映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

アメリカン・スプレンダー

2005-04-18 13:09:23 | 映画
病院の書類係として働くさえない男、ハービー・ピーカー。妻にも逃げられ、趣味はJAZZのSP盤収集。こんなおたくな男がコミック出版を通して、ささやかなアメリカンドリームを実現する。

「このままではいけない」と思うかどうかが人生の分かれ目。妻に逃げられ自暴自棄になりかけていたハービーは、病院で書類を整理しているときにふとその思いが宿る。
・妻に逃げられる。
・声帯の調子も悪くいつもの自分ではない。
・JAZZレコード収集で立ち寄ったガレージセールで才能ある漫画家に出会う。
・人間観察の類いまれな才能を有している。
さまざまな要因が同時多発的に重なり、ニーズのすき間にもそこそこ嵌まり(爆発的ヒットというわけではないようだ)、ハービーはコミック作家として一応デビューを果たすこととなった。
理解ある妻を迎えることも出来、幸せ・・・なのかな?
「強迫神経症」という病名がしきりに映画中で出てくる。おたくを表しているといえるが、後半、ハービーが自分と同姓同名の人間のことが気になってしょーがないというシーンは象徴的。レア盤をゲットするためにガレージセールに行かずにはいられない、というだけではとどまらず、自分と同じ名前の人間がどんな人生を歩んでいるのかが気になってしまう、というのは誰しも少なからず感じたことがあるのでは?

観る前に誤解していたのだが、このハービー・ピーカーという人はクリエイターでもアーティストでもなんでもない。ホントにただの人。というか、ただのおたく。彼の目的は家族で幸せに暮らすことに終始する。また妻に逃げられるんじゃないか、という強迫におびえながら、妻のご機嫌をとる。

ちなみにこの映画、P.ジアマッティ演じるハービーと実際のハービーが共演するという面白いスタイルをとっている。それにコミック(アニメではない)的仕掛けが随所に盛り込まれて、それが嫌味にならずに適度で好感が持てる。

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