週刊新潮5月28日号に『認知症防衛7つの基本』という特集が組まれているた。
国内では現在、65歳以上の高齢者のうち462万人が認知症に罹っており、その前段階であるMCIも合わせると実に800万人の患者がいるという。
認知症のうち6~7割を占めるのがアルツハイマー型だが、このほかにレビー小体型、脳血管型、前頭側頭型などざっと4つに分類できるという。
いずれも特効薬はなく、症状を緩和させるか進行を遅らせるのが関の山だという。
人生を忘れたくなければ生活習慣により発症リスクを減らしていくほかない。
本誌では認知症予防のための7つの生活習慣を取り上げている。
1.30分以内の昼寝が発症リスクを8割も減らす。
これは短い仮眠で体力を回復して午後の活動性を高め、結果として夜に熟睡できるからだと考えられている。但し1時間も寝ると覚醒するまでに時間がかかり逆効果だそうである。
2.赤ワインは◎ でも一人酒は×
ポリフェノールは認知症によいとされる。酒では唯一赤ワインがポリフェノールを含むが、一人で飲むのは最悪だという。酒の席というのは得てして会話や振る舞いに気配りが求められる。こうした高級な脳機能は使わないとどんどん衰えていくのだ。
3. 不道徳な老いらくの恋が招く前頭葉の機能低下
自らの性機能低下を顧みずに一線を越えてしまうと理性的判断を司る前頭葉の働きが低下し、反社会的行動を帯びる「前頭側頭型」発祥のリスクが増す恐れも否めない。
4.読書やパズルもいいけど楽器と囲碁と将棋がベター
03年の米国の医学誌で発表された論文によれば趣味が全くない人の認知症リスクを1とした場合、週に3回30分以上の読書をする人のリスクは0.65に減っていた。この論文ではあらゆる趣味を調査対象にしており。もっともよかったのは楽器類やチェスをする人で、何とリスクは0.25になっていた。
5.最強の予防方法はウォーキングより社交ダンス
散歩や水泳といった一人でできる有酸素運動ではリスクが0.67~0.8に減るのに対し、社交ダンスでは0.25まで下がる。相手との駆け引きがあり、男女ペアになるなど刺激のある分、脳が活性化すると考えられる。
6.神経細胞を殺す「アミロイドβ」を溜めない食品群
アルツハイマー型認知症は「アミロイドβ」というタンパク質が脳に溜まり、神経細胞を殺すことで健忘症や多動症を引き起こす。最近の研究で、動脈硬化をもたらす生活習慣はアルツハイマー型認知症も引き起こしやすいことが分かっている。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタ酸)を含むイワシやサンマなどの青魚を一日60~90グラム摂るのが望ましい。また、カレー粉の原料であるウコンはアミロイドβの蓄積を抑える効果が確認されており、カレーをよく食べるインド人の発症率は米国人の4分の1ほどという論文もある。果物は糖分の多いパイナップルやメロンより食物繊維が豊富なブルーベリーやリンゴがよいという。摂ってはいけないものの代表は市販のスイーツ全般である。
7.危ないのはリタイヤ後に別荘地で悠々自適の隠居ライフ
家族や友人が周囲にいなければ社会的接点を失う生活は認知症のリスクを高める。日々の刺激を求める方が結果的に脳の機能維持に繋がるのだ。