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ヘッドホンのリケーブルによる音質変化を測量してみた

2020年11月26日 | ヘッドホン、音響関連
三行まとめ
■ 周波数特性を測った所、リケーブル後の変化は認められた
■ 試聴した主観印象でも音が変わった
■ 音の変化は感覚的に5%、主に高域及び分解能の改善に繋がった

リケーブル用のヘッドホンはTAKSTAR TS671
メリットは安いしそれなりに音が良い
かつてAudio-Technica AD700のような音がして、値段は3000円程度でとても安いオープンエアヘッドホン
つまり、ぶっ壊しても痛くも痒くもない(笑)、実験に最適ですね
今回のリケーブルはさらなる実験のため、3.5mm 3極のイヤホンジャックを本体側に設置する予定
そして、改造前と改造後の周波数特性(マイクによる録音)を測り、変化があるかを観察する


Zoom H2N

amzn.to



録音用のマイクはZoom H2Nのモノラルモードを使っている、
測定時ヘッドホンも片側だけ測定音を流すので逆側からの影響を受けないように気をづける

ではリケーブルしてみましょう

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オリジナル状態のTS671、まずは数回周波数特性とRMAAを測定する
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RMAA測定中
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TAKSTAR TS671
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まずはTS671のイヤーパッドを外す
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TS671のイヤーパッドの裏面
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TS671のドライバユニット、フレームは全部プラスティック
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TS671のドライバユニット、フレームは全部プラスティック
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内部の回路、真ん中はグランド(何故赤色?)、左側の緑はLチャンネル、右側の黒はRチャンネル
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ケーブルを固定するための板
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先ほどの板を外すと、ケーブルはさらに結び目で脱落防止、本当はコイル効果で音質に悪影響するが

今回使う内部結線は、OYAIDE PA-04からばらしたPCOCC-Aケーブル(勿体ない気がするが)
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3.5mm 3極のイヤホンジャック
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まずドライバユニットのから全ての線を外す
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オリジナルのケーブルも外す
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外せた、音響用途以外なら使えそうが多分使わないだろう
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元々のケーブル穴をこじ開け、3.5mmジャックを設置する
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内部ではこう
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OYAIDE PA04をばらす
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PCOCC-Aケーブルを取り出し
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そしてドライバユニットに半田付ける
DSC09496.jpg
逆側は3.5mmのジャックに半田付ける
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半田付けが終わった
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終わったらフレームを戻す
DSC09502.jpg
一応完成、まずはAudio-technica Goldlink AT544Aを繋いてテスト
ちなみにAT544Aは違う線径のOFCを用いて質もそれなりに良い

では、一番重要な測定結果は?

元ファイル

何度も測定した結果、周波数特性では誤差範囲を超えた箇所はいくつがあった
例えば1.2KHz/1.8KHz/3.9KHz辺り
どこにあるかが分からないなら、グラフを見る方が早い

元ファイル

RMAAの測定データはこちらから
http://sheryl.tw/img/SB-HD/TS671.htm

無響室で録音したわけではないのでSNRは参考にならないが
改造前は5回ほど、改造後も5回測定したところ(グラフにはそれぞれ2回の結果をピックアップ)周波数特性は確かに変化が認められた
一番結果に影響しやすいのはマイクの位置、そこまで精密に設置したわけではないが一応距離は測っている


TAKSTAR TS671

TAKSTAR TS671

TAKSTAR TS671

TAKSTAR TS671

まとめ

結論は、リケーブルによる音質変化は確かにあった
あったがそこまで変わったわけではない、
周波数特性のデシベル(dB)は3dBごとに倍の音量を意味する
これを見ると、人間の耳で判別できる音の変化はありそうだ
周波数特性の違いと、聴いた感じでは5%くらいの変化はあった
特に高域がやや明るくなり音がより明確になった、分解能も若干改善された
元々のTS671は音響性能がAD700と同レベルでしたら、AD750くらいになった感じかな

そもそもこの手の実験は本職ではないし、あまり時間をかけても馬鹿馬鹿しいとしか思わない
今回の目的は「リケーブルによる音質変化」の検証
それは確かに「影響はあった」という結論が得られた

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amzn.to




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