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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (24) 和ナシ・洋ナシ

2021-04-03 09:27:14 | みんなの花図鑑
ニホンナシ ’朝鮮’

これは 樹名板によれば、 「朝鮮」というニホンナシなんだそうです。
でも 「ナシ 朝鮮」とかでググってもなにもヒットしません。
花は サクラに似ています。



花柄が長いのもニホンナシの特徴そのままです(ニホンナシだから当たり前?)
ただ、チョウセンナシはないけれども、チュウゴクナシ(中国梨)というものはあるようで、その花は以下のようです。

(チュウゴクナシの花 出典:Wikipedia 「チュウゴクナシ」)
wikiには 「形は洋なしのようなびん形や、和なしのような球形などがあり、果皮は淡い黄緑色である。洋なしのように熟するまで一定期間置く(追熟させる)が、味は和なしに近い。」とあります。




セイヨウナシ ’ブランデーワイン’

セイヨウナシ(洋ナシ)というと ’ラ・フランス’ がつとに有名ですが、そちらはまだ咲いていませんでした。
一般に 和梨とくらべ洋ナシの花は小振りのようです。



セイヨウナシ(西洋梨)が日本に伝えられたのは、意外と古く、明治初期だったといわれています。


2種の西洋ナシ
 1876(明治9)年『菓木栽培法』(鳥取県立倉吉農業高校所蔵)より
 (与佐ヱ門『梨の歴史』「江戸の「ナシ学」の世界に遊ぶ」)

しかし、日本の気候があまり適していなかったため定着しませんでした。
今でも主な産地は東北や信越地方などの寒冷地に限られています。(初心者の果樹栽培|庭植え鉢植えで大収穫「セイヨウナシの育て方」)
和梨は樹上で完熟させ、収穫後すぐに食べられるのに対し、セイヨウナシは収穫してから、香りが増し果肉が軟らかくなるまで、追熟させる必要があります。
セイヨウナシが最近まで普及しなかったのも、日本ナシを追熟させる習慣がなかったため、洋ナシの食べ頃を見極めるのが難しかったことも理由にあるのでしょう。




「西洋ナシのラ・フランスやル・レクチェなどは、和梨と同じ中国原産で、西(ヨーロッパ)などに伝わり、品種改良されたものが、洋梨(ようなし)と呼ばれる。」(e-yakusou.com「ラ・フランス(洋ナシ)」)




ニホンナシ ’太平’

「太平」という品種も情報が少ないのですが、あるPDFに 「江戸時代に神奈川県で発見された晩生品種の「太平」. が,甘味が強いことから主要 ・・・」とあり、古くからある晩生品種のようです。

先ほどの図版(『菓木栽培法』(鳥取県立倉吉農業高校所蔵))に こんな図版も載っていました。

江戸庶民の御用達だった太平梨子と江戸家梨子




「太平」だけではありませんが、ピンクの縞のはいったナシの蕾もかわいい。
また、図では見づらいですが、雄しべの先が花弁になってるのもあります。


以上、ナシの花について ながながとお付き合いくださり、ありがとうございました (^_-)-☆


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