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ベック、ボガート&アピス

2022-08-22 15:35:45 | band

ベック、ボガート&アピス Beck Bogart & Appice
 

 1967年にデビューした「ヴァニラ・ファッジ」は、ティム・ボガート(bass)とカーマイン・アピス(drums)という強力なリズム・セクションを擁していた。このふたりのコンビネーションは、当時「ロック界屈指」と高く評価されていた。
 その頃「ジェフ・ベック・グループ」を率いていたジェフ・ベックは、ある日ヴァニラ・ファッジの「ショットガン」を聴き、大きな衝撃を受ける。このふたりと共演してみたいと思ったベックは、セルヴィル・シアターでのヴァニラ・ファッジの公演に行き、さらに強く共演を望むようになった。
 1969年8月、「ジェフ・ベック・グループ」は解散する。
 ちょうど同じ頃、ヴァニラ・ファッジもバンド内の不協和音が原因で解散することになり、これを契機にベック、ボガート、アピスの3人はロッド・スチュワートを加えて新グループを結成しようとする。
 スチュワートは最終的に「フェイセズ」に加入したことにより、ベック、ボガート、アピスはトリオとして活動するべく数度のセッションを行うが、同年11月2日にベックが運転中に交通事故を起こして全治3ヵ月の重傷を負ったため、このバンドの結成は頓挫した。


 ボガートとアピスは、1970年に「カクタス」を結成。
 ケガから回復したベックも「第2期ジェフ・ベック・グループ」を結成するが、やがてベックはボガートとアピスにこのバンドで演奏してほしいと連絡することになる。
 1972年7月、ジェフ・ベック・グループからクライヴ・チャーマン(bass)とコージー・パウエル(drums)が脱退すると、ボガートとアピスは後任としてグループに加入した。
 3人は、キム・ミルフォード(vocal)とマックス・ミドルトン(keyboard)を加え、「ジェフ・ベック・グループ」の名で1972年8月1日よりツアーを行うが、ミルフォードは「ステージ向きではない」との理由ですぐに解雇される。後任として、元ジェフ・ベック・グループのボブ・テンチ(vocal)が加入したが、テンチとミドルトンはツアーが終わるとバンドを脱退。
 新たなボーカリストとしてポール・ロジャース(元フリー)へ打診するもこれは実現せず、トリオ編成となったバンドは、名前を「ベック・ボガート&アピス」として、1972年9月に活動を開始する。
 1972年11月からレコーディングを始めた彼らは、1973年3月にファースト・アルバム『ベック・ボガート&アピス』(全米12位、全英28位)を発表。これは多くのロック・ファンに期待をもって迎えられた。





 スーパー・グループ「ベック・ボガート&アピス」(以下BB&A)の登場は、ロック界に衝撃を与え、メディアは「クリームやジミ・ヘンドリックス・エキスペリエンシス以来の強力なロック・トリオである」と絶賛した。


 1973年5月、BB&Aは日本公演を行う。14日日本武道館、16日名古屋市民会館、18~19日大阪厚生年金ホールというスケジュールであった。
 大阪での2日間の模様を収めたライヴ・アルバムが、1973年10月に日本限定で発表された『ベック・ボガート&アピス ライヴ・イン・ジャパン』(日本21位)である。
 日本から帰国後、ボガートがオートバイ事故で重傷を負ったため、その後のツアーは全てキャンセルとなる。
 1974年1月にはセカンド・アルバムの録音が始まったが、ベックとボガートの音楽的対立が深まったうえ、ボガートとアピスがベックと別行動をとるようになり、同年5月にこのトリオは自然消滅した。





 バンド消滅後、ジェフ・ベックは1975年にギター・インストゥルメンタル・アルバムの金字塔と言われている傑作アルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」を発表。
 ボガートはセッション・ミュージシャンとして活動、1976年には「ボクサー」に参加している。
 アピスは1975年にマイク・ブルームフィールド(guitar)、レイ・ケネディ(vocal, sax)、リック・グレッチ(bass)、バリー・ゴールドバーグ(keyboard)と新バンド「KGB」を結成した。


 【活動期間】
   1972~1974年

 【メンバー】
   ジェフ・ベック/Jeff Beck (1944.6.24~   )
     vocals, organ, piano, guitar, bass  在籍=1972~1974
   ティム・ボガート/Tim Bogert (1944.8.27~2021.1.13)
     bass, vocals  在籍=1972~1974
   カーマイン・アピス/Carmine Appice (1946.12.15~   )
     drums, percussions, vocals  在籍=1972~1974
   

 【ディスコグラフィ】
  ☆アルバム
    1973年 ベック・ボガート&アピス/Beck, Bogert & Appice(全米12位、全英28位、日本22位)
    1973年 ベック・ボガート&アピス ライヴ・イン・ジャパン/Live in Japan *ライヴ・アルバム(日本21位)



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