半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第124話

2018-12-12 08:48:28 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!

発表会の練習が始まったよ~っ!
ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP
(オフィシャル ウエブサイト) オフィシャルサイトハピタス
その買うを、もっとハッピーに。 | ハピタス
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!

朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは眠りの森の見所から妖精リラのバリエーションです。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
2人の共通語
第124話
「君は日本から来たのかい?何処のバレエ学校から
来たのだ?」ワシリエフ氏は静かであったが、トーンが
低くても滑舌がはっきりしており言葉がとても聞き取り
易かった。

「いえ…あの、実を言うと僕はスウェーデンに住んで
おりまして、バレエ団に所属しております。イギリスで
学び、イタリアのバレエ団などでも働いておりました。」
 するとワシリエフ氏は「おやっ?」と言うような顔を
して「君はイタリアのバレエ団に働いていたのかい?
ならば、イタリア語も話せるのかい?」

ショージはイタリア語で「スィー、セニョール!イオ 
パーラ イタリアーノ!ノン ベーネ、ベーネ…ペロー、
ペンソケ アバスタンツァ ノルマーレ…」(はい、私は
イタリア語を話します。それほど上手と言う訳ではありま
せんが、まあ、普通ぐらいでしょうか…)

するとワシリエフ氏の顔が一気にパッと笑顔になり、突然
イタリア語でテンポ良く話出した。「なーんだ、そうか!
じゃあ、イタリア語で話そうじゃないか!私もイタリア
へは年間に何回も行くのだよ。ミラノにも行くし、
ローマにも行く。ついこの間もナポリに行って来たところさ!
イタリアにはどのくらい住んでいた?」

ショージはワシリエフ氏が、あまりに流暢なイタリア語
なので驚いた。そして少ししか知らないロシア語で話す
よりも、イタリア語を通じて話す事で自分の言いたい事も、
もっとはっきりと伝えられる事、そして更にはこの知らない
極寒の国の中で、ショージが慣れ親しんだ暖かい国の
イタリア語で話せるという事で憧れていたワシリエフ氏に
親近感が湧いた。

「僕は2年ほどイタリアに住んでいました。街はレッジオ
エミリアと言う、本当に小さな街ですが…」するとワシリ
エフ氏は「えっ?レッジオエミリアだって!?なんと
懐かしい!私の友人があそこの街に住んでいるのだよ!
君が知っているかどうかは分らんが、古い友人だ。
非常に素晴らしいダンサーでもあった…ん~思い出すな…
えーと、彼の名前はね…」ショージは犬のような直感で
ワシリエフ氏の声に両耳が鋭く反応した。

イタリアの友人

「そう、彼の名前はステファネスク…マリネル・ステファ
ネスクって言うんだ…友だちと言っても彼はロシア人では
なく、ルーマニア人だがね…」ショージはそれを聞いた瞬間、
口から心臓が飛び出しそうになった。声には出さなかったが
「な、なんだって…ぎょえ~っ!?あの鬼の事ですか~っ!?」

ワシリエフ氏の古い友人…それは紛れも無く、ショージを
恐怖のどん底に陥れた、イタリア時代のバレエ団の芸術監督に
他ならない。そう言えば確かにマリネルは言っていた。
「私はボリショイバレエのプリンシパルをしていた時期が
あったさ…」と。本当に偉いダンサーだったのであろうが、

ショージにしてみれば鬼以外の何者でもない。今から
イタリアのバレエ団での最後の問答をここに再び再現して
みよう。

「ショージ!お前がこのバレエ団を辞めたいだって?
ふざけるな~っ!絶対にそんな事はさせん!お前を何処にも
行かせはしないぞ!いいか?この俺は世界中の何処にでも
友だちがおるのだ!お前が行くところならば、一本の電話を
入れれば済む事だ!そしてお前はここにいるしかなくなる
だろう…言ってみろ、ここを捨てて一体何処に行きたいと
言うのだ?」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第123話

2018-12-11 08:43:32 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第123話
ショージはプリエを始めた。「確か、こんな風だった
かな…?」そうやって一つずつを先生に教え直して
もらった。先生が「君に一つ言っておくが君が本当に
勉強をしたいのなら、このモスクワに来るよりもレニン
グラードに行きなさい…」

先生が何故、ここモスクワではなくレニングラードに…と
言ったのかは分からなかった。クラッシックの技法を
学ぶのなら、モスクワよりもレニングラードの方が上
なのか?それともこんな馬鹿にモスクワに来られたんじゃ
かなわないと思ったからか…。ショージはロシアに
来られるのならどっちでも良いと思っている。

その時に金髪の髪をした初老の男と、頭の髪は少し
薄くはなっているが体躯が大きくがっしりとした
やはり初老の男が入口から入って来た。この人たちが
誰なのかが直ぐに分かった。ボリショイの神々と
言っても過言ではない。最初の金髪の男性は世界中で
名を轟かせているウラディーミル・ワシリエフだ。
そして2番目はこのボリショイバレエ団の双璧である
ミカエル・ラブロフスキーだったのだ。どちらも
バレエ団の完全なるトップダンサーである。

ボリショイの神々…

老紳士の先生はワシリエフとラブロフスキーにボソボソ…
と立ち話をし始めた。先生はショージの方に向き直り
「私なんかより、彼に推薦状を書いてもらった方が
大使館になら利くだろう…」そこに止まってショージを
見てくれているワシリエフ氏を見ながら「今、彼に話を
しておいたから後は彼と話しなさい。私はこれで行くから…
あ、そうそう、君も日本人ならあの占いを勉強した方が
良い。実に興味深いものだからね。じゃあ、これで…」
そしてジャケットを着ると行ってしまわれた。

「占いだって!?」ショージはブルッと震えると「勉強
したいのはバレエなのに…」と先生の後ろ姿に頭を下げた。

ワシリエフ氏はショージを見ながら言った。「今、先生
から話は聞いたけど、君はロシアで勉強がしたいのだね?
君の名前はなんて言うのかい?」世界のスーパースターに
自分の名前を聞いて頂けるとは!ワシリエフ氏の声は
柔らかいながらもアクセントがはっきりしていて、
誠実そうで優しさに溢れる人柄が瞬時に分かった。

「ぼ、僕はショージ…ショージ・ハンザワです…あ、あの~、
ワシリエフさんですよね?」金髪というよりも金その物と
言った方が的を得ているような彼の髪が非常に印象的だ。
彼はショージを真っ直ぐに見ながら、縦に頷いた。

ショージはソ連に来る前から憧れのワシリエフ氏はきっと
大きなロシア人で190センチくらいのダンサーなの
だろうな…と想像していた。憧れのスーパーダンサーが
ショージの手を握ってくれた時は感動だったが、と同時に
驚愕でもあった。何故ならワシリエフ氏はショージの
顎(あご)ほどくらいの身長だったからある。

「僕がロシア大使館に行っても、そう簡単には滞在許可証
がおりないのです。そこで、大使館宛てに僕への推薦状を
書いて頂けたら、もしかして…いや、必ずビザが下りると
思うのです。どうか推薦状を書いて貰えないでしょうか?」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第122話

2018-12-09 08:56:08 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
先生に質問
第122話
「君には質問は無いのかね?」先生は静かな声で聞いた。
先生が何故、そんな質問するのかショージには理解
出来無いまま、「え、質問ですか?いえいえ、先生に
そんな…無いです」先生は「あ、そう…じゃ、続けよう!
グランバットマン(片足を大きく前、横、後ろに振り上げる
運動)と言うのは足を振り上げるのも大事だが、下ろす方が
難しい…ただ重力で下ろすだけでは駄目だよ。分かるかね?
ラ~ス、ドゥバー、トリー…このようにね…」

ショージは先生の言いたい事はそう言う事なんだなと思い
ながら「あ、はい…」とさっきから同じ返事を繰り返した。
「じゃ、行ってみよう…どうぞ!」先生はショージを見て
言った。ショージは先生の言う「じゃ、行ってみよう…」
に頭を斜めに傾けながら反応しなかった。それどころか
逆に先生に質問した。

「え、何処に?」先生はカッと目を見開いて、「何処に?
何を言っているんだ君は!始めから終りに決まっている
じゃないか!はい、始めなさい!」そして先生はショージを
見つめた。「げ~っ!先生、始めから終わりって、もしか
したら先生が見せたプリエからグランバットマンまでの
全部をですか!?そんな事急に言われても覚えてないっすよ~!」

今度は先生の方がギョッとした顔で、「覚えてないだって!?
だって君は質問がないって言ってたじゃないか!私が一つ
ずつ見せて分かるかねと聞いた時にも全てにおいて、「はい」
と答えたじゃないか!覚えてないって…え~っ!?」2人で
驚き合いだ。ショージは直ぐに謝りながら、「あ、あの~、
一つずつでもいいですか?あの、その後に次のを教えて
もらってもいいですかね?」

先生は呆れた顔して「ふ~、何故、君は分りましたと言った
のか?君と同じような年代のモスクワの男たちも全く一緒だ!
何故あいつらは、分かってもいないのに分りましたと、返事
するのか!実に嘆かわしい事だ。私に言わせれば馬鹿だ!」
先生の嘆きにショージも同情した。「そうですか…
モスクワの生徒はそんなに馬鹿なんですか…」先生が
クルッと口を開いてショージを返り見た。「こ、この…!」

「あの先生…日本では相槌(あいづち)と言うのがあり
まして、目上の方から話された時には必ず、はいと答え
なければならない習慣があるのです。先生が見せる前に、
全てを覚えなさいよ!それを最後に全部始めから終りまで
するから…と言ってくださっていたら、空返事はしなかった…
とは思うのですが、いずれにしても始めから終りまでの
全部を覚える事は難しいと思います」

すると先生は手で顔を覆い、「オー、ノ~ッ!」と言った
マイムを見せた。「モスクワのダンサーたちって、始め
から終りまでこんなに長い順番を全部覚える事が出来んの!?
そんな習慣があるのだろうか?少なくとも僕にはそんな
習慣が無いし、今まで何処のバレエ学校でもバレエ団でも
始めから終りまで一気になんて…」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第121話

2018-12-07 09:47:58 | webブログ
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第121話
ショージは口をあんぐりと開きながら、「は、はい…、聞いて
おります…」老紳士は続けた。「顎の上げ方も角度が大事だし、
目線も大事なのだ…ま、いいか。それで私に何の用だと
言ったかね?」「げ、ぎょえ~っ!もう忘れてしまったの
ですか!?」ショージの方こそ何でここにいるのか分から
なくなりそうになった。

「僕はこのボリショイ劇場でバレエ団のダンサーたちと
一緒にレッスンしたいのですが、何とか許可は得られま
せんか?」すると老紳士はあっさり「それは無理だ。
レッスンは団員しかする事が出来ない」ショージはその
返答に項垂れた。が、直ぐに「分かりました。レッスンの
事は諦めます。が、僕はどうしてもロシアでバレエの
勉強がしたいのです!けれども僕は日本人なのでロシアで
勉学するための学生ビザをソ連の大使館に申請しても
却下されてしまうのです。僕はどのようにしたらこの
ロシアで勉強する事が出来るのでしょう?」

老紳士を上目づかいで見ながら、その答えが頂けるか先生を
見たが、「あっ!」と思い出して、ショージの踊っている
写真2枚をバッグから取り出して先生に見せた。一つは
アントルラッセでジャンプ(空中で足を180度開く技術)
しているもので、もう一つはピケアラベスク(片足を身体の
真後ろに上げてバランスを取るポーズ)で静止している写真だ。
それを老紳士に手渡した。老紳士は黒い眼鏡を片手で押え
ながらその写真じっと見つめた。

写真を見た感想…

「これ、君?ふ~ん…手の位置が良くないね…」そうボソッと
呟くと、「ふ~っ…じゃ、ここでは通る人の邪魔になるから
こっちに来なさい…」通路から離れたスペースで老紳士は
止まった。「ここなら通行人の邪魔にならない…」ショージは
この老紳士がバレエ団、またはバレエ学校できっと先生を
しているのだろうと思った。先生は眼鏡を片手で上に上げると、
着ていたジャケットを脱いで置いた。

普段着のまま、靴を履いたまま先生が突然バレエの動きの
説明を始めたのだ。「え、ここで?このままの恰好で!?」
「じゃあ、始めるとしよう…プリエ(両足の膝を曲げて
踊りの練習に必ずする屈伸運動)はこうで、ポールドブラ
(腕の動かし方)はここ…注意点は顔の向き…つまり鼻先の
方向だ。指先を追いかけるように…分かるかね?」

ショージは意外に長い先生の手先や動きに見入りながら「あ、
あ、はい…」そして「次に、タンドュ(足のつま先を床の上に
這わせて延ばす運動)はこうで、この動きにも注意点はこうだ。
足をこんな風にしては駄目だよ、分かるかね?」「あ、はい…」
ジュッテ(つま先を床から離して、勢い良く前に出す運動)や
ロンデ・ジャン・パールテール(足先を床の上から離さず、
半円を描く様な運動)、フォンデュ(両膝を曲げてから片足を
上に上げる運動)やフラッペ(片足を曲げて前、横、後ろに
勢い良く蹴り出す運動)、ロンデ・ジャン・アンレール
(片足を宙に浮かせて回す運動)とアダージオ(ゆっくりな
音楽に乗せて片足を動かす運動)

この問答はおよそ、30分以上は続いた。先生は必ず、注意点を
言うのだが、ショージは先生からの「分かるかね?」の質問に
対して日本語の返事のように「あ、はい…」を繰り返したのだ。
先生はじっとショージの顔を見て言った。
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第120話

2018-12-06 08:53:49 | webブログ
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老紳士の手作り
第120話
老紳士が静かに「君は今、日本人だと言ったんだね?む~…
ちょっと何処にも行かずにそこで待っていなさい…あ、
君たち、」爺さんたちにショージをその場で待たせるように…
と言い残すと、来た廊下をまた静かにスタスタと後戻りし、
廊下の彼方に行ってしまわれた。

「え、どうしよう?何処に行ってしまわれたのだろう?」
暫くすると、老紳士は大きな本を両腕に抱えて戻って来た。
そして「そうか、こんな時に日本人に会えるなんてこれも
何かの縁だろう…丁度良かった。これを見てくれ給え。
そして日本人の目で見てこれが正しいかどうかを答えて
欲しいのだ!」

ショージは「は?」とその大きな本を老紳士から受け
渡され、その本の表紙をめくり、ゆっくりとページも
捲っていくと、そこにはロシア語のキリル文字がビッチリと
書かれてあり、訳の分からない記号やら絵が描かれてある。

ショージはどんどんページを捲って行くが、あまりの
膨大な筆跡と、本の重さに腕が疲れて来た。そしてようやく
その本が日本の「四柱推命」の事について書かれてある事に
気が付いた時、老紳士の顔を「えっ!?」と見ると子供の
様にはしゃいだ顔つきになっており、「どうだ?これで
いいのか?私は長年掛けて日本の占いを自分なりに解釈して、
この本を丁度書き終わったところなのだ。だが、問題は
私の理解が正しいのかどうなのか、そこが知りたかったのだ。
それでどうなのだ、合っているのか?存分に意見を聞かせて
欲しいのだ」

ショージは目を点にしてキョトンと見ながら、何から
答えていいのかちっとも分からなかった。ショージは
「四柱推命」なんか、これっぽっちも知らないのだ。
存分に聞かせてくれって言われても「あ、あの~、これって
占いですよね?何じゃこりゃ?一体全体どうなってんの
これ!?」

今度は歌舞伎?

「すみませんが確かに私は日本人なのですが、こういう
占いについてはとんと知識もないし、はっきり言って見た
事も無いのです。だからこれが正しいとかどうかと聞かれ
ても全然答えられません。本当にすみません」すると
それまで活き活きとして、まるで嬉しさ一杯の子供の
様な顔つきが愕然と変わり、「な、何!?知らない、
見た事がない?お、お~…」顔が見る見る曇って行った。

その表情がそれほど一変してしまうとはなんと可哀そうな
老紳士。「あれ…僕の事は?あ、あの~、僕はどうしたら
良いのですかね?」老紳士は呪文のようにブツブツ…と
宙を見ながら何か言っていたが、本をバタンと閉じて、
「そうか…残念だ。が、仕方ないか…。私は歌舞伎の
事も興味があるのだが、そっちの方の話でもしようかの…ん?」
「か、歌舞伎??た、たは…たはは…」ショージに構わず
話を始めた。

「ここボリショイのバレエでも歌舞伎の技法を取り入れたり
もしているのだ…例えば、歌舞伎の中に見得を切る…という
表現法があるだろ、ここでもその言葉通りにミエという
言葉で踊りの節目にポーズを作るのだ…聞いているのかね
君は人の話を?」
(つづく)