映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

ドーン・オブ・ザ・デッドその2

2004-11-30 12:21:31 | 映画
その1はこっち

改めて観てみると、かえすがえすコレは実は傑作なのでは?と思うようになってきた。オープニングシーケンスはいかにもゲーム的。俯瞰視点のカローラにザコキャラやイベントが絡み合ってくる。かと思えば、街俯瞰で状況をダイナミックにかつ悲劇的に捉える。この一連のスピード感は、アドベンチャーゲームのプロローグムービーを思わせる。
ショッピングモールに逃げ込んでからは、ガンアクションで監督の趣味をうかがわせる。もろペキンパーなその撮影は一見の価値アリ。いちいちスロー撮影になり、薬莢のクローズアップを多用する。黒人青年とおばちゃんとのガンファイトは笑える要素たっぷりだが、決して手抜きはしない。
ゾンビのアクション演出は今風。ワイヤーアクションを使っているかと思われるカットも見受けられた。全力疾走の部分だけに目を奪われがちだけど、超人的なジャンプやスラッシュメタルな雰囲気満点のそのアクションと表情などでメリハリをつけていたように思う。

とりあえずB級のテイストが残っているのが素晴らしい。ペキンパーとロメロとリドリーがフィンチャー的解釈に落とし込まれたような映画。この監督、ザック・スナイダー、今後要チェック。

最近の傾向

2004-11-25 11:31:14 | 映画
ここ3週間ほどで観た映画を思い返してみた。

「デスマシーン」
「死霊のえじき」
「リプレイスメント」
「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」
「ゾンゲリア」
「ベティ・サイズモア」
「ショウタイム」
「キル・ビルVol2」
「イン・ザ・カット」
「チルドレン・オブ・ザ・デッド」
「地下室の悪夢」
「ドーン・オブ・ザ・デッド」

う~ん。。。死がキーワードのようだ。ゾンビにモンスターに死刑に猟奇殺人。「ショウタイム」と「キル・ビル」はテイストは明るいが、中ではバンバン人が死んでる。
それにしてもゾンビ率が高い。別にゾンビマニアでは無いので念のため。ゾンビ映画の中で自らすすんで借りたのは「チルドレン・オブ・ザ・デッド」だけです。あとは全部、会社の人が無理やり机の上に置いてったものばかりです。

で、画像は「チルドレン・オブ・ザ・デッド」。しかしこのジャケどーよ。

ドーン・オブ・ザ・デッド

2004-11-24 12:24:16 | 映画
CM・ミュージッククリップ出身の監督と聞いて納得。映像のセンスは面白い。同じような出身の監督でいうと、フィンチャーやトニー・スコット、スパイク・ジョーンズあたりが思い浮かぶが、ほんの数秒の何気ないカットを、奇をてらった撮り方で見せようとする悪い癖がある。はまったときは面白いが、フィンチャーなんかはたまにやり過ぎる。

で、この映画。冒頭、ヒロインの家族がゾンビ化してから、屋外に逃亡するまでの連続的でスピーディなシーンは見事。映像だけで、いろんな情報を強引に説明し倒す。ココでこの手の映画に見慣れてない人は脱落するかもしれないが、ゾンビ映画に見慣れてると、いわゆるカニバリズム的描写は思ったほど多くないことに気付く。
全力疾走してくるゾンビは、笑えるかと思っていたが、実に見ごたえあって面白い。リメイクした価値はここにある。あの独特の哀愁やユーモアは皆無だが、パニック映画としてのバリエーションが明らかに増えている。

ゾンビ映画に造詣の深い人にはおそらく納得いかないだろうこの映画。でも客観的に観ればなかなか面白いのは事実。


その2に続く

ちょっと思い出したこと

2004-11-22 13:03:15 | 雑文
床上浸水を経験したことがある人がどれぐらいいるかわからないが、僕は小さい頃毎年のように経験していた。

実家は四国の高知というところで、小学生の頃、夏休みともなれば毎年、兄と一緒に親戚のウチに預けられていた。実家は高知市内なんだけど、親戚んちはさらに田舎の吾川郡伊野町(今は近隣と統合されて、単なるいの町らしい。しかもひらがな)というところで、台風の季節になると近くの仁淀川が必ずといっていいほど氾濫してた。今でこそ河川工事が万全でそんなこともないんだろうけど、何せ30年近くも前のことなんで・・・。
床上浸水になるとどうなるか。。。まず飼ってた犬が2階に上がるのが楽しかった。それから、翌朝に町内会のひとだか消防署のひとだかが、手漕ぎボートで迎えに来てくれるのが楽しかった。何と言っても一番のトピックは、、、町のほとんどがその当時汲み取り式便所だったため・・・・・、やめとこ。
楽しい思い出ばかりで、不謹慎な!というお叱りは覚悟の上です。子供なんてそんなもんです。(しかも実家じゃないし・・・)
でも今考えると、そこの親戚家族のたくましさはものすごいと思います。

cliche「an optimist」

2004-11-19 17:27:57 | 音楽
よくここのblogに遊びにきてくれるやなぎださん
彼女はcliche(クリシェ)という「Acid Jazz、Latin、Brazil、R&B、音響、歌謡等を基調にしたlistening popのユニット」で、ステキな唄を歌っています。そのクリシェが本日、2枚目のアルバム「an optimist」を出しました。早速聴きましたが、社交辞令抜きで素晴らしいです。どのへんがイイのかは、映画と違って説明しづらいですが、心のこもった本物の音楽です。ココで♪をクリックすると試聴もできるぞー。

写真は池袋タワレコ試聴機に鎮座する「an optimist」。

イン・ザ・カット

2004-11-19 10:45:47 | 映画
う~ん、コレは・・・。簡単に言うと、色ボケした女教師が自分を見失っていく話。自分を取り戻す話にしたいのだろうが、キビシイ。よく言えば、本能の趣くままに生きているとでも言えばいいのか。サスペンス自体に何の魅力も無い。アングラなカルチャーを当たり前のように描いているのは、少しだけ新鮮。あと、オープニングシーケンスの、まどろんだ感じっつーのか、それもちょっと良かった。
M.ライアンの体当たり演技(このフレーズ好き)とか、バラバラ殺人のショッキングなカットなどといった、ビジュアル的なトピックはあるものの、映画の本質を見透かされるのをごまかしたようにしか見えない。

しかし、M.ライアン、立ち直るのに時間かかるのでは、とよけいな心配もしてしまう。

風邪

2004-11-18 13:02:22 | 雑文
今週に入ってから風邪をこじらせてたのだが、おとといの夜ついに力尽きた。
で、昨日は会社休んだんだけど、こんな日は家で布団にくるまってネット三昧・・・と思ってたのに、自宅PCのADSL接続がここんとこ不安定で、昨日に限って全く繋がらなかった。
プロバイダに電話してああだこうだ説明したんだけど、結局回復せずじまい。ADSLの安定化をはかってみて、また折り返すとのこと。長電話ですっかり調子を崩してしまい、また熱が上がる始末。。。
今日は何とか復活した風を装って会社に来てるが、声が別人と言われた。

それはそうと、心配してくれる人がいるのは嬉しいもんです。僕の思い込みかもしれないけど。。。でもありがとう!

ベティ・サイズモア

2004-11-16 11:18:01 | 映画
韓流ブームなんて言われ始めて久しいが、この映画を観ると、どこの世界でも一緒なんだなぁとしみじみ思う。

ある事件をきっかけに自分の中でスイッチが入ってしまい、大好きなメロドラマの主人公と自分が結婚するもんだと完全に信じ込んでしまう。ただ、俳優に恋してるんじゃなくてそのドラマの主人公そのものが完全に存在するもんだと思ってしまっているところはひねりが効いてる。ドラマの中で起こったいろんなエピソードやなんかに全て自分が絡んだ状況で記憶してしまっていて、この辺のやりとりがミョーにおかしい。
この映画、いろんな観方ができてなかなか面白い。コメディとして観るのもいいし、ショウビズの世界を垣間見るという意味でも興味深い。映画学校の教材用のサンプルとしてもってこい、とさえ思ってしまう。それだけ多面的な不思議な映画だ。それでいてメジャー映画の域を踏み外していない。

キル・ビルVol.2

2004-11-15 15:01:42 | 映画
1と2を通しての感想。1のオープニングでぶっ飛んだ後、徐々に低空飛行を続けたような印象。ところどころスパイスを効かせながらも、結局はQTの趣味についていけない人は置いてけぼり。ついていけてると思い込んでる人でも、香港カンフーと東映任侠以外のエッセンスをどれだけの人が理解して楽しんでるのかは疑問。このシリーズでの見どころ(というか聞き所)はQTの相変わらずの選曲のセンスの良さとその挿入のハマリ具合。正直それだけ。そこそこスタイリッシュな映像と音楽のシンクロ。
話自体はバカバカしいにもほどがあって、それはそれでいいんだけど、これを2時間にまとめられない才能の平凡さを確認。

音楽と映画

2004-11-12 12:45:57 | 音楽
デビッド・リンチは、「マルホランド・ドライブ」のプロモーションの際に「自分の映画は音楽を聴くように”感じて”欲しい」と話したことがある。難解で意味不明と毛嫌いする人もいれば、持論を展開して何とかしてリンチ映画を分析しようとする人もいる。自分もどっちかというと、伏線の洪水と化したリンチ映画を何とか理解しようとあれこれ思考をめぐらすタチだった。でもこのリンチ本人の言葉を聞いて肩の荷が下りたのを記憶している。その直後、彼の過去の作品を片っ端から借りてきて、音楽を聴くように楽しんだことがある。

音楽というのは、アーティストの感性の産物であると同時に、受け手側の感性にも大きく委ねられているものだと思う。だから自分の好きな音楽を他人に説明するのはものすごく困難なわけで・・・。映画にも感性の産物という面もあるけど、どちらかというと技術の集合体であって、受け手側に「アンリアルをいかにリアルに感じさせるか」という技術勝負なところがあるかなぁと。だからこの映画のどこがイイのかってのを説明するのはたやすいこと。相手が理解してくれるかどうかは別として・・・。

音楽評論家というのは、大変な職業だと思う。作品そのものを評論するには、結局過去の似たものを引っ張り出してきて比較論を展開するしかない。でなければ、そのアーティストのバックボーンやら立ち位置などを持ち出して、人間を評論するしかない。

このblogで、自分の好きな音楽のことをたまには話そうと思っていろいろと考えた結果、こんな内容になってしまいました。。。

画像は「マルホランド・ドライブ」です。僕のフェイバリットの一つです。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

2004-11-11 12:45:50 | 映画
死刑制度の是非を問うネタって、ハリウッドではありきたりだとは思うけど、この映画はちょっと毛色が違う。あんまり話すとネタバレになっちゃう、と言うだけで、一筋縄ではいかない映画だというのがわかってもらえると思う。
とにかくケビン・スペイシーのいかがわしさというか何考えてるかわかんない表情が、何かあるぞと思わせるだけの説得力を持ってる。それと、なんというか企画勝利というか・・・、死刑モノの映画がこれだけ大量にあると、その先入観ってのがこっち側にあるんで、それで騙されてしまうというのもあるのでは。
訴えようとしているメッセージ自体は、短絡的だし幼稚なんだけど(これも詳しく話すとネタバレになっちゃう)、でもなんか引き込まれちゃうんだよなぁ。

ゾンゲリア

2004-11-10 11:21:49 | 映画
最近この手の映画が続いてるのは気にしないでください。会社で隣に座ってる人がこの手のDVDを多数持ってることが判明して、借りまくってるだけです。

しかしこのタイトルは・・・。タイトルで客を選んじゃうのは避けられないのでは。「ゾンゲリア」って内容じゃないし、とりあえず。。。原題のDEAD AND BURIEDは全くかすってない。公開当時のゾンビブームに乗っかっただけなんだろう。でも、タッチはまるでヨーロッパの文芸作品のよう。
ゾンビも出てくるけど、人肉を食ったりなんつう野蛮なことはしない。燃やしたり刺したりとかいう殺し方で迫ってくる。特殊メイクは幼稚だが、その分美術が頑張ってる。さびれた田舎町の雰囲気やら、部屋の内装や小物が実に洒落てる。何度も言うがこれはまっとうなヨーロッパ風アメリカ映画だ。

YAHOO!LAUNCH

2004-11-08 11:33:09 | 音楽
今はまってるもの。YAHOO!LAUNCH。インターネットラジオステーションのひとつだけど、かなりイイ。無料で月に800曲まで聴けてPVも見放題。音質も許せる範囲内。有料の場合は曲数制限は無くてさらにチャンネルも増えるんだけど、なんか著作権やらの問題がちゃんと解決してないみたいで、アメリカ国内でしか利用できないようだ。でもまあ、月に800曲だったら十分かも。垂れ流しにしてると800曲なんてあっという間なんだろうけど・・。好きなアーチストやらお気に入りの曲をチョイスして聴くことはできないけど、RATINGというシステムがあって、要は優先度みたいなもん。それをそのアーチストごとにつけてあげれば優先度を上げることができる。それはつまり自分好みのステーションを作れることも意味してるわけで。なかなか楽しい。
例えばその昔のヒット曲なんかは、今でもなんかの機会に耳にすることはあっても、小ヒットぐらいの曲だとなかなかラジオでも掛からないし、ましてやCDなんか持ってもいない。というか、アーチスト名すら忘れてたりする。ハワード・ジョーンズとかアラームとかが突然LAUNCHで掛かったりすると、懐かしさがこみ上げてきて、1人で仕事中に笑みを浮かべてたりして・・・。不気味。ついさっきは、ビッグオーディオダイナマイトの「E=MC2」がかかって思わず、小声で「なつかしい~~!!」と叫んでた。

リプレイスメント

2004-11-04 11:40:24 | 映画
これは笑える。映画をよく観る人はさらに笑いどころ満載だ。とにかくいろんな映画の記号がそこかしこに散りばめられていて、それをまじめに演じてるのがおかしい。ま、大枠は「少林サッカー」なんだけど、「フルモンティ」っぽかったりもする。要は、落ちこぼれ集団が栄光を目指すという物語。それがこの映画ではアメフト。お約束のキャラ設定にお約束の展開。例えば、最後の試合の途中、怪我した仲間が「オレはもうだめだ。あとはみんなで頑張ってくれ・・・」とかいうセリフをまじめにしゃべったりとか・・・。コーチ役のG.ハックマンもこの映画での自分の使われ方をよく理解していて、さすがという感じ。
ドラマ部分はそこそこにさっさと試合に突入する流れも、身をわきまえた編集。とにかく消費映画という言葉がぴったりくる。
注文するとすれば、アメフトのシーンの撮影にもっとこだわりがあれば面白かったと思う。ボール目線とかね。

死霊のえじき

2004-11-02 15:50:07 | 映画
今見ると、とてつもなくB級な映像なんだけど、でも中でやってることはすさまじい。当たり前のようにゾンビが徘徊し、肉を食らう。ゾンビ映画に社会性を持たせようと一生懸命になるその情熱も計り知れないものがある。サヴィーニはリアルとディフォルメの境界線上でやりたい放題だ。
撮りたいものがはっきりしている監督の映画は観ていて気持ちいい。