映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

ドッグヴィル

2005-04-25 14:18:04 | 映画
閉鎖的なアメリカの田舎町ドッグヴィルに、追っ手を逃れた美しい女性がたどり着く。住民投票で滞在を許されるが、条件として各戸での労働を科せられる。表面上はうまくいっていたが、些細な誤解をきっかけに奴隷同然の扱いを受けていくことになる。

カウリスマキがハッピーエンドに希望を託すようになったのとは裏腹に、トリアーは相変わらず絶望の中に真実を見出そうとする・・・・。
と、キレイにまとめてあげたいところだが、この監督、はっきり言って、ただの超ドS。物語もそうなら俳優の扱いや観客に対しても。確信犯的にSな映画を撮ってるというよりも、もう本質がSなんでは?と思う。だからそれが作品ににじみ出てくるんだろう。ナレーションで3時間の物語を語って、俺の手のひらの上でこの映画は回ってるんだ、と言ってるようだ。
観てない方のために補足すると、この映画、背景が無い。というのはまぁ、極端だけど、地面にチョークで家や部屋、道の仕切りを描いているだけ。犬ですら、地面に2次元で描かれてる。要するに、カベというものが存在しないので町の人たちの生活がどのカットからでも一望できる。これはかなり新鮮だった。でももうこの手は使えないだろうなぁ。セットの無い舞台劇というとわかりやすいかもしれない。そうそうたる実力者の俳優たちが学芸会のリハーサルをしているような感じ。うーん、このへんってS心をくすぐるんだろうか??「こんな貧相なセットでオレ様がハリウッド俳優を操ってるんだ」と言いたいのかな?
ちなみに「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で、アメリカに一度も行ったことがないのにアメリカの映画を作った、と批判されたのに、ぶち切れてこの映画を作った、という噂です。

まあ何にしろ、ここまでのものを作り上げちゃったトリアーってある意味すごい。

で、クライマックスもすごい。あれでスカッとするか胸糞悪くなるかで自分のSM診断ができる(かも)。