鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

蒐集品を晒してみる・その③ 日本・紀元二千六百年祝典記念章

2010-12-21 23:12:06 | 蒐集品
   

久しぶりに蒐集品の紹介です。今回は「紀元二千六百年祝典記念章」。
ちょっと解説しますと、この「紀元二千六百年」とは西暦ではなく皇紀、つまり神武天皇即位を紀元元年とする日本独特の紀年法での年数になります。皇紀元年は西暦に換算すると前660年ですから、皇紀2600年は西暦で言うと1940年。大東亜戦争(太平洋戦争)勃発の前年にあたります。
この年には数々の記念行事が行われましたが、中でもハイライトとなったのが内閣主催で開催された11月10日の「紀元二千六百年式典」で、なんとこれを開催するために寝殿造の建物が建てられたほどでした。
で、そんな数々の祝典行事に関わった人々に授与されたのがこの「紀元二千六百年祝典記念章」です。
メダル部分の材質はアルミニウム青銅。表には皇室の十六弁八重菊花紋章と宮中三殿(賢所・皇霊殿・神殿)、皇居の意匠が配され、裏面には「紀元二千六百年祝典記念章」の文字と「昭和十五年」の文字がそれぞれ刻印されました。
また、綬(リボン)の部分は「空色ニ八条ノ紅線」とされました。
ただ、この意匠指定にはかなり無茶があります。何しろ宮中三殿なんて皇居の奥まったところにあって、とても表から見えるように描くなんて出来ないんですから。意匠担当も相当苦労したんでしょう、実物では二重橋の上、たなびく雲と思しき線の上に三殿の屋根部分のみが見える形になっています。
もっとも、鮎川がこの実物を見たときの感想は「なんか一般参賀の帰り際に売られてた記念メダルみたいな意匠だなあ」でしたが。まあ、二重橋から望む皇居って最も一般的なイメージですからねえ…。
ちなみにこの記念章、物としては結構メジャーなもので、オークションなどでは場合によって二千円くらいで入手することが可能です。気になる方は探してみてください。

なお、今回の写真はテストも兼ねてK/Hで撮影してみました。結果としては糞です。駄目だこりゃ。