カンボジア奥地のジャングルにある遺跡に住み着くトラの親子。遺跡のかけらをオークションで売りさばくために踏み込んできた人間たちのせいで、家族離れ離れになってしまう。
時代設定はフランスの植民地時代の1920年代。
人間のジャングルへの介入と、白人の途上国への介入がシンクロして描かれる。実は映画内に見え隠れする背景にはなかなか深いドラマを内包していると思うのだ。そもそも心優しい人種として知られるクメール人(カンボジアの9割を占める)。歴史上、タイやベトナムに攻め入れられたり、フランスの植民地から独立して以降は、共産勢力との内戦に敗れて自国民の大量虐殺があったりと、波乱万丈な歴史をたどっている。現在のカンボジア情勢は勉強不足であまり詳しくはないが、王制が復活して落ち着きを保ってるのかな??どうなんだろう。間違ってたら指摘してください。
この映画にも国王が重要な役どころで登場してくるのだが・・・。
とまあ、長々とフォローしてきたつもりだが、物語はとにかく2頭のトラの数奇な運命に終始する。ジャングルの食物連鎖の頂点に立つはずのトラが、無理やり踏み込んできた人間に殺されたり、捕らえられてサーカスに売られたり、国王のペットにされたり、レジャーハンティングの的にされたりするわけだが、当のカンボジアが文明国や好戦的な国に蹂躙されてきた(もしくはこの時代以降されるであろう)、その事実を匂わせる映画にはなっていない。そこまでしっかり描けていれば、この映画、大化けしていたと思うのだが・・・。
例えば、「キリング・フィールド」というカンボジアの内戦を描いた映画があったが、あれに野生動物を絡めた映画。そんな風にできなかったもんか。かわいい動物を観たい客にはピンとこないかもしれないが、意外と訴求力のある反戦映画になるような気がする。
ちなみに、トラと対峙した国王が心境を吐露するシーン。映画全体のトーンからすると、浮いたようなこのシーンだけど、実はこのシーンが一番好きです。
時代設定はフランスの植民地時代の1920年代。
人間のジャングルへの介入と、白人の途上国への介入がシンクロして描かれる。実は映画内に見え隠れする背景にはなかなか深いドラマを内包していると思うのだ。そもそも心優しい人種として知られるクメール人(カンボジアの9割を占める)。歴史上、タイやベトナムに攻め入れられたり、フランスの植民地から独立して以降は、共産勢力との内戦に敗れて自国民の大量虐殺があったりと、波乱万丈な歴史をたどっている。現在のカンボジア情勢は勉強不足であまり詳しくはないが、王制が復活して落ち着きを保ってるのかな??どうなんだろう。間違ってたら指摘してください。
この映画にも国王が重要な役どころで登場してくるのだが・・・。
とまあ、長々とフォローしてきたつもりだが、物語はとにかく2頭のトラの数奇な運命に終始する。ジャングルの食物連鎖の頂点に立つはずのトラが、無理やり踏み込んできた人間に殺されたり、捕らえられてサーカスに売られたり、国王のペットにされたり、レジャーハンティングの的にされたりするわけだが、当のカンボジアが文明国や好戦的な国に蹂躙されてきた(もしくはこの時代以降されるであろう)、その事実を匂わせる映画にはなっていない。そこまでしっかり描けていれば、この映画、大化けしていたと思うのだが・・・。
例えば、「キリング・フィールド」というカンボジアの内戦を描いた映画があったが、あれに野生動物を絡めた映画。そんな風にできなかったもんか。かわいい動物を観たい客にはピンとこないかもしれないが、意外と訴求力のある反戦映画になるような気がする。
ちなみに、トラと対峙した国王が心境を吐露するシーン。映画全体のトーンからすると、浮いたようなこのシーンだけど、実はこのシーンが一番好きです。