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ONKYO A-7VL 長期利用レビュー(ONKYOレビュー2)

2020年10月13日 | ヘッドホン、音響関連






ONKYO A-7VLの購入経緯

今回はD-212EXに続いてプリメインアンプのA-7Lのレビューです

ヘッドホンシステムを何年も遊んだ経験に基づき、アンプの重要性はもちろん理解してある
D-212EXを購入した直後にはKENWOODのAVアンプを使っていたが、買った時からいずれピュアアンプを購入つもりでいた

最初に使っていたKenwood VRS-7100はTI社のフルデジタルアンプを使っていて
解像度は悪くないが無機質でドライな音になってしまう
一ヶ月くらい聞いた感想ではやはりサラウンドとDSPエフェクトなど映画再生重視のAVアンプでは
ピュアオーディオ的な作りを兼ねるには無理であった
総じてインパクト感を強調して映画ぽい音、音のナチュラルさと潤いも感じず
ぶっちゃけ最近各メーカーのHDMI入力のAVアンプも同じ傾向を感じる

DAC IC、デジタルアンプIC等の発展よりオーディオシステムは小型、高音質化になっているが
ピュアオーディオのDACとアンプはアナログ段こそ音質の要とずっと言われてきた
デジタルアンプであっても、増幅段のアナログパーツの設計と質によって最終の音質が大きく影響される

デジタルと聞いて「信号は減衰、劣化されなくなるじゃないの?」
と反応する人も一定数いるかもしれない

これは大きな間違いで、まず、この宇宙のあらゆる信号は必ず減衰、劣化する
「デジタル入力」に限っては、一定な閾値を超える限り減衰、劣化しても判別に影響はでない
5v/0vのNRZデータで5.5V/0.3Vくらいでも通る、44.1KHzのTOSLINK入力に44.15でも認める…感じ
しかもこれは入力の話、出力は基本的アナログの世界
例えば、液晶ディスプレイはHDMIのデジタル信号を出力するもの、明るさ、色、可視角、コントラスト等色々出てくる
デジタルアンプもまた、電源供給の余裕さ、コンデンサーの容量、スイッチングの方式により大きな違いが出る
何故デジタルアンプに拘るの?という意見が当時から多かった
ONKYOにも長年アナログアンプの技術は持っていた(WRAT等)
当時はONKYO A-9000RとA-9050、 TEAC AI-501などを聞いて
解像度、音の相性、駆動能力等を色々吟味して、ONKYO A-7VLに決まった

A-7VL DAC : PCM1796 x 2

A-7VLはDAC付きプリメインアンプというカテゴリーに入っていて
DACはTI社のPCM1796をデュアルモノラルで二個構成されている

PCM1796は192KHz/24Bitまでの入力が許容されるが
A-7VLの設計により光デジタル入力もコアキメイル入力も96KHz/24Bitまでしかサポートされない
Hi-Resの時代ではこれは大変残念なことで
折角良質なDAC設計なのにDSDはともかく192KHzもだめのはやや時代遅れを感じた
A-9050なら何と起動20時間以上となると192KHzが使えるという裏技はあったが
A-7VLのコントローラーIC(SPDIF/I2S変換)を交換しないとどうにもならないと思う
一応ハードウェアにも若干経験はあるのでジャンク品のA-5VLを入手できる次第チャレンジしてみようかな

お手持ちのDACからA-7VLのラインインに繋げば96KHzの問題は解消されるが
A-7VLの売りの一つであるVLSCが使えなくなる(内蔵DACの出力段フィルタリング技術)

ONKYO VLSC技術紹介

僕も最初からずっとA-7VLの内蔵DACを使ってきたが
今は主にFOSTEX HP-A8とTEAC UD-301に接続して使っている
サブシステムのA-5VL + TEAC S-300HRはS.M.S.L Sanskrit 10th MKIIに繋いでいる

A-7VLのDAC部の欠点まとめ
■ ラインアウトはない、またサブウーファー出力もない(SL-D501の接続方法は次回で説明)
■ TAPE IN/OUTはあるが、そのOUTはあまり意味がない(次のアンプに接続するのはNG)
■ DAC部は96KHz/24Bitしかサポートしない、88.2KHzもだめ(44.1/48/96KHzだけ)

A-7VL アンプ部 : 90W VLDigital Amp

世の中には色々デジタルアンプの技術がある
馴染みのSONY S-Master、TIのフルデジタルアンプIC、Kenwood等にも独自のデジタルアンプ技術があった
自分の経験ですが、デジタルアンプは比較的に小型サイズで大出力、しかも高解像度の音に出せる
ヘッドホンアンプならデジタルアンプとオペアンプの差はそこまでないが
スピーカーシステムでは一目瞭然くらい違いはあった
いままで聞いたピュアA級動作のクソ思いアンプは音は上品で滑らかだがデジタルアンプに比べると籠ると感じる
安いデジタルアンプ(アマゾンで2000円くらい売っている銀色のやつ)だと、パワフルと高解像度だけで音のしなやかさは足りない
最初のKenwood VRS-7100もそうでした

しかし、A-7VLは違った、ピュアアンプだけのことであって
デジタルアンプの基本性能を発揮しんがら、上品でしなやかさな音がした

スピーカーによる所も多いが、A-7VLアンプの傾向として
■ 低域:低域はやや控えめだが制御力が良く、ダイナミックで弾力のある低域が響く
■ 中域:ある程度の色付けがあり、滑らかで艶やかな音をアレンジしていく
■ 高域:デジタルアンプらしく、極めて高解像度で繊細透明、クリアさと透明感をスピーカーの限界まで発揮する

今思えば、A-7VLの色付けは同社のDAP DP-X1と結構にていて
中域のやや高い所に厚みを増やし、透き通る透明感のある高域を作る

自分はA-5VLも所持していて、違うスピーカーを繋ぐので純粋なA/Bテストはできないが
両者とも結構似たような音の傾向でした
ネットの評価によるとA-VLの低域は綺麗という声はあったが、自分はあまり差を感なかった
ただ、A-VLはイコライザーがついてない分、回路は単純となり「純粋な音で勝負!」という気概を感じる

A-7VLもA-5VLもチャンネル毎に20000μFの巨大コンデンサーを使われて
軽くて安いデジタルアンプに比べると、物理的に低域の出力能力は必然的にこっちは上に違いない

A-7VLまとめ: D-212EXには満足できるアンプでした

プロのレビュアーとAV情報サイトと違って、個人によるスピーカーレビューはかなり限定的である
僕はA-7VLを購入して以来、D-212EX以外のスピーカーを繋いだこともない
TEAC S-300HRとONKYO D-112EXT/D-112E, Kenwood LS-K1000もあるが
それそれの定位置にあるため、手軽に移動できるものではない
だからタイトルはD-212EX限定となる
恐らくですがS-300HRとA-OMFを用いたD-112Eシリーズもかなり相性が良いでしょう

これから余程の事情がない限りアンプを交換するつもりはないが
新しくプリメインアンプを購入する人には、
同じくVLDigitalとVLSCを搭載したONKYO最新のデジタルアンプR-N855を購入した方が幸せになるかもしれない
アンプ部の性能はほぼ同等で、DACはDSD128サポートのAK4490を使っている、勿論96KHzの制限もない
NASプレイヤー機能にも搭載しているのでスマホで操作しながら音楽を聞くのは結構楽です


ONKYO プリメインアンプ INTEC R-N855


ONKYO プリメインアンプ 90W+90W (シルバー) A-7VL(S)

次回は、サブウーファーのONKYO SL-D501のレビューになります


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