティングする、
注意をひこうとするなどのふるまいをする傾向が高まる
体高が低い犬種といえば、ダックスフンド、コーギー、ブルドックなどがすぐに思い浮かぶ。
どれも普段からよく見る犬種だが、このような傾向を強く示しているという印象はない。
人に対する攻撃性は、子犬のときの社会化の結果だと思うのだが・・。
3)体重が少なくなるにつれて興奮性と活動過剰(hyperactivity)のふるまいが増加する
総じて見ると、やはり小型犬の方が大型犬よりもと活発に動いている印象がある。
確かにミニチュア・ピンシャーの方が、ドーベルマンよりいつもテンションが高い感じがする
のでこれは納得がいく。
4)体高が高くなること訓練性能が高まる
確かに警察犬や作業犬と呼ばれる犬たちは大型犬が多い。しかしアジリティなどで大活躍する
ボーダーコリーはそれほど体高が高くない。牧羊犬は歴史的に人のいうことをよく理解して行動
するように作られた犬種であるが、必ずしも体高は高くない。
5)アフガンハウンドやサルーキなどの長頭の頭蓋は、獲物をすばやく追うために人為選択圧
がかかった結果である
これに関してはその通りなのだろう。ボルゾイをみてもマズルがとても長い。
6)パグやボクサーなどの短頭犬種は、成犬になっても子犬っぽさをいつまでも持つように
なった反面、狩猟能力の多くを失ってきた
ボクサーはとても人懐こい犬種だということを何人かの飼い主から聞いたことがある。マズルが
短い愛嬌がある顔は、人を笑顔にする。狩猟能力とあるが、マズルが短いので獲物を噛んで捕獲
するのが苦手なのだろうか。身体能力は高いので獲物を追いかけるのは得意ではないだろうか。
同じ犬種といえどもその固体によって身体の特徴は異なっている。JOYをオフ会に連れて行き、
多くのドーベルマンと比較することで、私はJOYの身体的特徴をある程度は理解している。
他のドーベルマンと比べるとJOYは①マズルが長い、②体高が高い、という特徴をもっている。
この研究に基づけば、JOYは訓練性能が高いということになるが、なかなかその能力が引き出
せないのが残念だ。
さらにこの研究報告では、攻撃性やマウンティングといった行動は、大きな犬であるとより問題
視されるのに対して、小さな犬については人が大目に見てきたことがにも原因にあると指摘され
ている。このような問題とされるふるまいが小さな犬にみられるのは、過度に甘やかされ過保護
にされてきたことにも原因があるという。この点については同感だ。
注)本文はdog actually に掲載されているsatoko氏の記事を参考にして書いています
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