AYAが一人で留守番をしていたときのことです。
いつものようにJOYは、居間でAYAと一緒に仲良く過ごしていました。
ところがJOYが床に落ちていた革のリードを咬み始め、それをAYAが取り上げようとすると、
JOYが突然怒り出したのです。鼻にしわを寄せ、低い声で唸り、AYAの手を咬んだのです。
AYAは驚いてその場を逃げ出し、泣きながらPAPAに電話をかけました。
私は、「JOYが突然怒り出しちゃったの。恐いよ、助けて」という悲痛なAYAの声を聞き
あわてて帰宅。AYAは咬まれたといっても、その手には傷は無く、心理的なショックが
大きかったということが分かりました。
一方、JOYは私が「AYAに何やったの」と厳しく詰問しても「えっ、何のこと?」という表情。
そりゃ、そうですよね。犬は過去のことを、聞かれているとは理解できないのですから。
数日後、これと同じ状況が再現されました。
ただし、今度はJOYと私です。
JOYが割れた土鍋の破片で遊んでいるのを私が発見し、それを取り上げようとした時
です。AYAの時と同じように、鼻にしわを寄せ、低い声で唸り、私の手を咬んだのです。
AYAの時と同様、JOYは歯が私の手に当たる寸前で止めているので、それほど痛くは
ありません。ただ、ドーベルマンの怒った表情と唸り声はそれなりに迫力がありました。
たとえ本気で咬んだのではなくても、人の皮膚に歯を当てる行為そのものを許すことは
できないので厳しくJOYを叱りました。すると、体を小さくし、恐縮しているような態度で、
私の手をペロペロとなめました。反省していることを私に伝えようとしているのでしょう。
この二つの事例から分かることは、「革のリード」や「土鍋の破片」はJOYにとって大切
なもので、絶対に手放したくはないものだったということです。だから、それを取り上げよう
とするAYAや私に対して、「絶対に渡さないからね」というメッセージを伝えただけで、
それ以上でもそれ以下でもないということです。
スタンレー・コレン著「犬の話し方」(文春文庫)によると、犬が見せる攻撃的な威嚇の表情
には、優位性の誇示や怒りに基ずく場合もあれば、恐怖にも基づく場合もあるとのことです。
犬が体で表出しているメッセージを正しく理解し、それに対して適切に対応していくことが大切
であることを感じました。
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