今日の散歩は、台風が近くに来ているということで、雨が
降り出す前に家を出ました。
曇り空であるので、今日は田んぼのあぜ道を、久しぶりに
歩くことにしました。太陽の光を遮るものがない田んぼ道は、
天気のよい日は、暑くて歩けないからです。
台風が接近している今、誰も歩いている人はいません。
そこでリードをはずして歩くことにしました。私より前には
JOYを進ませないように歩いているし、充分に制御可能
であると思っていたのです。
ところがそれが、大いなる過信であることを、その直後に
知ることになります。
そのきっかけは、ちょっとしたハプニングからおこりました。
田んぼ道のすぐ脇に潜んでいた2匹のカモが、JOYに驚い
て、突然飛び立ったのです。
もともとJOYは鳥に対して敏感に反応する傾向があったの
すが、今回のような反応は初めてです。JOYはわき目もふら
ず、一直線にカモを追いかけ始めました。
こうなったら、わたしのコマンドに対して全く耳を傾けません。
走り去っていくJOYを止める方策など、私にはありません。
肝を冷やすとはこのことでしょう。私は自転車に飛び乗り
土のあぜ道を、全速力で追いかけました。しかし、JOYの
走る早さには、とうてい及ばず、見る見る間にJOYの姿は
小さくなっていきます。
このまま見失ってしまったらどうしよう? 住宅地に入って
しまったら大変なことになってしまう。頭の中は、最悪の事態
で一杯です。
300mほど走った頃、突如、幸運の女神が、私に微笑みました。
JOYが突然向きを変えて、私の方に全速で走ってきたのです。
鳥が飛ぶ方向を変えたからです。
幸い、田んぼのあぜ道は幅が広くありません。JOYを捕まえる
なら、これが最後のチャンスであろうと覚悟をきました。
自転車を降り、走ってくるJOYを優しく包むような姿で両手を広げ、
走ってくるJOYを待ちました。そして、自分の近くまで来たところ、
思い切ってJOYに飛びつきました。二人とも道に倒れて、泥だらけ
です。大学の頃、ラグビーを少々やっていたことが役に立ったのか
もしれません。
泥だらけの私は、しばらく放心状態のまま、その場でJOYを抱きしめ
ていました。

↑↑↑のバナーをクリックしてもらうと励みになります!