映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

オールド・ボーイ

2005-04-28 19:15:15 | 映画
泥酔して、ある組織に監禁されるサラリーマン。目的も期間も告げられないまま15年が経過。催眠術にかけられたまま、なんの予告もなしに釈放される。誰が何の目的で・・・。

怪作・・・。

こんな言葉がしっくりくる。誰にでも薦められる映画ではないし、だからこそカンヌで絶賛されたのにも首をかしげる。タブーをテーマにし、痛い描写も多い。話の展開自体には特に新鮮味は無く、ネタバレしてからも別に驚きはなかった。ちなみに、原作は日本のコミックらしいが、よく知らない。まぁ、復讐の映画だね。キル・ビルが暑苦しくなったような感じ。

ところが、印象度はかなり高い。とにかく主演のチェ・ミンシクの怪演に尽きる。最初っから全開の演技で、コレ2時間観続けるのきついよなぁと思いながらも、慣れって恐ろしい。あれが普通に見えてくる。クライマックスのわんわん演技で我に返った。
とりあえず、釈放されてからしばらくのヘンな役作りに笑いっぱなし。中盤以降の自分探しの旅あたりは、平静を保てたが、ラストの対決でまたぶり返す。良くも悪くも存在感のカタマリ。すげぇ、この役者。
どーでもいいけど、大友康平に似てる。


エイリアンVS. プレデター

2005-04-27 14:59:02 | 映画
まぁ、内容はほぼタイトル通りだけど、正確なタイトルをつけるとすれば、「プレデター3~宇宙トカゲとの対決~」になる。エイリアンはあくまでプレデターの引き立て役。これ以上言うと、ネタばれしちゃうんでこの辺で。

期待してなかった分、意外と楽しめた。「エイリアン」は観たことあっても「プレデター」観たことある人って意外と少ないような気がするけど、どうなんだろう。両方観てる人にとってはゾクゾクする瞬間も多い。どうしようもないジャンクムービーだと頭ではわかっていても、世紀の2大SFクリーチャーが同じ画面上で戦っているってだけで満足。
例えば、プレデター、ショルダーキャノン使えば圧勝なのに・・・とか、エイリアン成長早すぎ・・・とか、人間と理解しあうプレデターってどうなの???とか、色々突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める。でも、ある意味イベントだよね、この映画。堅っ苦しく考えずに、素直に楽しんじゃえばイイと思う。P.アンダーソン自身も「エイリアン」「プレデター」だけにとどまらず、過去のSFやファンタジーものの記号をそこかしこに散りばめて、楽しんで作ってるのがよくわかる。

このイベント楽しみたいんだけど、「プレデター」観たこと無いって人は、最初に観ておくことをお薦めします。

ドッグヴィル

2005-04-25 14:18:04 | 映画
閉鎖的なアメリカの田舎町ドッグヴィルに、追っ手を逃れた美しい女性がたどり着く。住民投票で滞在を許されるが、条件として各戸での労働を科せられる。表面上はうまくいっていたが、些細な誤解をきっかけに奴隷同然の扱いを受けていくことになる。

カウリスマキがハッピーエンドに希望を託すようになったのとは裏腹に、トリアーは相変わらず絶望の中に真実を見出そうとする・・・・。
と、キレイにまとめてあげたいところだが、この監督、はっきり言って、ただの超ドS。物語もそうなら俳優の扱いや観客に対しても。確信犯的にSな映画を撮ってるというよりも、もう本質がSなんでは?と思う。だからそれが作品ににじみ出てくるんだろう。ナレーションで3時間の物語を語って、俺の手のひらの上でこの映画は回ってるんだ、と言ってるようだ。
観てない方のために補足すると、この映画、背景が無い。というのはまぁ、極端だけど、地面にチョークで家や部屋、道の仕切りを描いているだけ。犬ですら、地面に2次元で描かれてる。要するに、カベというものが存在しないので町の人たちの生活がどのカットからでも一望できる。これはかなり新鮮だった。でももうこの手は使えないだろうなぁ。セットの無い舞台劇というとわかりやすいかもしれない。そうそうたる実力者の俳優たちが学芸会のリハーサルをしているような感じ。うーん、このへんってS心をくすぐるんだろうか??「こんな貧相なセットでオレ様がハリウッド俳優を操ってるんだ」と言いたいのかな?
ちなみに「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で、アメリカに一度も行ったことがないのにアメリカの映画を作った、と批判されたのに、ぶち切れてこの映画を作った、という噂です。

まあ何にしろ、ここまでのものを作り上げちゃったトリアーってある意味すごい。

で、クライマックスもすごい。あれでスカッとするか胸糞悪くなるかで自分のSM診断ができる(かも)。

6年

2005-04-23 14:29:10 | 雑文
もう12年ぐらい前になるが、仕事から帰宅すると、その当時住んでいたマンションの入り口の前に1匹の猫が座っていた。シャム系の雑種のようだ。野良のはずもなく、「どうした?捨てられたか?」と話しかけると、かすれた声で
「にゃぁ~」
とひと鳴き。ひとしきりなでくりまわした後、そろそろ家に入ろうと思い、階段を上ってると、ついてくるではないか。その人なつっこさに邪険にもできず、そのままにしてると、結局4階まで上がってきてしまった。
「う~ん、どうしたもんか・・・」と、しばらく悩んだあげく、それ以前に飼っていた猫のことも思い出したりして、結局ウチに上げてしまった。
お腹空いてるみたいだし、ご飯だけ食べさせて帰そう、と思い、コンビニに走り一番安い猫缶を買ってきた。皿に盛ると、あっという間に平らげた。


出会いはそんな感じ。

その日は、ご飯をあげたあと外に出したが、それからというもの、家に戻ると必ずマンションの前で待ってる。部屋のドアの前で待ってないのは感心感心、と思い(もちろんペット禁止なわけで)、猫缶は常備するようになっていく。
2~3ヶ月はそんな調子だったかなぁ。


ある日のこと、仕事から戻ってきても、いつもいるはずの場所にいない。近くをひととおり見回って、舌を鳴らしたりしても(これ4階のベランダからやっても階段駆け上がってくる)、姿が見えない。
自分みたいな猫好きの人に拾われていったかなぁ、とちょっと寂しさも味わいつつ、その日はそれですんだ。翌日になっても、その次の日も・・・、結局1週間ぐらいは姿を見せなかった。(元気で居てくれてるといいけど)と思いながら、朝、駅に向かって歩いてると、電柱に何やらいつもは見かけない貼り紙がしてある。
「猫、預かってます」
!!
シャム猫のようだ。間違いない。車にはねられて、道端でうずくまってるところを病院に運んでくれたようだ。
すぐ連絡しなきゃと思ったが、でもよく考えたら、自分って別に飼い主じゃないよなぁ。
結局その朝は連絡しなかった。このまま、その親切な人にまかせたほうが幸せに決まってる。自分はというと、夜にご飯あげるために家に上げるだけ、という始末。

でも・・・、

事故ったんだよなぁ。どんな具合なんだろう。それにその人、飼い主でもないのに病院まで連れてってくれたりして。ペットって保険きかないから高い、というのは以前飼ってた猫で経験済み。

結局、夜になって連絡して引き取りにいってしまった。忘れるはずもない、中村さん。猫3匹に犬1匹が迎えてくれた。
正直に今までの経緯を話した。実は正式に飼ってるとはいえないんですよー的な。すると、一度奥に引っ込んだかと思うと、「これ使ってください」と優しい笑顔で猫用トイレを手渡してくれた。「うちのコ、このトイレ使ってくれないんですよー」「中にエサとトイレ砂もいれてありますから」

自分の今までの中途半端さが恥ずかしかった。その中途半端が事故を招いたわけでもあるし。
重ね重ね、お礼を言い、拒む病院代を無理やり受け取ってもらい、中村さん宅を後にする、自分と1匹のシャム猫。

(よく考えたら、名前もつけてなかったなぁ)




つけた名前は「ミー」。安易だけど呼びやすい。
その後、数年の間、相棒として(ちなみにメスです)同居することとなった。
たまに外に連れ出すと、車の音に異常に反応するようになっていた。
また、4階のベランダから落下!したりもしたが、生命力の強さを見せつけられた。


しかし、
高齢と腎臓病には勝てなかった。入院したまま逝ってしまうのが可哀想だと考え退院させたが、しばらくは相変わらずの生命力の強さを見せた。
でも、ご飯を全く食べなくなり、ベッドの下にこもるようになり始めた。

そして、
胸騒ぎのした日の朝、会社に仮病の連絡をし、今日は1日一緒に過ごそう、と思ったまさにその日の昼、自分のひざの上で息を引き取った。
最後にまたかすれた声で「にゃぁ~」とひと鳴きして・・・。


4月22日のこと。あれからもう6年になる。


ベランダに写真出してみた。あの頃とは違うベランダだけどね。

用心棒

2005-04-22 12:12:59 | 映画
会社の同僚に「用心棒借りたけど観る?」と誘われた。というわけで、夜仕事終わってから、花見で余った酒片手に、社内で「用心棒鑑賞会」。つっても4人だが。

クロサワ映画を初めて観たのは、小学生の頃、家族で観にいった「影武者」。小学生に理解できるはずも無く・・・。それ以来、クロサワからは遠ざかっていたが、大人になって勤めた会社の社長に強引に薦められて一通り観た(抜けてるのももちろんあるが)。初見の「用心棒」の印象はいまいちだった。期待しすぎたというのもあるかも。なんかこうつかみどころが無いというか。話があっちいったりこっちいったりして、三十郎のキャラ設定にも入り込めなかったし。

で、こないだの鑑賞会だが、4人のうち2人はクロサワ映画自体が初見だったらしく、かなり盛り上がってた。「あの人って水戸黄門だよね?」「でけぇー、誰あの巨人」「仲代、若ぇ~」。。。(うるせぇ~)

で、2回目の印象はというと・・・、そんなに変わらなかったりして。映画としての技は存分に感じることができたが、物語自体にどうも入り込めない。こんなプロットでこんな展開でこんなキャラがいて・・・、なんかクロサワに踊らされてると一度でも感じちゃうと、もう駄目。三十郎が家一軒、刀でなぎ倒す場面があるが、あそこは目を見張った。あれって1テイクでまさかやり切ったんだろうか。何度も何度も撮り直しできないよなぁ。
最後の決闘シーンの2人の動きも魅せる。一歩間違うと、笑っちゃうようなセンスだけど、ぎりぎりで踏みとどまってる印象。
でも、仲代の死に際、しつこすぎじゃない?

LAND WALKER

2005-04-20 13:46:05 | 雑文
あははは!
すげー、コレ
よく作った!えらい!
ほしぃ~、という気持ちと、いらねぇ~、という気持ちが同時に押し寄せる。

膝関節は無いみたいで、すり足なのね。
ちょっと押せば、ガッシャーン!つって倒れそうな、その不安定さも泣ける。

ムービーの背景にちらっと映った車のドライバーは何を思ったか。
背後で吠える犬。お前の気持ちはよくわかるぞ。
エアガンの的もチャーミング。照明の暗さが、学生が作ったSF映画のノリ。

大体、(^^;) ←コレつけちゃう時点で、こんなの作っちゃった・・・って言ってるみたいなもんで。
壁紙のDLって・・・。いらねぇ~。

ちなみにこの会社、こんなロボも出してるようですが・・・。

群馬県少年科学館に置いてある、その名も「ぐんまちゃん」。




で、このLANDWALKER、幾ら?そもそもコレ乗ってたら真っ先に通報されちゃうと思うが・・・。



3600万でした。

イラク戦争と反日デモ、世論とメディア

2005-04-19 11:45:09 | 雑文
9・11テロ直後、日本のメディアは総じてブッシュ支持の立場を表明していたと記憶している。ブッシュ支持というと語弊があるがブッシュの対テロ対策への同調は明らかだった。「どんな理由であれ報復行為になんの利益も見出せない」ということを言う知識人や文化人も一部にはいたが、日本の世論は結局マスメディアに流され、イラク戦争開始当初は米軍の行為をほぼ黙認状態。ビン・ラディンへのアメリカ国民のやり場の無い怒りをイラクにぶつけたあの戦争を。
結果、民間人に多大な被害が出始めると、メディアは手のひらを返したように戦争反対、ブッシュを支持する小泉政権への批判を展開することになる。世論も一転、戦争はやっぱり良くないと気付く。ちなみに現在報告されている民間人の犠牲者数は19770人。
まぁ、日本の世論が反対したところであの戦争が回避されたとは思わない。開始当初、フランスの世論調査では9割近い国民が反対していたという事実もあるし。

話変わって、反日問題。今現在、メディアの論調はオブラートに包みながらも反日デモへの不快感を表明しているように思われる。冷静に中国政府への批判を展開しているように見えるが、ちょっと火がつくと感情論に押し流されそうなやばい雰囲気。国民の中には既に感情的になっている人たちもいらっしゃるようで・・・。在日中国人のことをいろいろ調べてたら、関連BBSへの罵詈雑言の嵐。日本政府は極めて冷静に対処しているが、それが「甘い」と映るようだ。これ、日本人に死者でも出ようものなら、どういうことになるかは明らか。非常に危険な状態。おおごとが起こってからでは遅いというのは、つい最近誰もが記憶していることだと思うが・・・。殴られたら殴り返す?路地裏の喧嘩じゃないんだからさぁ。もちろん、身内が殴られたら殴り返すでしょー。でもそれは周りが煽るモンじゃないと思う。
まぁ、いつかは沈静化するとは思うが、日本政府の腕のみせどころは沈静化したあとどうフォローしていくか。中国に対して、自国民に対して。これ、うまく立ち回らないと、また同じことがいつか繰り返されるのは明白。

自分は、「戦争反対、平和なのが一番」と、脳天気に言ってるんではないんです。日本の利益を考えたら、戦争や争いごとという手段は、どう考えてもありえない選択だと感じるわけで。もちろん、今回の反日問題で中国と一戦交えようなんて考えてる国民はほとんどいないと思いますが、でも中国国民に一泡吹かせたいぐらいは感じてる人は多いんでは?
今後もし、日本人留学生あたりに被害者が出たとしても、メディアの煽るような感情的な論調に騙されないようにしたいもんです。

アメリカン・スプレンダー

2005-04-18 13:09:23 | 映画
病院の書類係として働くさえない男、ハービー・ピーカー。妻にも逃げられ、趣味はJAZZのSP盤収集。こんなおたくな男がコミック出版を通して、ささやかなアメリカンドリームを実現する。

「このままではいけない」と思うかどうかが人生の分かれ目。妻に逃げられ自暴自棄になりかけていたハービーは、病院で書類を整理しているときにふとその思いが宿る。
・妻に逃げられる。
・声帯の調子も悪くいつもの自分ではない。
・JAZZレコード収集で立ち寄ったガレージセールで才能ある漫画家に出会う。
・人間観察の類いまれな才能を有している。
さまざまな要因が同時多発的に重なり、ニーズのすき間にもそこそこ嵌まり(爆発的ヒットというわけではないようだ)、ハービーはコミック作家として一応デビューを果たすこととなった。
理解ある妻を迎えることも出来、幸せ・・・なのかな?
「強迫神経症」という病名がしきりに映画中で出てくる。おたくを表しているといえるが、後半、ハービーが自分と同姓同名の人間のことが気になってしょーがないというシーンは象徴的。レア盤をゲットするためにガレージセールに行かずにはいられない、というだけではとどまらず、自分と同じ名前の人間がどんな人生を歩んでいるのかが気になってしまう、というのは誰しも少なからず感じたことがあるのでは?

観る前に誤解していたのだが、このハービー・ピーカーという人はクリエイターでもアーティストでもなんでもない。ホントにただの人。というか、ただのおたく。彼の目的は家族で幸せに暮らすことに終始する。また妻に逃げられるんじゃないか、という強迫におびえながら、妻のご機嫌をとる。

ちなみにこの映画、P.ジアマッティ演じるハービーと実際のハービーが共演するという面白いスタイルをとっている。それにコミック(アニメではない)的仕掛けが随所に盛り込まれて、それが嫌味にならずに適度で好感が持てる。

オイル交換

2005-04-16 14:29:33 | くるま
してきました。

YELLOW-HAT目黒青葉台店です。
昨日、テレ朝の番組で、蛭子さんが目黒川の桜をFOMAでレポートしてたけど、
すっかり散ってました。

ジンガロ「ルンタ」

2005-04-15 11:27:49 | 雑文
まず最初にケチをつけとくとして・・。

入場開始が15:30で開演が17:00。で、中にはエルメスの特設ショップやら六本木ヒルズあたりにありそうな特設カフェやらグッズショップやらがあると聞いてたので、時間つぶせるだろうと思い、4時には入場。
プレハブ内のショップをうろうろしてつぶせた時間はせいぜい10分。とりあえず座席に着いて、中の雰囲気を味わおうと思っても、テント内に入れるのは開演10分前とのこと。だったら座れるところをもっと確保しておいて欲しい。当日は暖かったからいいものの、もし雨でも降っていようものなら、ただでさえ高いプレハブ内の人口密度が倍増してたはず。

で、しょうがないんで、赤い斜線の部分にみんなたむろってたわけだけど、トイレ行列がものすごいことになっていて、しかも女子トイレは行列のせいでドア開けっ放し。大体、男子トイレと女子トイレが同じ数ってのは、イベント運営したことないんじゃないの??と勘ぐってしまう。
結局いたたまれなくなって、1回外に出ることにした。木場公園をチャリンコで1周して戻ってくると、そろそろテントに客を入れるらしく、今度はテントの前に行列ができてる。全部指定席だよなぁ・・・と思いつつ、外から様子をうかがってると、一向に中に入れる様子がない。あれ、雨でも降っていようものなら(しつこい)・・・。

係員の手際が悪いわけではないようだ。あらかじめ決めてあることが、どうも自分の常識からはかけ離れてるのかも知れない。

運営上の違和感をたっぷり感じつつ、予定を20分オーバーしてようやく入場。




中に入ると、すり鉢状になった客席の中央に円形の舞台があり、その周りでチベットの僧侶たちが何やら儀式めいたことを厳かに進行中。客席の最上階のさらに一段高くなったところで、チベットの楽団が癒しの音(うまい言葉が浮かばない・・・)を奏でる。
しばらく儀式に目を奪われていると、中央の舞台に数頭の馬の姿が浮かび上がってくる。もちろん本物の馬。瞬間、鳥肌が全身を駆け巡る。

とにかく、全編通して照明の演出が絶妙で、中央舞台のドーム状の幕の中身を見せたり隠したりというのが、妙に気持ちいい。
途中、バルタバス(この人が作・演出)が馬に乗ってたたずむシーンでもこの手法が見事に生かされていて、馬に乗る人が静止しているだけで、何かこうこみ上げるものがあった。

  


他にも、まず馬だけが登場するシーンなど、開いた口が塞がらなかった。人間が先導するわけでもなく、数頭の馬が中央の舞台まで歩いていき、たたずむ・・・。
アクロバティックな騎馬シーンでは、演奏が一変して打楽器メインになり、興奮を誘う。




異空間へのいざない、非日常的体験。客席を極力真っ暗にして舞台をぼうっと浮かび上がらせる演出。

スピリチュアルな2時間だった。


で、その後は、脱力感を感じつつ、またチャリンコで池尻まで帰ったのでありました。
(ちなみに自分は当日こんな行動をとってました)

コンフィデンス

2005-04-14 13:25:15 | 映画
まぁ、俗に言うクライムムービーってやつ?古くは「スティング」なんてのもあったが、最近だと「オーシャンズ11」あたりと限りなくかぶってる。
映画の中の仇敵を騙すことよりも遥かに重要なのが、

”観客をどれだけ騙せるか”

しかし、コレ騙される人いるのか?この手の映画、初めて観るような人はコロっといっちゃうんだろうか。。。ていうか、告知の段階で「騙し」映画ってことを売り文句にするほどの自信が裏目に出たのかもしれない。何の前知識も無く観たら、ひょっとしたら・・・てこともあるのかなぁ。
でも、映画の冒頭のシーンで前フリは完璧なわけで、この映画、どっかに騙しがあるはず、と思いながら観るのは当然だったりもする。
A.ガルシアが出てきて以降、(まさかなぁ、でもひょっとして、いやそんな簡単には・・・・、げーやっぱり!)という展開。
ま、想像どおりの展開でも別にいいんだけど、それならそれで観終わった後、「うーん、よくできてるなぁ」と思わせて欲しい。

どうでもいいけど、エドワード・バーンズ、声高すぎないか?


チャリンコと桜とジンガロ

2005-04-12 11:36:24 | 雑文
チャリンコ買った。20インチ折り畳み式、6段変速、荷台付き。値段は8900円。コレってひょっとして安いんでは?と思い、自分にしては珍しく衝動買い。色がシルバーで、ヘンなロゴ入りなのが引っ掛かったが、それでも安いよなぁ、と思い、買っちゃった。

チャリンコで池尻から木場までひょっとして行けちゃったりして・・・ムフフ。
というわけで、行っちゃいました、木場まで。折り畳み式で。
車で行っても1時間はかかる(東京時間)と思われます。ちなみに池尻というのは世田谷の東のはずれで、木場に行くには、まず山の手の上り坂をうまく迂回する必要があるわけで。出発する前に地図とにらめっこするが、ルートはわかっても上りかどうかなんてなかなかわかるもんじゃなかったりして・・・。結局、渋谷を避けて、目黒川沿いの桜を適当に見て、それから芝に行って桜を適当に見て、で北上して日比谷の桜を適当に見て、銀座で飯食って、あとは木場に向けてまっしぐら。と書くと、なんか楽しそうだけど、正直無謀だったのに気付いたのは芝に着いたあたりか(行く前に気付けって)。コレって木場に着いても、また帰ってこなくちゃいけないんだよなぁ。。。う~。
でも到着したら、達成感に包まれて1人にやにやしてました。

11時ぐらいに出発して、着いたのは3時半ぐらいだったかなぁ。
そもそも木場に何しにきたかというと、ジンガロを観にいったわけで。
木場公園(現代美術館があるとこ)内にテント張って上演してました。
チャリンコでジンガロ観に来る人ってきっとレアだよなぁ、と自己満足にも浸りつつ、観ました、ジンガロ。

ジンガロの感想は、また後日アップしますが、非日常的な体験というのがしっくりくるかも。鳥肌たつ瞬間が何度もありました。当日券も普通に売られてたんで、興味のある人は観ておいて損は無いと思います。今度いつ観られるかわかんないし。公園の駐車場もそんなに混雑してなかったんで、車お持ちの人は車で行っても問題ないと思います。

ちなみに写真は、世田谷観音の枝垂れ桜。結局、次の日に散歩がてらに行ったココの桜が一番良かったです。

財布、ATM、桜など

2005-04-08 11:44:30 | 雑文
財布をなくした夢を見た。この世の終わりか、ぐらい焦った。ま、実際はいろいろ手続きが面倒なだけだと思うが・・・。
よくよく考えてみれば、10年前から財布の中身ってほぼ変わってないよなぁ。カード1枚で何でもできる時代ってホントにくるの??正確に言うと、カードの枚数は確実に増えてる。そのうち7~8割は作ったときに一度使ったきり。

カードで思い出したが、銀行のATMって何であんなせかすんだろう。取引が終わって「カードをお取りください」つって、2~3秒そのままにしとくと、ボリューム2倍増しで
「カードをお取りください」!!
 まるで自分がとろいみたいじゃん??で、カード取って財布に入れてると、そのままにしといた札を早く取れと言わんばかりに
「現金をお取りください」!!
うるせぇ~。記帳も絡んでると、
「通帳をお取りください」!!
アレ、どうにかならんもんだろうか・・・。



桜、桜、桜って世間はうかれてる。ま、自分も桜見るのは好きだけど、桜にうかれて都内バスツアーとかに参加しちゃうおばちゃん達の気持ちまでは理解できない。ちなみに先週末、駒沢公園に行ったら、桜まだ咲いてないのに花見客がうじゃうじゃいた。中には、桜の木すらないとこで宴会してた。ま、一つのイベントってことで。
うちの会社、今夜花見です。たぶん今日は会社関係の花見宴会のピークだと思われます。憂鬱だ・・・。

桜の写真とってないんで、今日はコレで。







関係ないけど、明日ジンガロ行ってきます

ショーシャンクの空に

2005-04-06 11:17:20 | 映画
この映画に関しては説明は不要かな?生涯ベスト1に挙げる人が多いベスト1だと思われます。ココでは2位になってます。観てないと世間的にはヤバそうです。

なぜ今さらこの映画か?
実を言うと原作を最近読んだばかりで、確認の意味で映画版をもう1回観直したわけで・・。
個人的な感想を率直に言うと、観てなくても全く問題は無いし、観ればまぁそれなりに面白い、といったとこか。
キングの原作にはかなりの部分で忠実。原作を膨らました部分としては、自殺してしまうブルックスのエピソードが大きい。このエピソードが実はこの映画の一番の軸といってもイイ。
そもそも原作はキングお得意の「昔々こんな話があったとさ」的な御伽噺みたいなもんで、リアリティからは若干距離を置いている。テーマ自体も不明瞭。
その点、映画化するにあたってダラボンが与えたテーマは明らかで、

「環境が人を変える」

ブルックスもレッドも所長も看守もシスターの連中(新入りいじめが生きがいの囚人たち)も皆、刑務所という特殊な環境の中でいろんな意味で我を失っていく。そんな環境に放り込まれたアンディがもがきながら希望を模索していく。環境の変化に押し潰されたブルックスのエピソードの余韻に浸る間もなく、物語は急展開を見せていく、と同時にどんどん話は退屈に、いや、退屈ではないか。話自体は面白いんだけど、ブルックスの死を境にテーマがどんどんぼやけていく。環境に潰されてしまったブルックスとの対比でアンディを描いていきたいところなのに、原作に縛られすぎたのか、アンディだけがその環境にお呼びでない存在に成り上がっている。と同時に所長の収賄にも手を貸しているわけで・・・。結果的にちょっとしたクライムムービー的な下世話な展開。ラストカットの美しさに騙されてはいけない。ちなみにこの遠景での海辺のカット、「ICO」というPS2のゲームが同じようにエンディングで引用してるのを発見。

もちろん、希望を持ちつづけることが大事、というメッセージは胸を打つし、もっともだと思うのだが、発する本人は詐欺師すれすれの脱走劇。

イイ映画なのは間違いないところだと思うし、キングにしてはどうでもいい部類の作品に入る(個人的には)この本を、ここまでの映画に仕立て上げたフランク・ダラボンは見事だと思う。
ブルックスのエピソードで心を打たれるのは自分も同様。でも後半の展開に矛盾を感じてしまい、どうしても映画に入り込めない。

なんか自分、ひねくれすぎ??素直に感動するのがたぶん常識人なのはわかってます。
皆が大絶賛する映画ってどうも斜めから観ちゃう悪い癖がある。でも自信を持ってこの作品は「可もなく不可もない」と言える。

ポーリーヌ

2005-04-04 21:38:48 | 映画
ベルギー映画。
知的障害を持つ老婆ポーリーヌ。同居していた姉が亡くなり孤立無援、と思いきや、ポーリーヌの世話をすることを条件に遺産を分け与えるという姉の遺書。2人の妹がいやいやながらも面倒をみることに・・・。

知的障害ということで特殊な状況のようにも思えるが、老人問題・介護問題とも通ずるものがある。というかそういう観方をするのが普通だろう。
ポーリーヌはとにかく美しい草花には目が無い。花に水をやるのが生きがいみたいなとこもある。大輪の花のようなポーレットのことも大好き。彼女の元に身を寄せるのだが、ポーレットが経営するブティックの包装紙(真っ赤なバラのイラストつき)を切り取ってはアルバムに貼り付ける。とはいっても障害のため、ナイフとフォークもまともに使えなければ、靴の紐も結べない。障害によって巻き起こす騒動をちょっとユーモラスに描いている。内包する問題はもちろん深刻なんだけど、とにかく画(え)もサウンドも台詞も軽い。いい意味で。
ところが、ポーリーヌが決定的なチョンボをやらかしてしまって、結局もう1人の妹セシールのもとに預けられるようになってからの展開は、一転重い。
この辺のバランス感覚が面白い。脚本が丁寧に書かれてるという印象。細かい伏線の張り方もいやらしくなくほったらかしでもない。ポーレットの部屋は赤。セシールの部屋は白。エンディングを迎えるベンチの青白ストライプ。うーん、、色彩感覚もにくい。