映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

未来世紀ブラジル

2006-06-29 11:58:21 | 映画
社会人になりたての頃、当時の社長に「映像業界に身を置くんだったらこれだけは観とけ」と言われたのが、クロサワとキューブリックとモンティ・パイソン。なぜモンティ・パイソンなのかは今もって不明。ただ単に社長が好きだっただけだと思う。で、モンティ・パイソンつながりで観たのがギリアムの「未来世紀ブラジル」。モンティ・パイソンをひたすら消化した後に観たもんだから、それほどの衝撃は受けなかったのが正直なところ。
W杯も中休み。久々に映画でも観ようかと思ってビデオ屋行ったら、たまたま目に付いたんで久しぶりに鑑賞。

靴のかぶりもの


「20世紀のいつかどこかで・・・」
こんなテロップが冒頭に流れる。超管理社会を風刺した近未来SF、というのがこの映画の一応のくくりだとは思うが、それだけでは語り尽くせない何かがある。なんか懐かしかったり、甘酸っぱかったり・・・。テーマ曲の「Brazil」がそんな感情を執拗に喚起する不思議な映画。シュールでブラックだが主人公の行動はやけに情熱的だったりするし。



管理する側のシステムは不具合だらけで、役所の人間も仕事の出来ないやつばかり。テロリストがホントにいるのかどうかも怪しい。どっからどこまでを夢オチにすればいいのかも結局のところ理解できなかったのだが、「1984」や「時計仕掛けのオレンジ」みたいな殺伐とした雰囲気は無く、とにもかくにも不思議な映画。

メッサーシュミットもちょっとだけ活躍

未来観やプロダクション・デザインについては特筆するようなところはないが、ギリアムの意外性の演出が冴え渡る。つぎにどんな映像を見せてくれるのかを期待するだけで、2時間半はゆうに持つ。


ちなみに巨大甲冑侍の仮面を剥ぐシーン、あれ帝国の逆襲のパロディだよね?絶対。



池袋15時30分(1)

2006-06-23 15:58:19 | 池袋18時
もっと光を・・・。




ヘン顔だろうが、激太りだろうが、うまいもんはうまいし、世界最強。
ゴールキーパーまで交代させるという屈辱的な采配を目の前にして、何を思うか。
授業料は高くついたが、見放しなんかしません。見届けてやる。


1958年製作の「老人と海」という映画を観た。ヘミングウェー原作の例のやつ。
やっとこさ捕らえた巨大メカジキをサメに食われてしまう、トホホな話。
記事にするだけの気力がありません、はっきり言って。
ま、そこまでの映画じゃなかったのも事実だったりして。。。



マイ・ブラザーがディボースした関係で明日マイ・マザーが上京します。朝9時に羽田に迎えに来いだと。今朝は朝6時まで起きてたのに、明日は7時起きかよ。ぶつぶつ。


ティム・バートンのコープス・ブライド

2006-06-16 17:30:27 | 映画
森の中で結婚の誓いの練習をしてしまったため、死体のエミリーと結婚するハメになったビクター。死後の世界に連れて行かれるが、そこに暮らす死体たちは自由奔放な生活を送っていた・・・。



観る前は、かなりアーティスティックで大人向けの作品なんだろうと勝手に思い込んでいたが、実はそうでもない。ファミリー向けといえばファミリー向け。童話の世界を再現したような雰囲気。
物語自体はどうってことないし、意外な展開も目を見張るような新しさも無い。ドレスが風になびく様などよく出来ているとは思うが、機械仕掛けなのは一見してわかってしまう。

ただそうはいってもやっぱり見入ってしまう。これがCGかCGじゃないかっていうのを意識しながら見る映像ほど居心地の悪いものは無いが、そんなこととは無縁の独自性。もちろん「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の頃のような手垢にまみれた印象は薄れたが、CGの滑らかさと平板さを適度にオミットした、絶妙な動きと奥行きはやはり一見の価値はある。



<必要に迫られると技術は進歩する>

これ、ピクサーの一連のCGアニメに見事にはまると思うが、今回のバートンの作品にも言える。フィギュアが極端にスリムで華奢なため、コマ録りの際のアクシデントが予想される。それを避ける目的もあってか相当の技術革新がなされているようだ。機械仕掛けなのはその最たる部分だが、ちなみにフェイシャルアニメは前作ではいちいち顔だけすげ替えていたのを、今回は中にモーターを仕込んでそれを回すことで表情付けをやっているようだ。撮影期間の大幅な短縮で、それ以外のもっとクリエイティブな部分に労力をつぎこむことができたんだろうなー。ブライド登場のシーンの美しさはなかなかのもの。


物語は終盤、主役の二人が葛藤の中でどういう決断をするかが描かれる。2人の決断は身に詰まされるもののそれぞれ納得のいくもので、バートンの今の状態が円熟を迎えつつあるのがうかがえる。


日本の敗戦について

2006-06-14 12:04:46 | 雑文
もちろんサッカーのことです。
だいぶ精神的に落ち着いてきたんで、一応記しておこうと思う。



俗に「ドーハの悲劇」と言われている歴史的敗戦(というか引き分けだが)は、計算すると・・・え~と13年前か。
あの事態と比べるとかなり趣きが違う。あの頃の日本はとにかくW杯に出場することが最大の目標だった。

世界レベルに近づくために、Jリーグを発足させてレベルを向上させ、まずはアメリカ大会に出場し、次回のフランス大会では1勝する。その次には決勝トーナメント進出・・・、という青写真があったに違いない。
3回目が自国開催というのは、13年前の時点ではまだ現実味を帯びていたとは思えないが、結果的には<ホームの圧倒的な利>で決勝トーナメントに進出してしまう。その前にはユース世代の世界大会優勝というおまけもついて、
「この十数年でなんだか日本のサッカーってもう世界レベルに到達してんじゃん??」
みたいな空気が国内に浸透してしまう。


ドーハでの予選敗退は必然でもあった。もちろんショックは感じたが、あーやっぱダメだったか。という気持ちのほうが強かった。
選手層が極端に薄く、都並が最終予選に出場できないとなった時点で、攻撃のバリエーションは半分以下に落ちたわけで・・・。
W杯出場という最大の目標を前にしながらの敗退という意味では、ある意味すっきりしたといっても過言じゃない。行けるか行けないかのどっちかのわけで、今の日本はまだ行っちゃダメなんだよと言われてるような気もした。


今回のオーストラリア戦での敗戦。日本の目標ははっきりいってオーストラリアに勝利することじゃなかった。決勝トーナメント進出というものを見据えたなかでの、ショッキングな敗戦。ラスト10分で3点取られるという、これ以上ない屈辱的な敗戦。

ドーハ以降、日本のサッカー関係者(協会、コーチングスタッフ、選手などなど)が築いてきたステップアップの階段が、間違った方向に伸びていたと思わせるような敗戦。もしくはこれが日本の階段の頂点なのかと思えるような事態とも言える。
技術はまあまあでとにかく運動量が命の日本のプレースタイルは、明らかに後半に運動量が落ちていた。てことはあれが日本サッカーの限界なんだろうか。

Jリーグ発足前に住友金属が日本に招いたブラジルの天才は、選手の自主性を尊重した方針で、これまでもいちかばちかな試合が多かったのも事実。今回の試合はたまたまハズレだったのか?
次の試合、クロアチアに2-0で勝利することを願う。




今月は

2006-06-12 00:01:38 | 雑文
たぶん映画はあまり観れないと思われます。
なぜならコレ↓が始まったから。



このブログではあまり話題にしないが、かなりのサッカー好きです。もう20年は見続けてます。好きな選手はファン・バステン・・・、と言いたいところだが、オランダの監督やってます。時代を感じるなぁ。

日本はいよいよ今日だ。
勝ちにいかないと、引き分けもできないよ。頑張れ!


「コープス・ブライド」観ました。今週中には記事にします。


キングコング

2006-06-05 17:14:48 | 映画
1930年代(たぶん)のアメリカはNY。劇場がつぶれたため仕事にあぶれた売れない喜劇女優と、ギャンブル同然の冒険映画を製作しようとやっきになる映画プロデューサー。ロケに向かう2人と撮影クルーを乗せた船は髑髏島へと針路を向ける・・・。

1970年代に一度リメイクされた映画の再リメイク。監督は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで名をあげたご存知ピーター・ジャクソン。彼の次回作が「キングコング」と知ったときの違和感はずっとひきずっていたが、映画を観てみたらそんなものはあっさり吹き飛んでしまった。
コレ、どっからどう見てもP.ジャクソンだ。



根っからのB級映画人でもある彼の素の姿がここにあるような気がしてならない。船の座礁~現地人の襲撃~“カベ”の描写まではその絵づらだけでもR指定スレスレのダークな雰囲気。現地人のばあちゃん、すごいよしかし。夢に出てきそう。
コングに美女がさらわれてからの怒涛の怪獣ショーはもっとすごい。怪獣出てきては美しい景色を見せ、巨大昆虫出てきては夕陽を見せての繰り返し。それで1時間はたっぷり使う。プロキオサウルスの大軍団や、肉食恐竜とコングのバトル、谷底での巨大昆虫と人間の死闘(まさに!)などなど息つくヒマも無い。ワームに頭かじられる描写はジャクソンのジョークだろう、おそらく。しかしシャレになってないよ。かなり怖い。

コングの動きやフェイシャルアニメは見事と言うしかない。みんなが思い描くゴリラそのものといえばいいのか・・・、そうそうこんな動きするよなぁの連続。

NYに戻ってからの大暴れは意外にあっさりしてた気もするが、70年代のリメイク版の鈍重なコングに比べれば、えらい速い。背景がビル群だとその速さが際立つ。怪獣というよりはまさにゴリラ。



というわけで、長いだのありえねーだのいろいろ言われてるジャクソン版の「キングコング」だが、自分はことのほか楽しめた。一番のツッコミどころだと思われる<どうやってあの巨大なコングをNYまで運んだのか??>という点だが、ここがつっこまれるのはジャクソン自身にもわかってるはずだ。いさぎよくバッサリと搬出描写を切ったところでもそれがうかがえる。ま、いいんじゃない?別に。