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『セレモニー』(スプーキー・トゥース)

2023-05-15 16:05:52 | albums

セレモニー Ceremony

【歌・演奏】

  スプーキー・トゥース&ピエール・アンリ/Spooky Tooth & Pierre Henry

【リリース】
  1969年12月

【録音】
  モーガン・スタジオ(ロンドン)

【プロデューサー】
  スプーキー・トゥース&ピエール・アンリ/Spooky Tooth & Pierre Henry  

【エンジニア】
  アンディ・ジョンズ/Andy Johns

【レーベル】
  アイランド・レコード(UK)
  A&Mレコード(US)


【録音メンバー】
   ピエール・アンリ/Pierre Henry(music-concrete, electronics)

 ☆スプーキー・トゥース
   ゲイリー・ライト/Gary Wright (vocals, organ, keyboards)
   マイク・ハリスン/Mike Harrison(vocals, keyboards)
   ルーサー・グロヴナー/Luther Grosvenor(guitar)
   アンディ・リー/Andy Leigh(bass)
   マイク・ケリー/Mike Kellie(drums, percussions)


【収録曲】
 side:A
  ① ハヴ・マーシー 7:55
    Have Mercy(Gary Wright & Pierre Henry)
  ② ジュビレーション 8:26
    Jubilation(Gary Wright & Pierre Henry)
  ③ コンフェッション 6:48
    Confession(Gary Wright & Pierre Henry)
 side:B  

  ④ プレイヤー 10:52
    Prayer(Gary Wright & Pierre Henry)
  ⑤ オファリング 3:27
    Offering(Gary Wright & Pierre Henry)
  ⑥ ホサナ 7:32
    Hosanna(Gary Wright & Pierre Henry)


【チャート】
 1970年週間アルバム・チャート アメリカ(4月25日付ビルボード)92位


【メ  モ】
 スプーキー・トゥースのサード・アルバム。
 スプーキー・トゥースとフランスの現代音楽家ピエール・アンリがコラボレートし、連名で発表している。日本では、当初『現代音楽の領域』という邦題でリリースされた。

 この作品は、カトリック教会のミサ(カトリック教会における聖体に秘跡にかかる典礼)を題材としたコンセプト・アルバムである。

 曲のタイトルの意味は、「ハヴ・マーシー」(「どうかご慈悲を!」)、ジュビレーション(祝祭)、コンフェッション(信仰告白)、プレイヤー(祈祷)、オファリング(神への捧げもの)、「ホサナ」(ヘブライ語で「どうかお救いください」、キリスト教では神を称賛する言葉)である。全て宗教に関わる言葉である。
 まずスプーキー・トゥースがモーガン・スタジオで録音し、そのテープがアンリの元に送られ、アンリが仕上げるという過程で制作された。

 このアルバムは、ゲイリー・ライトがイニシアティヴを取り、彼が敬愛する現代音楽家ピエール・アンリとコラボレートして前衛音楽とロックの融合を試みたものである。
 当初ライトは「ピエール・アンリのアルバムにスプーキー・トゥースが客演するという形のプロジェクトを行う」という意図を持っていた。そのため、スプーキー・トゥースの正式なアルバムとしてリリースしないことを条件として制作を始めた。しかし収録が終わるとレーベル側はバンドの意向に反し、これをスプーキー・トゥースとアンリの連名によるバンドの新作として発表しようとした。ライトは「これはスプーキー・トゥースの方向性とは合わない作品だ。これをバンドのアルバムとして発表するのであればバンドはキャリアを損なうことになるだろう。」と言って反対したが、結局レーベル側はスプーキー・トゥースとピエール・アンリの連名でアルバムをリリースしたのである。
 アンリの母国フランスでは前衛音楽の下地ができていたため好意的に評価されたが、英米ではセールス的にも低迷し、一部からはライトが危惧したとおり「ロック史上に残る失敗作」とまで酷評され、ファンを失望させた。
 『セレモニー』に対する意見の食い違いが元で、ライトはアイランド・レコードのプロデューサーであるクリス・ブラックウェルと対立することになった。またバンド内でも孤立し、とくにマイク・ハリスンとは主導権争いも相まって埋めがたい溝ができてしまったため、1970年にはバンドから離れることになったのである。


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