ここんとこちょっと疲れてて、一度観た映画ばかり観てる。そのうち記事にまとめます。疲れてるくせになぜ「ブルーベルベット」?という突っ込みは無しで・・・。
父親が倒れて実家に戻ってきた大学生のジェフリー。病院からの帰り道、草むらで拾った人間の耳を警察に届けたところから、ダークな世界に足を突っ込み始める・・・。
一番好きな映画監督は?と聞かれて、即座に出てくるのがデビッド・リンチ。
そもそも映画というのはウソで塗り固められたものであって、それをいかに真実らしく2時間見せるかが勝負。社会派でもヒューマンドラマでもコメディーでもファンタジーでもアニメでも、もうこの際ジャンルはなんだっていい。
「いかに入り込めたか」
自分の物差しはコレに尽きる。
どんだけ技術的にすごいことをやってても革新的なアプローチであろうと、入り込めなかったら、自分的にはそれはダメな映画です、ハイ。ま、異論反論あるとは思いますが。
で、リンチ。彼はこういう映画ファンの心理をもてあそぶような映画ばかり撮ってる。とんでもない展開を見せる映画になんとかついていこうと、「これは真実なんだ」と思い込んだ観客に対して、そろそろついてこれたかな、って頃合いを見計らって、さらに追い討ちをかける。例えば、主役として思い入れを強くし始めたキャラをあっさり映画から消し去ったり、リアルで共感を呼びやすい平和な風景に闇を投じたり・・・。
「ロスト・ハイウェイ」「マルホランド・ドライブ」あたりを観てない人にはぜひ観て欲しい。ドラマを追っかける種類の映画じゃないんで、苦痛に思う人もいるかもしれないが、感じる映画です。
プロダクション・デザインに関しても決して手を抜かない。というか自分のスタイルを確固として持っている人だ。美術、音楽、衣装・・・。いい映画を撮るのに、この辺のこだわりが感じられない監督というのはホントに多い。そんな中、リンチは映像を作るというのは、撮影して編集するだけではないということを熟知している。
「ブルー・ベルベット」のことを何にも書いてないが、リンチにしては非常にわかりやすい映画。光と闇の境界が明確で、ダークサイド入門といってもいいような映画。ただ心理描写が少なく、最近の脂の乗り切ったような傑作群とは比べるべくもないが。
父親が倒れて実家に戻ってきた大学生のジェフリー。病院からの帰り道、草むらで拾った人間の耳を警察に届けたところから、ダークな世界に足を突っ込み始める・・・。
一番好きな映画監督は?と聞かれて、即座に出てくるのがデビッド・リンチ。
そもそも映画というのはウソで塗り固められたものであって、それをいかに真実らしく2時間見せるかが勝負。社会派でもヒューマンドラマでもコメディーでもファンタジーでもアニメでも、もうこの際ジャンルはなんだっていい。
「いかに入り込めたか」
自分の物差しはコレに尽きる。
どんだけ技術的にすごいことをやってても革新的なアプローチであろうと、入り込めなかったら、自分的にはそれはダメな映画です、ハイ。ま、異論反論あるとは思いますが。
で、リンチ。彼はこういう映画ファンの心理をもてあそぶような映画ばかり撮ってる。とんでもない展開を見せる映画になんとかついていこうと、「これは真実なんだ」と思い込んだ観客に対して、そろそろついてこれたかな、って頃合いを見計らって、さらに追い討ちをかける。例えば、主役として思い入れを強くし始めたキャラをあっさり映画から消し去ったり、リアルで共感を呼びやすい平和な風景に闇を投じたり・・・。
「ロスト・ハイウェイ」「マルホランド・ドライブ」あたりを観てない人にはぜひ観て欲しい。ドラマを追っかける種類の映画じゃないんで、苦痛に思う人もいるかもしれないが、感じる映画です。
プロダクション・デザインに関しても決して手を抜かない。というか自分のスタイルを確固として持っている人だ。美術、音楽、衣装・・・。いい映画を撮るのに、この辺のこだわりが感じられない監督というのはホントに多い。そんな中、リンチは映像を作るというのは、撮影して編集するだけではないということを熟知している。
「ブルー・ベルベット」のことを何にも書いてないが、リンチにしては非常にわかりやすい映画。光と闇の境界が明確で、ダークサイド入門といってもいいような映画。ただ心理描写が少なく、最近の脂の乗り切ったような傑作群とは比べるべくもないが。
職業訓練所で木工を教えるオリヴィエ。ある日彼の元に、自分の息子を殺害した少年が生徒としてやってくる・・・。
最初から最後までドキュメンタリータッチを崩さない。「CBSドキュメント」よりはどっちかと言うと「NON-FIX」とかに近い。とにかく淡々としてる。
生徒の少年がラストまで、自分が先生の息子を殺害したことを知らされない、という部分で若干サスペンス色を残してはいるけど、全てが明らかになった終焉も淡々として、突然ブツッと幕を閉じる。
「あなたならどうしますか?」
映画のメッセージはこれに尽きる。オリヴィエは少年の登場に動揺し、追い討ちをかけるかのように、元妻が再婚するという知らせを持って訪問してきたことに我を失う。やはり息子の死をいまだ引きずる元妻に、少年が突然現れたことを話せないまま、映画は淡々とひたすら淡々と進行する。ハンディカメラ独特のブレに慣れるまで時間がかかる(慣れないまま映画が終わることもあるだろう)が、それを除けば、登場人物も話の展開もシンプル極まりなく、非常に観やすい映画だ。
ただ、映画として観せるのなら、もう少し気を遣ってくれてもなぁと思う瞬間も多い。木工の専門知識がときたま登場するが、その辺もうちょっと突っ込んでくれても良かったと思うし、同じような問題提起型の映画でヴァン・サントの「エレファント」というのがあったが、あの映画の場合、時間軸を自由に移動し、色彩感覚にも独特のものがあって、観る側を飽きさせない配慮がされていた。
まあ、意識的にそういう映画っぽい部分は排除したのかもしれないが、オリヴィエ役の俳優も少年役の新人俳優もイイ味出してただけに、ちょっと残念な感じもする。
最初から最後までドキュメンタリータッチを崩さない。「CBSドキュメント」よりはどっちかと言うと「NON-FIX」とかに近い。とにかく淡々としてる。
生徒の少年がラストまで、自分が先生の息子を殺害したことを知らされない、という部分で若干サスペンス色を残してはいるけど、全てが明らかになった終焉も淡々として、突然ブツッと幕を閉じる。
「あなたならどうしますか?」
映画のメッセージはこれに尽きる。オリヴィエは少年の登場に動揺し、追い討ちをかけるかのように、元妻が再婚するという知らせを持って訪問してきたことに我を失う。やはり息子の死をいまだ引きずる元妻に、少年が突然現れたことを話せないまま、映画は淡々とひたすら淡々と進行する。ハンディカメラ独特のブレに慣れるまで時間がかかる(慣れないまま映画が終わることもあるだろう)が、それを除けば、登場人物も話の展開もシンプル極まりなく、非常に観やすい映画だ。
ただ、映画として観せるのなら、もう少し気を遣ってくれてもなぁと思う瞬間も多い。木工の専門知識がときたま登場するが、その辺もうちょっと突っ込んでくれても良かったと思うし、同じような問題提起型の映画でヴァン・サントの「エレファント」というのがあったが、あの映画の場合、時間軸を自由に移動し、色彩感覚にも独特のものがあって、観る側を飽きさせない配慮がされていた。
まあ、意識的にそういう映画っぽい部分は排除したのかもしれないが、オリヴィエ役の俳優も少年役の新人俳優もイイ味出してただけに、ちょっと残念な感じもする。
すっかり同じ。これから冬にかけてこの時間に撮る意味があるんだろうか・・・
マービン・ゲイのライブ映像をGyaoで観た。
MCかと思ってたら自然に唄になってたりするステージングにちょっと感動。
バックの歌謡曲バンドみたいなのの指揮棒振ってる人が、いきなり前向いてペット吹き出したのにちょっと失笑。
マービン・ゲイのライブ映像をGyaoで観た。
MCかと思ってたら自然に唄になってたりするステージングにちょっと感動。
バックの歌謡曲バンドみたいなのの指揮棒振ってる人が、いきなり前向いてペット吹き出したのにちょっと失笑。
二人の少女がマクドナルド社に対して起こした訴訟(太りすぎたのはお前らのせいだ!)をヒントに、じゃあホントにマックのせいなのか俺が証明してやる!と意気込んじゃった、ある映像作家のドキュメンタリー。
大体、訴訟自体が理不尽だというのは、どう考えても明らかなわけなんだけど、映画を観ていくうちにどうもそうとも言いきれない・・、という気持ちにさせてしまうこのミョーな説得力はすごいと思う。
コレ、細かく説明しちゃうと、観たときの楽しさや驚きが半減しちゃうんで、なかなか難しいところ。
要は、1ヶ月の間、3食全て(飲み物も)マックで済ますと、体がどんな変調をきたすのかというのを、身をもって証明してくれる、という映画。ただ、体脂肪が増えるだけって?とんでもない。この人、死にかけてます。
ジャンク・フードならぬジャンク・ムービーだと思って観ると、意外な社会派映画でちょっと感心してしまう。
ただまあ、詰めが甘いというか、最後煮え切らないところもあるんだけど、でも面白い。人体実験のパートももちろん面白いんだけど、それ以外の、アメリカ人の食事情やら、外食産業の腐敗ぶりやら、特に学校のカフェテリアの事情は、あーアメリカ人の食の貧しさはこっからきてるんだな、と見て取れる。
「カロリーって何?」
っていう質問を道行く人に質問するシーンがある。
誰も答えられない。
「脂肪」
「取っちゃいけないもの」
とまあ、こんな調子。
1リットルの水を1℃上昇させるのに必要な熱量が1キロカロリー。
これが正解だそうで、こんな小ネタも目白押し。
ただ、自分的に一番驚いたのは、アメリカ人の信じられない食事情。バケツ大のソーダ水を毎日毎日3杯飲み干して、結果胃のバイパス手術を受けるハメになるサラリーマンやら、ビッグマックを一度に3個注文する男はこれまでに1万個以上食ってるそうで・・・(つーか数えるのもすごいが)。
軽く観れる割に、考えさせられる部分も多い。手法的には「ボーリング・フォー・コロンバイン」まんまだったりして、アニメやなんかも取り入れて、ポップな雰囲気。発する情報は、垂れ流しな部分もありツッコミが甘いが、でもこれちょっとお薦めですよ。マックしばらく食べれなくなるかと思ったけど、観た後なんだか食べたくなるのも不思議。
大体、訴訟自体が理不尽だというのは、どう考えても明らかなわけなんだけど、映画を観ていくうちにどうもそうとも言いきれない・・、という気持ちにさせてしまうこのミョーな説得力はすごいと思う。
コレ、細かく説明しちゃうと、観たときの楽しさや驚きが半減しちゃうんで、なかなか難しいところ。
要は、1ヶ月の間、3食全て(飲み物も)マックで済ますと、体がどんな変調をきたすのかというのを、身をもって証明してくれる、という映画。ただ、体脂肪が増えるだけって?とんでもない。この人、死にかけてます。
ジャンク・フードならぬジャンク・ムービーだと思って観ると、意外な社会派映画でちょっと感心してしまう。
ただまあ、詰めが甘いというか、最後煮え切らないところもあるんだけど、でも面白い。人体実験のパートももちろん面白いんだけど、それ以外の、アメリカ人の食事情やら、外食産業の腐敗ぶりやら、特に学校のカフェテリアの事情は、あーアメリカ人の食の貧しさはこっからきてるんだな、と見て取れる。
「カロリーって何?」
っていう質問を道行く人に質問するシーンがある。
誰も答えられない。
「脂肪」
「取っちゃいけないもの」
とまあ、こんな調子。
1リットルの水を1℃上昇させるのに必要な熱量が1キロカロリー。
これが正解だそうで、こんな小ネタも目白押し。
ただ、自分的に一番驚いたのは、アメリカ人の信じられない食事情。バケツ大のソーダ水を毎日毎日3杯飲み干して、結果胃のバイパス手術を受けるハメになるサラリーマンやら、ビッグマックを一度に3個注文する男はこれまでに1万個以上食ってるそうで・・・(つーか数えるのもすごいが)。
軽く観れる割に、考えさせられる部分も多い。手法的には「ボーリング・フォー・コロンバイン」まんまだったりして、アニメやなんかも取り入れて、ポップな雰囲気。発する情報は、垂れ流しな部分もありツッコミが甘いが、でもこれちょっとお薦めですよ。マックしばらく食べれなくなるかと思ったけど、観た後なんだか食べたくなるのも不思議。
パリに住む大学生、グザヴィエは父親のコネのお偉方の「スペインに留学しなさい」の一言に突き動かされ、恋人を残し、一人バルセロナに旅立つ。ヨーロッパ中の留学生たち5人とルームシェアしてアパートに暮らすことになるが・・・。
EU統合という時事問題が背後にデンと構えている、といった印象。もちろん冒頭のお偉方の話でEUのことが触れられてるわけで。お偉方はビジネス的戦略として、EUの問題を見逃すわけにはいかない、という意味で話してるのだが、グザヴィエがアパートで共同生活を始めていくにつれ、もっと現実的な民族間の問題が頻発していく。
とはいっても、そんな小難しい映画ではなく、まあ言ってみれば異文化コミュニケーション的な映画。ちょっと乱暴だが「ロスト・イン・トランスレーション」のスペイン版だと思って観ても差し支えない。
社会派な問題が見え隠れする一方で、グザヴィエの煮え切らない優柔不断なキャラクターがどんどんドラマ性を生み出していく。その辺の見せ方は巧い。将来設計にしても恋愛にしても、最後の最後まで煮え切らないのだが、冒頭、旅立つ飛行機の中でビービー泣いてた青年が、徐々にたくましさを見せていく。たくましさという言葉はちょっと語弊があるか。不倫に走るルーズさは彼っぽいし、パリに残した恋人との関係が修復できないまま、ルームメイトと夜遊びにふけるあたりは、んーなんだかなぁ、という気分にもなる。でも共感はできなくもない。誰しも似たり寄ったりのことは経験してると思う。青春映画ってこんな感じだよね、大体。へんに説教くさくならずに、誰もが通る道を描いてる。
EU統合という時事問題が背後にデンと構えている、といった印象。もちろん冒頭のお偉方の話でEUのことが触れられてるわけで。お偉方はビジネス的戦略として、EUの問題を見逃すわけにはいかない、という意味で話してるのだが、グザヴィエがアパートで共同生活を始めていくにつれ、もっと現実的な民族間の問題が頻発していく。
とはいっても、そんな小難しい映画ではなく、まあ言ってみれば異文化コミュニケーション的な映画。ちょっと乱暴だが「ロスト・イン・トランスレーション」のスペイン版だと思って観ても差し支えない。
社会派な問題が見え隠れする一方で、グザヴィエの煮え切らない優柔不断なキャラクターがどんどんドラマ性を生み出していく。その辺の見せ方は巧い。将来設計にしても恋愛にしても、最後の最後まで煮え切らないのだが、冒頭、旅立つ飛行機の中でビービー泣いてた青年が、徐々にたくましさを見せていく。たくましさという言葉はちょっと語弊があるか。不倫に走るルーズさは彼っぽいし、パリに残した恋人との関係が修復できないまま、ルームメイトと夜遊びにふけるあたりは、んーなんだかなぁ、という気分にもなる。でも共感はできなくもない。誰しも似たり寄ったりのことは経験してると思う。青春映画ってこんな感じだよね、大体。へんに説教くさくならずに、誰もが通る道を描いてる。