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「ゼツメツ少年」重松清

2019年07月13日 | 読書

久しぶりに小説を読んだ。最近だと「小説 ブッダ」を読んだんだけど、記録をしてないのでいつ読んだか忘れた。小説のように書かれてるけど、ただの小説と違って、中身が濃すぎて記録しきれなかった。

それはさておき、久しぶりに読んだのは、姪に貸してもらった重松清さんの「ゼツメツ少年」

【「僕たちはこのままじゃ、ゼツメツしてしまいます」小説家のセンセイのもとに、一通の手紙が届いた。手紙の送り主である中学二年生のタケシ、そして小学五年生の男子リュウと女子のジュン。学校や家で居場所を失くしてしまった三人を救うために、センセイはある隠れ場所を用意するが――。想像力の奇跡を信じ、悲しみの先にある光を求める、驚きと感涙の傑作。毎日出版文化賞受賞。】

さすがに重松さん。深いです。

小学5年と中学2年の3人は、それぞれに自分の居場所がない。ドジでマイペース、生きるのが下手なタケシは、優秀で出来すぎた(要領の)「いい子」の兄と比べられ、みんなからバカにされいじめられ、学校にも家にも居場所がない。ジュンは自分が生まれる前に3歳で亡くなった姉の身代わり?として扱われ、両親の愛を感じられず生きている。リュウは正義感からいじめられた子を助け、次の標的になる。しかも助けた子からもいじめられる。

居場所がない彼らは、家出をする。ゼツメツしたくないから。

家出。家を出ることはいいことだよ。居場所がないなら、自分で居場所を探して、自分で居場所を作ってしまえばいいよ。居場所は家や学校でなくても、どこでもいいのよ。それが自身の心の中にできれば一番いい。家は仮の宿だからね。

「ここにいていいですか」小1のジュン
「地球はみんなのものだから、どこにいてもいいんだよ」小4のタケシ
・・・「俺ってバカ?」中2のタケシ

どこがバカなの??タケシ君、その通りだよ!!!

「人間には、、、物語が必要なんじゃないかって。、、、このままだとゼツメツしそうなほど、キツくて苦しくてたまらないとき、頭の中で物語をつくりあげて、そこに現実の自分を放り込むことで救われるのだと思う」というタケシの言葉に、「よくわかる、ただし、そのとおりだとは言わない」というセンセイは、やはりちょっとだけ大人だね。

みんなゼツメツしたくないから、必死になって、物語をつくって生きていく。作り上げた物語の中で生きていたいと。それで、救われることもある。けど、、、助かることは、、、ない。心は救われる、けれども、、、みんないつかは死ぬのです。それは明日かもしれない。

助けることはできなくても、救うことはできる

「ジュンも自分だけの人生がちゃんとあって、自分が生まれてきた意味もちゃんとあったんだとわかったはずです。・・・ジュンは幸せにゼツメツするのでしょう。」

3人は、センセイの作り上げてくれた物語の中で救われたのですね。

「笑える話じゃないんだったら空を見ろ、空を」ツカちゃん
(相手の顔を見て話すのがつらい時ってあるよね)

「僕にとって一番難しいのは自分自身です。世の中にはたくさんのフシギがあるけど、いちばん深いフシギは自分自身の中にあるんだと僕は思います」タケシ

その通りだね。自分自身をよく見てすべて分かったら、もう世界がわかるくらいなもんだよ。みんな、自分をよく観察して自分を理解しなきゃね。

「知ってるよ。ジュンのことはぜんぶ知ってるよ。だからもう無理しなくていいんだよ」

ツカさんは聞いてくれただけで、役立つことは言わない。そう、役立つことを言ってあげなくていいのよ。側で理解して、共感して、味方になって、お前のような奴俺は好きだと言ってくれ、話したくなるのを黙って待ってくれる、私もそういう人でありたい。

「忘れるな、自分より弱いものを抱いて守ってやってるときの感触っていうか、気持ちっていうか、ぜんぶ忘れるな。それを覚えてるうちは、おまえはゼツメツしないと思うぜ」ツカモト

つまり、慈しみの心があればってことだね。

エミさんは雲の写真を撮り続けている。雲って面白いね。雲は変わり続ける。同じ瞬間は二度とない。だから面白い。飽きない。雲は人生・・・

「センセイ、ゼツメツする僕たちにも希望をください」

想像力は希望 想像力は信じること 信じることは約束

生きるって、何かを信じていられるってこと

「いじめ」という言葉を使わないで「踏みにじる」と言おう
夢、希望、正義、優しさと思いやり、自分が自分にとってすごく大切な存在なんだという誇り、、、こういう大事なものを「踏みにじる」

でも、夢や希望などより大事なものがある。一番大事なものは「生きる」という思い。

物語の作者は物語を終わらすんじゃなくて、、、手放すのですね。

 

星5つ  


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