AZオーディオレビュー

耳を澄まし、クリアな音を聞いて感動し涙した
オーディオ関連製品のレビュー、電子製品評価等

ポータブルプレイヤーKenwood G708レビュー

2012年12月30日 | ヘッドホン、音響関連
ポータブルプレイヤーKenwood G708レビュー

据え置き型DACと互角する音
クリアで高解像度、高級ヘッドホンの真価を発揮するポータブルプレイヤー



Kenwood G708

Kenwood G708

Kenwood G708

Kenwood G708

Kenwood G708

Kenwood G708

また今更レビューなんだけど
あと少ししたら、新品でも入手し難くなるだろう
KenwoodはJVCに併合され、今後ポータブルプレイヤーを出す計画もなく(らしい)
事実上、G708はKenwoodさんの最後のメモリプレイヤーである

据え置き型DAC付きヘッドホンアンプAudio-technica AT-HA26Dと似てるような音
一言を言うと、解像度が高くてクリアな音
多分そのままDACとしてつかっててもある程度やっていけると思う
実際にDACとして使ってみてAT-HA26Dと比較すると
AT-HA26DはG708より高解像度、結像力が高く。G708も高解像度だが音は少しぼんやりしていた
やはりポータブルプレイヤーには限界があって、据え置き型DACと対決するのはちょっと無茶かもしれない
しかしG708はDACとして使っても決して悪くない、刺激過ぎない、すっきりして長く聞いても疲れない音になる

プレイヤーとして使ってみる
G708は一応ポータブルプレイヤーなので早速本題に戻してプレイヤーとして試聴してみる
使用ヘッドホンは、オーディオテクニカのATH-AD1000
これは、素直になかなかいい音
自分は長くソニーウォークマンのAシリーズを使ってましたが、単純的に解像度を言うとG708は上です
しかもフラグシップのZ1070と比べててもG708の解像度も負けていない、というよりやや勝っている
音のバランスは極めてフラット味付けのない音
ソニーは低域を増幅したり中高域を弄ったり意図的に「ソニーの音」を作っているが、
Kenwood G708はありのままの音を素直に表現し、
ソニーと比べてダイナミック感はないもののより自然、クリアに聞こえる

ソニーMDR-EX1000イヤホンとの相性
MDR-EX1000との相性は悪くない、素直でフラットな音、解像度は高め音の繊細さを感じる
しかしZ1070の時と比べて中域と女性ボーカルの温もりと暖かさは消え、無機質な音を鳴る
やはりMDR-EX1000の最強コンビはNW-Z1000シリーズであって、と実感したかもしれない

ソニー高級機と同じくデジタルアンプだが仕組みは違う
ソニーのフラグシップ機の売りである古デジタルアンプS-Master MX/S-Master
Kenwood G708もClass-W方式のデジタルヘッドホンアンプを搭載
一応、S-Masterはソニーの自社技術であってClass-W(W-Class?)はWolfsonの技術です
Wolfson、音量に応じて電源電圧を変えるアンプのオーディオコーデック開発
違いは、ソニーS-Masterはデジタル信号からインパルス信号に直接変換し、LPFによる不要な高域ノイズを除去したたでけで
論理的にDA/AD変換による劣化はない、みまりアンプも同時にDACであり、二次増幅はいらないし食い
Wolfsonのデジタルヘッドホンアンプは従来のD型アンプのように、DACから出力されたアナログ信号をもう一度AD変換しデジタル信号にする、
それからΔΣ変調してアナログ信号に還元する
DA/ADの精度にもよりますが、論理的にソニーS-Masterの方式は優秀です
しかし据え置きDAC、もしくデジタルヘッドホンアンプはすべて後者の方式でやるので
優秀な回路設計、チップ性能があれば、最終出力性能はS-Masterより上回るはず

外観、操作の安さは△
音質はいいですが、UIと操作は少し不便と感じる
まず選曲ボタンは上下ボタンになっているのはどうしても慣れない
メニューは簡単で分かりやすいですが、なんか二世代前のものと感じる
一番我慢できないのは曲を再生すると、何と最初の0.2秒くらいはなくなってる
しかも次の曲に飛ぶと「ボ」というノイズみたいな音が出る
この辺はちょっといい加減すぎて腹立つ
音質がいいと言って基本のところをちゃんとしないと失敗するぞ
(って言うがすでに惨敗している)

外観はプラスチックで悪くないが、ソニーのA850シリーズと比べて明らかに格下
しかもディスプレイはなんと220x176という10年前位のノキア携帯と同じスペック
少なくともQVGAくらい使え、と心の中から叫びたかった

起動は10秒くらいかかる
SDカードも使えるからこの辺は許してやる

microSDHCカードは32GBまでサポート、裏技を使えば64GB SDXCカードも使える
裏技とは64GBのmicroSDXCを普通のカードリーダに入れてを強制的FAT32でフォーマットする
そしたらPCで音楽ファイルを入れる、これで本体に差し込むと一応使える
ただし本体をPCに繋いでカードリーダモードとして使うと「メモリカードが破損した、
フォーマットしますか」というメッセージが出るらしい

高域補正機能:Supreme
最初はスーパーミ(Superme)と読んでいたがどうやら間違えたようです
スプリーミ(Supreme)が正しいです、なんだが最初は「スーパーな俺」という意味かなと妄想していた(笑)
ソニーのDSEEと同様に圧縮音源でロスした高域を補正する機能で
多分WAVと320KBpsのAACがメインであれば、殆ど効果はないと思う
音質をある程度求めてきた人は、まず無圧縮音源を聞くのは基本である

RMAA測定結果

録音機材:Sound Blaster Digital Music Premium HD(SB-DM-PHD)
G708設定:イコライザオフ、Supremeオフ

帯域反応はほぼフラット、しいと言えば高域は沈むようになる
これは女性ボーカルによる「サ行の刺さり」を抑えるためかもしれない
据え置き型DACと高品位USBサウンドカードに敵わないものの
44.1kHz/16bitの数値としては悪くない
(44.1kHz/16bitのSNR,Dynamic rangeは論理的に96dBまで制限される)
高域の歪みを示すTHDも44.1kHz/16bitとしてはかなり良いレベル
なお、G708はラインアウト端子を備えていないため、フォンアウトから測定デバイスのライン入力に直結した
使用したケーブルはAudio-technicaのDVDLink AT-DV61A

Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.10, -0.16 Very good
Noise level, dB (A) -87.0 Good
Dynamic range, dB (A) 87.0 Good
THD, % 0.0044 Very good
THD + Noise, dB (A) -69.3 Average
IMD + Noise, % 0.038 Good
Stereo crosstalk, dB -86.7 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.034 Good
General performance Good


Frequency response

Noise level

おまけにAudio-technica AT-HA26Dの結果も貼っておく

Musiland Monitor 02 US Dragon - RMAA(96KHz/24Bit)

Audio-technica AT-HA26D:
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.16 Very good
Noise level, dB (A) -106.5 Excellent
Dynamic range, dB (A) 106.2 Excellent
THD, % 0.0017 Excellent
THD + Noise, dB (A) -91.5 Very good
IMD + Noise, % 0.0030 Excellent
Stereo crosstalk, dB -100.6 Excellent
IMD at 10 kHz, % 0.0056 Excellent
General performance Very good


Frequency response

Noise level

RMAA測定の話はこちらにも少し書いてあるので興味ある人はどうぞ

まとめ
Kenwood G708は多分Kenwoodさん最後のポータブルプレイヤーであり
現時点で一番安い値段で高音質プレイヤーであるかもしれない
時々ヤマダ電機は1980円で投売りしているので
そのようなチャンスがあれば絶対買いです
2chのKenwoodスレでは面白いコピペを見たので貼っておきます

「音が良ければ売れる」
「音さえ良ければ売れる」
「音さえ良ければ他はいらない」
「音さえ良ければ売れなくてもいい」
「音さえ良ければ売らなくてもいい」←今ここ

とにかく頑張ろう、Kenwoodさんよ


ケンウッド デジタルメモリーオーディオプレーヤー (ブラック) MG-G608-B


最新の画像もっと見る

コメントを投稿