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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (23) ニホンナシ 2

2021-04-02 18:00:00 | みんなの花図鑑
ニホンナシ ’二十世紀’

「二十世紀梨」というと 鳥取県を思い浮かべますが、作られたのは 千葉県なんですね。

二十世紀梨は、明治21年千葉県松戸市で松戸覚之助という当時13歳の少年によって偶然発見されました。それは、ごみ置き場のまわりに生えていたそうです。この頃、梨といえば果皮が茶色の赤梨であったのに対し、「色は淡緑色で肉質がやわらかく、水分が多くて口の中にいれると自然にとけるような美味しい梨」として注目を集めました。その後、「二十世紀になったら梨の王様になるだろう」と期待して二十世紀梨と名づけられ、まさしくそうなったのです。(全農とっとり・アグリマーケット「二十世紀梨の歴史」)



鳥取県には明治37年、鳥取市桂見の北脇永治という人がその苗木を10本購入したのがはじまりです。(同上)

バラ科のナシの花は もともとは5弁花ですが、「二十世紀」の花弁は八重(というのか?8弁花というのか?)です。



ナシの花は 雄しべの葯(花粉の入った袋)が真っ赤です。これが花をとても引き立ててます。





ニホンナシ ’伊豆之誉’

「伊豆之誉」(あるいは「伊豆の誉」)という品種は、ナシではなく ブドウの「ピオーネ」(巨峰とカノンホール・マスカットの交配種)の生みの親である伊豆長岡町(現在の伊豆の国市) の井川秀雄氏が作成した品種だそうです。(井川葡萄「「ピオーネ」生みの親・井川秀雄について」)



花は5弁花の梨の典型で、花柄が長いのが特徴です。



何本あるのでしょうか、たくさんのおしべです。葯は紅色です。




ニホンナシ ’八達’

白い花弁が引き立つ ナシの花です。
果実は 通販サイト「高地特産通販・八達梨(ハッタツなし)」のコピーによると、

”特筆すべきはその“香り”。
「完熟した時に放つ香り」が、なんとも印象的な美味梨です。”
とありました (^^ゞ



(前に調べたとき どこかに書いてあった) 花びらは、5枚~7枚が普通です。






ニホンナシ ’菊水’

「菊水」は 黒斑病に強い、「二十世紀」の後代として誕生したものだそうです。

「菊水(きくすい)」は1927(昭和2)年、神奈川県立農事試験所(現農業総合研究所)で当時場長だった菊池秋雄氏が育成した青梨品種です。(旬の食材百科「菊水(きくすい):来歴や特徴と産地や旬」)



当時すでに「二十世紀梨」は市場に広く出回っていたようですが、黒斑病に弱いという欠点があり、この病気に対する抵抗性を持つ、二十世紀に替わる品種を目指し、強い抵抗性を持つ「太白(たいはく)」に、「二十世紀」の交配種を掛け合わせてできた実生から選抜育成されました。(同上)




赤い葯がはじけて花粉を出し終わると おしべは黒くなります。









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