『The Legend of Sigurd and Gudrún』 J.R.R. Tolkien:著, Christopher Tolkien:編 HarperCollins(2010)
を購入。
俺もトールキン好きだねぇ…。
しかし、今回は中つ国とシルマリルの神話ではなく、
北欧神話好きにはお馴染みの、『シグルドとグートルーンの物語』ですね☆
『Sir Gawain and the Green Knight』(『サー・ガウェインと緑の騎士』)みたいな、
古典ゲルマン伝承のトールキン版ってことです。
内容は韻文にその講釈…な、難解だぞっ(笑)!!
まー、そこはジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン教授、
大変に韻律を大切に訳しておられるので、音読すると気持ちが良い…気がします。。。
シグルド(Sigurd)をご存じない方への一方的な解説を…(笑)。
古ノルド語ではシグルズ(Sigurðr)、中高ドイツ語でジーフリト(Sîfrit)、そして現代ドイツ語でジークフリート(Siegfried)。
日本では恐らく、
リヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner)による楽劇、
『ニーベルングの指輪』("Der Ring des Nibelungen")が最も有名だろう。
ざっと
序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold)
第1日 『ワルキューレ』(Die Walküre)
第2日 『ジークフリート』(Siegfried)
第3日 『神々の黄昏』(Götterdämmerung)
の3部作から成るが、
これがまぁエッダ(Edda)にヴォルスンガ・サガ(Völsunga saga)に、
北欧の神話・伝承をこれでもかとテンコ盛りにした内容で超絶壮大な約15時間なのは皆様ご存じの通り…。
真ん中を貫くのは『ニーベルンゲンの歌』("Das Nibelungenlied")だが、
ヴァルハラ建設からラグナロク(Ragnarøk)までもが、かーなり脚色されて入っている。
この数多の物語を1つに束ねるため、ワーグナーは1つの"呪われた黄金の指輪"を創作した。
これたぶんエッダにある『オッタルの賠償金』から材を得たのだろう。
最高神オーディン(Odin)と悪戯者ロキ(Loki)、射手ヘーニル(Hœnir)がミッドガルドを旅していたところ、
一匹のカワウソが川辺でサケを食べようとしていた。
これをロキが仕留めるが、これはある兄弟の兄オッタルが姿を変えたものであり、
神々はその男の家に捕えられてしまった。
これを解放するために要求されたのが、オッタルの毛皮をちょうど埋める量の黄金。
ひとり放たれたロキは、ひとりのドヴェルグ(Dvergr; ドワーフ Dowarf)、アンドヴァリ(Andvari)の元を訪ね、
黄金を要求する。
ドヴェルグは快く黄金を差し出すが、ロキが目を留めた小さな指輪だけは手放そうとしない…。
ロキがこれを無理矢理奪い去ると、アンドヴァリは叫んだ。
「指輪よ、呪われてあれ!」
結局ロキもこの指輪を手放すことになり、指輪はオッタルの兄弟たちの手に渡るのだが…
というのが散文のエッダにある『オッタルの賠償金』。
やっぱりLOKI、良いキャラしてるよねぇ…。
他のサガとか『ファフニールの歌』などを統合すると、
その後、彼ら兄弟は財宝に取りつかれたように互いに争い、
最後に残った者は黄金竜、ファフニール(fefnir,fevnir, ファヴニール, ファフナー, など)になったという。
『ホビットの冒険』のスマウグ(Smaug)の元ネタだ。
ある意味で『指輪物語』のゴクリ(Gollum)もそうか…
…俺この辺、語りだすと1日止まらないので止めときます(笑)。
まぁそんなこんなで、元々ファフニールの兄弟の1人だったレギン(Regin)は鍛冶屋となり、
そこにたまたまやってきたのが、我らが勇士シグルドなのであります。
レギンはシグルドの折れたる剣、グラム(Gram)を鍛えなおし、
{ナルシル(Narsil)→西方の炎、アンドゥリル(Andúril) と同じ構造だ。}
トゥーリン・トゥラムバール(Túrin Turambar)がグラウルングを貫くが如くこれを殺す。
しかしレギンが自分を殺そうとしていることも知り、これもまた殺してしまう…
今に伝わる有名な『ニーベルンゲンの歌』はその後の話だが、
これは多少なりともキリスト教の影響を受けているためか、
純粋なゲルマンの英雄伝、『ヴォルスンガ・サガ』とは少々内容が異なる。
ここが面白いんだけど…
なんか書くのが疲れた(笑)。
またの話にしませうか。
・23rd. birthday, and: 『Narn i Chîn Húrin』"フーリンの子ら"
・autumn of reading: 第18回 神保町ブックフェス
・hunting books:shakespeare シェイクスピア全集
を購入。
俺もトールキン好きだねぇ…。
しかし、今回は中つ国とシルマリルの神話ではなく、
北欧神話好きにはお馴染みの、『シグルドとグートルーンの物語』ですね☆
『Sir Gawain and the Green Knight』(『サー・ガウェインと緑の騎士』)みたいな、
古典ゲルマン伝承のトールキン版ってことです。
内容は韻文にその講釈…な、難解だぞっ(笑)!!
まー、そこはジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン教授、
大変に韻律を大切に訳しておられるので、音読すると気持ちが良い…気がします。。。
シグルド(Sigurd)をご存じない方への一方的な解説を…(笑)。
古ノルド語ではシグルズ(Sigurðr)、中高ドイツ語でジーフリト(Sîfrit)、そして現代ドイツ語でジークフリート(Siegfried)。
日本では恐らく、
リヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner)による楽劇、
『ニーベルングの指輪』("Der Ring des Nibelungen")が最も有名だろう。
ざっと
序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold)
第1日 『ワルキューレ』(Die Walküre)
第2日 『ジークフリート』(Siegfried)
第3日 『神々の黄昏』(Götterdämmerung)
の3部作から成るが、
これがまぁエッダ(Edda)にヴォルスンガ・サガ(Völsunga saga)に、
北欧の神話・伝承をこれでもかとテンコ盛りにした内容で超絶壮大な約15時間なのは皆様ご存じの通り…。
真ん中を貫くのは『ニーベルンゲンの歌』("Das Nibelungenlied")だが、
ヴァルハラ建設からラグナロク(Ragnarøk)までもが、かーなり脚色されて入っている。
この数多の物語を1つに束ねるため、ワーグナーは1つの"呪われた黄金の指輪"を創作した。
これたぶんエッダにある『オッタルの賠償金』から材を得たのだろう。
最高神オーディン(Odin)と悪戯者ロキ(Loki)、射手ヘーニル(Hœnir)がミッドガルドを旅していたところ、
一匹のカワウソが川辺でサケを食べようとしていた。
これをロキが仕留めるが、これはある兄弟の兄オッタルが姿を変えたものであり、
神々はその男の家に捕えられてしまった。
これを解放するために要求されたのが、オッタルの毛皮をちょうど埋める量の黄金。
ひとり放たれたロキは、ひとりのドヴェルグ(Dvergr; ドワーフ Dowarf)、アンドヴァリ(Andvari)の元を訪ね、
黄金を要求する。
ドヴェルグは快く黄金を差し出すが、ロキが目を留めた小さな指輪だけは手放そうとしない…。
ロキがこれを無理矢理奪い去ると、アンドヴァリは叫んだ。
「指輪よ、呪われてあれ!」
結局ロキもこの指輪を手放すことになり、指輪はオッタルの兄弟たちの手に渡るのだが…
というのが散文のエッダにある『オッタルの賠償金』。
やっぱりLOKI、良いキャラしてるよねぇ…。
他のサガとか『ファフニールの歌』などを統合すると、
その後、彼ら兄弟は財宝に取りつかれたように互いに争い、
最後に残った者は黄金竜、ファフニール(fefnir,fevnir, ファヴニール, ファフナー, など)になったという。
『ホビットの冒険』のスマウグ(Smaug)の元ネタだ。
ある意味で『指輪物語』のゴクリ(Gollum)もそうか…
…俺この辺、語りだすと1日止まらないので止めときます(笑)。
まぁそんなこんなで、元々ファフニールの兄弟の1人だったレギン(Regin)は鍛冶屋となり、
そこにたまたまやってきたのが、我らが勇士シグルドなのであります。
レギンはシグルドの折れたる剣、グラム(Gram)を鍛えなおし、
{ナルシル(Narsil)→西方の炎、アンドゥリル(Andúril) と同じ構造だ。}
トゥーリン・トゥラムバール(Túrin Turambar)がグラウルングを貫くが如くこれを殺す。
しかしレギンが自分を殺そうとしていることも知り、これもまた殺してしまう…
今に伝わる有名な『ニーベルンゲンの歌』はその後の話だが、
これは多少なりともキリスト教の影響を受けているためか、
純粋なゲルマンの英雄伝、『ヴォルスンガ・サガ』とは少々内容が異なる。
ここが面白いんだけど…
なんか書くのが疲れた(笑)。
またの話にしませうか。
・23rd. birthday, and: 『Narn i Chîn Húrin』"フーリンの子ら"
・autumn of reading: 第18回 神保町ブックフェス
・hunting books:shakespeare シェイクスピア全集
挿絵を見たことがあります。繊細な絵で大変上手でした。物語も作り絵も描ける作家なんだと
思っていました。調べてみたら才能豊かな方だったのですね。
絵本的でカラフルなのにすごくほのぼのするのが多い。
教授ってより芸術家肌の学者さんだったんでしょうね。
でも講義の声が小さすぎて最前列に座っても話が聞こえず、学生には人気がなかったとか(笑)。